レーヴェが軽くプフェーアトさんの馬の方の背を叩く。「敵が同じことを繰り返すなら、こちらもまた繰り返す。そうだな、シンゴ?」「ああ。同じことをやらせてもらうだけだ」 M端末を取り出す。「待て、シンゴ!」 サーラの凛とした声が飛んだ。「仔馬だ!」 仔馬――。 俺は崩れ落ちているケンタウロスの子供たちを見た。「まず仔馬を! でないと何度でも魔獣ケンタウロスが出来上がる! 元から断たねばならない!」 そうだ、子供たちから黒い靄が吐き出されてそれがケンタウロスに……。 子供を使ったのか。恐らくは俺を殺す実験に。 ふざけるな。 人間、怒りを通り越すと頭の中が冷たくなるっておじさんは言ってたけど、まさにその通りだ。 俺の目はぽっかりと空いた洞窟に向けられた。 ……待ってやがれ。 絶対、潰してやる。「サーラ、魔獣の動きを止めることは?」「任せておけ」 サーラの手から生み出されたのは、炎の縄。「魔獣だろうと何であろうと……」 縄の端を掴んで、サーラは吠えた。「この緊縛からは、逃れられん!」「その間に……!」 子供は十人ほどいる。 【巻き戻し】は一回に一人しか使えない。何をされたか分からないが……それが分かれば……。 その時、端末に文字が浮かんだ。【神威/NEW】 こんな時に! でも、何かいい神威が出るかも知れない。そうすれば子供たちを助けられるかも……?【神威・鑑定:見たものをなんでも鑑定し、効力、ステータス、状態などを理解できる】 おい。おい。 こんな時に? こんな時に? こんな神威ぃぃ?! 何の役に立つんじゃこれはあ! この忙しい時にぃ! 文句が駄々洩れに出てくる。そりゃあそうだ、このタイミングだぞ、この状況を打破する何か強い神威が出るって期待するじゃないか! ……いや。 一応使ってみるか? 今まで意味がない神威が目覚めたことはなかったし。 試しに、魔獣ケンタウロスにやってみよう。「【鑑定】」 じっと見ると、ピントが魔獣ケンタウロスに合わせるようになり、端末と脳みそ同時に情報が流れ込んできた。 数値情報がほとんどだが、【状態】の所は文字だった。【状態:魔獣化/ケンタウロス固有臓器である魔力受容体を負の力で強化し、そこに負の感情を流し込み、肉体と精神を暴走・強化させられた状態。神威【巻き
Last Updated : 2026-03-02 Read more