しばらく、【再生】したパンと干し肉と燻製魚しか食べてない気がする。これって健康的にどうなのか。野菜を取らなきゃダメなんじゃないかと主夫歴イコール親が死んでからの俺なんか考えてしまうんだが。 そこに。「せっかくまともな水があるんだ、たまには贅沢も悪くない」 サーラはアウルムの水球からミルクパン一杯の水を受け取ると、ミルクパンを自分の膝の上に置いた。「?」 アウルムがきょとんとしてるが、実はそれ俺たちも同じ。何してるんだこの人……じゃなかったっけ、この守護獣。 と、思っていたら、ぽこ、ぽこと泡が出てきた。火の守護獣が温度をあげているんだ。「ねー。それ、膝の上に置く必要あんの?」 ミクンが思わず呆れ顔。「せめて手とかさー」「手はこれから使うのだ」 サーラが取り出したのは握り拳大位の何かが入った麻袋。 ふつふつと湧いてきたお湯の中に、麻袋を突っ込む。 ふわん、と甘い香りが漂ってきた。「何だこの香り……いい香りではあるんだが……」 ヤガリが鼻を鳴らす。コトラやブランやグライフもその香りに誘われてうっとりと目を細めている。地球のどこででも嗅いだことのない、甘いだけでなくちょっと刺激を与える香り……。「もしかして、香茶か?」 レーヴェが目を見開いた。「ああ」「大樹海が腐る前からビガスの香茶は高級だったという。何故そんな貴重品を……」「シンゴがビガスで田畑を【再生】した時に」 サーラは膝の上で鍋を回すように揺らしながら答える。「香茶畑も【再生】したんだが、今は穀物が絶対必要。香茶は根から掘り出されて残った葉も捨てられるところだったのを、私が少々頂いた。昔から、ビガスの香茶は素晴らしいものだったからな」「火事場泥棒?」「それだけの報酬は置いてきた」 ミクンの言葉にすらっと返すサーラ。サーラの報酬って何だろう……。「……捨てられるものを拾ってきたのであれば、まあ、火事場泥棒とは言わないのではないか、ミクン」「レーヴェは香茶を飲みたいだけでしょ」「う」 絶句したってことは図星だったらしい。 確かにいい香りだよな。何て言うか、ブドウとバナナにバニラビーンズをさりげなく加えたような……口の中が勝手に甘くなる香りだけど、それを強調せずにさりげなく香るのはいいね。「ビガスの香茶か。ドワーフには縁のないものだ」「縁があるだろう、守
Last Updated : 2026-02-20 Read more