ホテルを出た私と奏斗。 昨夜は凄い雨で、電車が停まっちゃっていたのが嘘のように、空は快晴。 「凄い気持ちいい天気だな」 「ね。昨日の悪天候が嘘みたいだよね」 私と奏斗は、会話をしつつ駅に向かう。 自然に、無意識に。 私と奏斗はどちらからともなく手を繋ぐ。 指を絡ませる、所謂「恋人繋ぎ」 今まではこんな風に奏斗と手を繋ぐと、私はすぐ照れてしまって顔が赤くなってしまったのだけど。 今はもう、こうして奏斗と並んで歩く事も。 手を繋いで外を歩く事も。 嬉しさの方が勝っていて、恥ずかしさを感じない。 朝の爽やかな空気と、気持ちの良い天気も多分関係しているとは思う。 「香月は今日家に帰ったら何か予定あるの?」 手を繋いで、並んで電車を待っている時。 奏斗から問われた私は、首を横に振った。 「ううん、特に無いよ。強いて言えば、大学の課題をやる予定くらいかな?」 「ならさ、家に帰って少し休んだら、俺の家で課題をやればいいよ。まだ香月と一緒に居たいから」 「わ、分かった。着替えたら奏斗の家に行くね」 「うん。待ってる」 帽子を目深に被っているけど、それでも奏斗がとても嬉しそうに笑っているのが分かる。 繋いだ手をきゅっと握られて、奏斗の指先がゆっくりと私の手の甲をなぞる。 「もうっ、擽ったいからやめて、奏斗」 「ごめんごめん、嬉しくてさ。早く2人きりになって思いっきりいちゃいちゃしたい」 「──ばっ、馬鹿な事言わないで!」 「え?香月変な事想像した?ただ俺は、香月とくっついていたいな、って思っただけだけど?」 ひょい、と私の顔を覗き込む奏斗の目が、揶揄うように笑っている。 私は奏斗の背中をべちん!と叩き、ちょうどやってきた電車に乗り込んだ。 電車を降りて、帰ってきた私達は、私の家の前で奏斗と別れる。 ただいま!と声をかけて家の中に入るけど、両親は出かけているみたいで、不在だった。 それなら丁度いいや、と私は急いで着替えを終え、大学に持って行っているトートバッグに課題を詰め込んでいく。 髪の毛を整え直して、軽くメイクも直す。 新作のリップを塗って、鏡の前で全身をもう一度確認する。 「──よしっ、洋服も可愛い!メイクも上手く直せた!完璧!」 アイドルの奏斗は、可愛い子なんて見慣れてる。 だけど、奏斗にはやっぱり可愛い
最終更新日 : 2026-01-11 続きを読む