あの後、琴音ちゃんはしばらく姿を現すことはなかった。 連行されたのがショックだったのか、仕事が忙しいからなのかは知らない。両方のような気もする。 そして間もなく生徒会長選挙の開催。 今年も対抗馬が不在で、わたしの演説に対する生徒たちの熱狂的な拍手により信任投票もなしで会長職就任。いいのかなぁ。 意外だったのは副会長に文香が立候補したことだろう。 普段は引っ込み思案な文香が立候補のような目立つ行動をとるとは思ってもみなかった。「どうせならすぐそばでゆきちゃんを支えてあげたいからね」 そのセリフになぜだか照れてしまった。 もうひとつ意表を突かれたのが、文香と投票数で争ったのがあの「昭和アニメ先輩」富樫先輩だったこと。 いつのまにやら服装も頭髪も普通になっていて、メガネまでかけていたので最初は誰だか分からなかった。名前を聞いてびっくり。そのメガネ、絶対伊達だろ。 だけど、やっぱり去年わたしと一緒に生徒会を盛り上げた実績のある文香が票数を争ったとはいえけっこうな大差をつけての当選。 よかった。あんなのと生徒会室で一緒に過ごすなんて考えただけでゾッとする。 文香よ、立候補してくれてありがとう。 そして書記には庶務をやっていた穂香が就任。 そして会計には……。泣いて頼むもんだから仕方なく。本当に仕方なく御手洗薫先輩を起用。 今年で一緒にいられるのも最後だからと泣かれては無下にもできない。そのまま風紀委員長でよかったのに……。 そして庶務には|鬼嶋健司《おにしまけんじ》先輩を登用した。わたしが会長職についてすぐにいわゆるイジメ問題で被害者だった先輩だ。 あれからたまに稽古をつけてあげるようになって、今ではすっかり意気投合していたのでわたしの依頼に対して二つ返事で了承してくれた。 これで今年度の生徒会の体制が整った。 そしてわたしの16歳の誕生日を盛大に祝ってもらい、2か月もしないうちに迎えるのは
Last Updated : 2026-01-25 Read more