「神様のシンゴでも厄介なのか?」「生神だからこそ厄介なんだよ」 頭を拭きながらシンゴは唸る。「もうすぐもう二人来る。そうしたら話し合いを始めるから」 俺はきゃあきゃあと甲高い声の聞える場所を見る。 神殿の中庭のような場所で、子供が小さなロバと猫と一緒に走り回って……違う? あのロバ、神獣ではなかろうか。あの猫も猫って言うか、もっとデカい生き物だ。「神驢と灰色虎だよ。その小型版」 俺の様子に気付いたシンゴが教えてくれる。「アシ……ヌス……? 聞いたことないな……でも灰色虎って……岩山の聖獣じゃないか!」「両方とも俺が創った神獣」 シンゴは何でもないことのように言う。「アシヌスはフェザーマンにとってのグリフィンのように、俺がドワーフに創った神獣だけど、ここにいるのはその小型版。あの子たちの遊び相手をさせるために創った」 いやシンゴがフェザーマンしか乗れないグリフィンを自在に操れる理由が分かったわ。神様なら神獣創れるわな。ドワーフにあげたって言うならグルートンにも従うかな。従ったらグルートン喜びそう。自分が半分しかドワーフの血を引いてないのコンプレックスにしてたからな。 そして灰色虎とは。 岩山に住まう聖獣。善に善を、悪に悪を返すとも呼ばれている生き物だけど、聞いた話では相当デカいらしい。だけど子供と遊んでいるそれは大きめの猫ぐらいだ。足は太いけど。「あの子たちの遊び相手兼護衛だ。原初の神殿には俺を信じる者しか入れないけど、いつ何時死物がここを襲ってくるか分からない。だから護衛のために創ったんだ。親御さんにも頼まれたし」 溜め息しか出ねえよ。 種族に与えられた神獣がどれほど尊いか。それは神が信頼してくれた証拠。その種族を神獣で守るという約束。シンゴはそれをドワーフに創り、小さなそれを子供たちを守るために創った。 ……やっぱ、生神なんだな。 その時、風が渦巻いた。「うわ」 中庭のはずの底に激しい風が吹き荒れて、渦を巻いて、消える。 渦のあった場所には、スレンダーな知的美女と言っていいとんでもなく美人なお姉さまと、何処かトーノを思い出させる容貌の少年がいた。「ベガ、スシオ」 シンゴが前に出て手を出す。「済まない、急に呼び出して」「いや、私も状況を何となくだが飲み込
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