翌日朝。「あれ?声が出る」 別に特段低い声が出るというわけでもない。 のどの違和感もすっかり消えてしまっている。 一番わかりやすい変化のはずの喉仏は出てくる気配もなく相変わらず握れば折れてしまいそうな華奢な首のまま。 あれぇ?恥ずかしがり屋さんなのかな? ????の状態のまま、いつものように朝食の用意をしていると両親が起きてきた。「おはよう!ねぇねぇ、最近喉の調子が悪かったから昨日病院に行ったでしょ?そしたら声変わりって言われたんだけどわたしの声ってどう変わった?自分ではよくわからなくて」 2人とも黙って聞いていたが、わたしがそう尋ねても顔を見合せ首をかしげるだけ。「どこが変わったのかわからないんだが……」 やがてお父さんがポツリ。「本当に声変わりだったの?喉仏も出てないじゃない」 お母さんも。 2人に声を揃えてそう言われるとますます自分ではわからなくなる。「でもお医者さんには声変わりですねってはっきり言われたんだけどなぁ」「まぁ様子を見てれば?そのうち本当に声が低くなっていくかもしれないし」 呑気だな。それにしてもそんなあいまいなものなの?声変わりって。 やがて仕事に出かける両親を見送って、そろそろ姉妹たちを起こしに行く時間。いつも通りより姉の部屋をノックするけど当然朝から返事をしてくるはずもない。 部屋に入りより姉が寝ているそばに寄って声をかける。 それはいいけど、いい加減弟に寝姿を見られることを恥ずかしいと思ったりしないんだろうか、この人たちは。「より姉~朝だよ。起きなさ~い」「ん~ゆき~。いつもかわいい声だぁ」 いつもときたか。 寝ぼけた状態で変わらないって思うなら本当に同じと思っているんだろうな。 そしていつも通り布団に引きずり込まれそうになるのを阻止してさっさと目を覚ましてもらい、質問する。「わたしの声、本当にいつ
Last Updated : 2025-12-21 Read more