魔族。 死物の中じゃ三番目……いや、魔神は存在してるかどうかわからないから、この世界では二番目に強い。 そんなヤツを相手にして……勝てるのか?「みんなを起こさなきゃ……」 動きかける俺をシンゴが止めた。「向こうにこっちの警戒がバレる」「でも、シンゴ一人で……」「俺とグライフがいれば大抵の死物は倒せる。でも、みんなの安全が確保されていなければ俺は安心して戦えないんだ」 無給の無休で俺たちを助けてくれるんだ。 どれだけお人好しなヒューマンなんだろう。「【石壁】を使う」 これまで俺たちをガードしていたのは【木壁】だったのに。 それって、つまり。「相手がヤバくて、みんなが動かない状況……つまりあの時のトーノたちのように大騒ぎされたら勝てないんだね?」「悟るのが早いね」 うん、とシンゴは頷いた。「【石壁】の方が音を通さないから。護りも硬いし。ヴェデーレは……」「俺に何かできることってない?」 俺は真剣に聞いた。 俺は弱い【回復】程度しか使えない。戦闘能力も低い。前衛にも後衛にもなれない。 でも、俺たちの危機にシンゴを巻き込んだのは俺だ。 何でもいいからできることをしなきゃ……!「ない……いや……ある、か?」 シンゴは首を傾けて考えていたけれど、俺に向き直って聞いた。「ヴェデーレは、口、堅い?」「え?」「口」「……トーノと一緒にしないでくれ。俺は、命の恩人が秘密にしてくれって頼んだことを喋り回るほど常識知らずじゃない」「そっか」 シンゴは、下に着ている服と比べたら随分地味でくたびれた印象のマントの下から、円形のものを取り出した。 なんだ、これは。 巨大な鏡のように見えるけど。「この盾の陰で隠れていてくれ。そして、俺が苦戦するようであれば、こう言うんだ。『自分も倒せないヤツがシンゴを倒せるわけはない』とね」 あ、あれって盾だったのか。だとすると間違いなく魔具だな。普通の鏡よりはっきりものを写す盾なんてないもんな。 と、考えて。 シンゴの言葉を思い出し。「それって……」 俺はたっぷり五秒、絶句して言った。「囮?」「そう。でも安心して、君に絶対害はない。この盾の陰にいる限り、君を傷つけられるものは存在しない。信じられない
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