食事も終わり、片づけを手伝って遊戯室へ戻ってきた。今日は施設に泊まれるが、明日は寒い自分の家に帰らなきゃならねえ。嫌だ。 俺は今、仕事のために寒い家に出張に行っていると思っている。俺の家はマサキ施設(ここ)だ。でも、出張先(自宅)だと、子供たちの『いってらっしゃい』と『お帰りなさい』が無い。 なんとかならねえかな? あっ、そうだ! 名案を思い付いたぞ! 昨日美羽にプレゼントしたカメラで動画も撮れるって教えた時、どうして気が付かなかったんだ! スマートフォンがあるじゃないか!! 今までなんの動画も撮ったことがないから気が付かなかったけど、『いってらっしゃい』と『お帰りなさい』を撮影すればいいんだ! 俺って天才。なんて名案だ。これで毎日頑張れる。 早速、ハイテンションで全員を玄関に集合させ、動画撮影に協力して欲しいと懇願した。 「今から動画撮るから、俺が仕事に行くつもりで、みんな、いってらっしゃい、と言ってくれ! あと、お帰りも! さあさあ、ホラ、並んで並んで! 全員入るように、詰めてくれよ。このままじゃ画面からはみでるからっ」「そんなの、ここに帰ってきたらいつでも言ってあげるのに」 俺のハイテンションぶりに美羽が苦笑した。 「わかってねえな。平日は帰れねえだろ。だから撮影しておいて、家に帰ったら毎日見るんだよ。初めてスマートフォンで撮影すんるだ。みんなバッチリ決めてくれよっ! はい、せーのっ」 俺が掛け声を上げ、動画の撮影ボタンをタップした。 「王雅、いってらっしゃい! お仕事頑張ってね!」「おにいさーん、いってらっしゃーい!」「しゃーい」「おー」「いってらっしゃーい!」「頑張ってねー!」「ばいばーい! 早く帰ってきてねー!」
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