《コロッケスマイル ~俺様御曹司は、庶民女王と子供たちにご執心!~》全部章節:第 161 章 - 第 170 章

172 章節

スマイル33 世界一の女 05

 あれから散々美羽を愛した後、二人で彼女の両親――真崎久信と美幸が眠る墓苑にやって来た。 彼等が亡くなった時の保険金で本当は二人の墓を建てたかったのだが、貧乏経営だったために借金や施設補修等、子供の受け入れや経営続行を優先し、それは断念したと聞いた。 だから、沢山の方々が眠るこの墓苑に、一緒に埋葬してもらったのだと。   俺が二人の墓を建てると言ったら、喜んでくれたけど、美羽はこう言ったんだ。   ――ありがとう。すごく嬉しいけど、気持ちだけで充分よ。それよりそのお金は、これからの未来プロジェクトに回して、一人でも多くの困っている子供へ手を差し伸べるために使って欲しいの。おとうさんもおかあさんも、きっとそう言うと思うから、って。    美羽のオヤジとオフクロは、立派で優しいひとたちだったんだろう。 辛く苦しい思いをしていた幼いお前を助けて、私財でマサキ施設まで建てて、育てたんだもんな。   美羽はまぎれもなく、二人の血を引き継いでいると思う。    俺は彼等の眠る静かな墓苑に向かって叫んだ。  「美羽のおとうさん、おかあさん、聞こえますかっ。俺、櫻井王雅って言います! あなた達の大切な娘の美羽さんと、結婚させて下さい! 俺、美羽さんを一生、命懸けて幸せにすると誓います!! どうか、温かく見守っていてください!」  「王雅……すごく嬉しい。ありがとう」  美羽が笑った。 「美羽の両親に、ちゃんと挨拶しときたかったんだ。本当は結婚指輪、美羽の誕生石ついたものを用意して、今この場で渡そうと思ってたんだけ
last update最後更新 : 2026-05-28
閱讀更多

スマイル33 世界一の女 06

   それより新婚旅行、ドコへ行こうかな。   あっ、そうだ! 子供たちも全員連れて行ったら、メチャクチャ喜んでくれるかな。 よーし。二人きりも捨てがたいが、子供たちと一緒に行った方が楽しそうだ。 そうと決まったら、面白い新婚ツアーを考えよう。   昼間は全員で遊んで、夜は美羽と××――最高だ。後日計画建てて遂行しよう。  「それより早く施設に帰らなきゃ、恭ちゃんも来てくれてるでしょう? もうお昼もだいぶ過ぎてるわ。大丈夫かしら……」「あ、恭一郎は適当に帰っていいって言ってあるから心配いらねえよ。とっくに帰ってると思う。高田製菓も忙しくなったし」 「もう……王雅ってば、私の知らない所で色々繋がってるんだもの。話を聞いて驚いたわ。誰一人、私になにも教えてくれないんだもん。貴方のプロジェクトに恭ちゃんが協力していたことも、恭ちゃんの会社が大変だってことも知らなかったし」 「施設を助けるために結婚決めたのに、会社経営が傾いてるから援助がしんどい、なんてお前に言えるワケねえだろ。恭一郎のキモチ、察しろよ。それに、俺が色々繋がってるってコトは、絶対美羽に言うなって、全員に固く口止めしたから。花井からお前を取り返すためだ。悪く思うな」   美羽が複雑な顔を見せた。それでも、温もりを確かめるように俺の手を握ってくれた。 「横山さんだけじゃなくて、恭ちゃんも助けてくれていたのね。それに、真秀君や真凛ちゃんのことも、色々聞いたわ。力になってくれて本当にありがとう、王雅」 「美羽の大事なものは、俺にとっても大切だからな。子供たちもそうだ。全部俺様が守ってやる。だから、お前は安心して俺の傍にいたらいいんだ。俺は絶対、美羽の傍に帰って来るから」 
last update最後更新 : 2026-05-29
閱讀更多

スマイル33 世界一の女 07

   「王雅や子供たちがいてくれたら、私はどこでもいいの。どこに行っても楽しいし、幸せだと思うから。旅行はみんなが行きたいところでいいわ」    そう言って美羽が笑った。    ナニソレ!! お前と一緒にいたら、俺、そのうち死ぬかも!    美羽が可愛すぎて、俺の心臓がキュンキュンときめいて、破裂しそうになるんだ。  マジ爆発起こしそうだ。やばい。  「可愛い事言うなよ。あんまり俺を興奮させんなよな。ここで――」 「絶対やめてっ!! ここは神聖な墓苑なのよ? そんなことしたら、もう王雅とは結婚しないからっ!」 「あー、ごめんっ! しない! ここではしない!! 今日の夜まで我慢するから!」 「今日の夜!? まだするの――……っていうか、ちょっと……ドコでするつもりよっ!」 「ドコって、施設に決まってるだろ。俺、今日から施設に住むんだぜ? あ、役所行ったらついでに住所変更も一緒にやってしまうから。指輪買いに行ったらもう一緒に帰るだろ。デートもしたいけど、俺も子供たちに早く会いたいし、とりあえず帰るつもりなんだけど」 「バカじゃないのっ!? 子供たちがいるのに、そっ……そんなの、施設で、できるワケないじゃないっ!! それに、私の身体がもたないってば!!」 「んー……でも俺、我慢するの無理」 「なっ――」  美羽は目を剥き、信じられないものを見るような目つきで俺
last update最後更新 : 2026-05-30
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 01

 あれから暫く月日は流れた。季節はもうすぐ春になろうとしていた。 今日は美羽との結婚。 本当はもっと早く式を挙げたかったんだけど、キングフェザーが驚異的な忙しさを発揮してしまい、ゆっくり休みを取ることが出来なかった。新婚旅行もまだ行けていない。 終わってから行こうと予定したため、明日から全員で新婚旅行に出発する。  そうそう。ガックンやリカは、この春でマサキ施設から巣立って別の施設へ行くことになっていたが、俺の猛反対に合い、結局サトルと同じく学童扱いにすることになり、学校へ行ったらマサキ施設に帰って来るという流れになった。 俺が美羽に懇願したのが効いたのか、マサキ施設には春から人手を増やすとかで、現状そのまま子供たちが施設を出ない限り、ずっと預かれるようにするんだとか。  いつかは別れが来ると思う。でも、それはできるだけ先がいい。  ふたりには入学祝いにスーツとランドセルをプレゼントした。 ガックンは本革のカッコイイ黒色のランドセルを、リカには同じく本革の洒落た赤色のランドセルを贈った。彼らのリクエストの色だ。きっと似合うだろう。  ふたりはもう俺様の子供みたいなモンだ。入学式は絶対ビデオカメラ持って行って、保護者として参列しようと思ってる。来年は内藤と一緒に、サトルの入学式にも行くつもりだ。勿論他の子供たちの入学式にも行くぞ。全員の入学式に参列するからな。   仕事は入れない。なにがなんでも絶対に休む。 エスティンのタヌキ社長が、合同経営発表の仕事より娘の食事優先させた気持ちがよくわかる。子供との時間は大切だ。  俺は美羽と出逢って、血のつながりというのは本物の親には敵わないけど、大切な子供を、本物の親以上に愛情をかけて育てることができると知った。   だって、美羽がそうだから。 
last update最後更新 : 2026-05-31
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 02

  「王雅君、今日のお祝いの魚だよ―! 新鮮獲れたてホヤホヤ! そして結婚おめでとう!! 鯛持ってきたんだ。メデ鯛。ガッハッハ」   平岡が白くドレスアップした施設にやって来た。 つまらないオヤジギャグ飛ばして、勝手に一人で笑ってる。   そうなんだ。今日の結婚式は施設で挙げるんだ。 どっかの教会やホテルでやるよりも、絶対美羽は喜ぶと思って、マサキ施設でやることに決めた。 ボロ門や外壁も、休日返上で必死に全員でペンキ塗って綺麗にしたんだ。子供たちも手伝ってくれた。 自分達でやったから昨日までかかったんだ。間に合わないかと思って焦った。危なかったぜ。  業者に任せれば1日で綺麗になっただろうけど、俺や子供たちみんなで綺麗にしたかったんだ。 この施設は真崎夫婦が娘に贈った、大切な城だから。俺達も大切にしたいって思う。   見違えるほど綺麗になったマサキ施設で、最高の結婚式を挙げるんだ。   今日の料理は、祝儀代わりに招待客が色々持参してくれる。施設らしい結婚式だ。料理を招待客が持参するなんて、聞いたことない。でも、マサキ施設なら何でもアリだ。面白い。 商店街の店屋は、祝儀代わりに自分の店の売り物や作ったものを持参してくれた。平岡が持ってきてくれた魚も、祝儀代わりってわけだ。  美羽も花嫁ながら、今日のご馳走作り頑張ってくれたんだ。誰かに任せようって言ったのに、俺や子供たちにうまい飯を食わせたいからって、前日から張り切ってくれた。 式が終わったら、持ち寄ってくれた食事を並べて立食パーティーみたいにするんだってさ。   なんかゴチャゴチャで、楽しくなりそうだ。 
last update最後更新 : 2026-06-01
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 03

 さあ、美羽の準備は進んでいるかな。 俺は既に白いスーツに着替えて、セットもバッチリで、スタンバイオーケーだ。普通は式前にこんな格好で招待客の前をウロウロしないけど、施設だから仕方ない。 俺が一人でスタンバイしておける場所が無いから、追い出されたんだ。今は美羽が食堂の方で準備中だから。 仕事部屋は大切な書類なんかがあるから封鎖してあるし、応接室やキッチンは準備の為に色々利用しているから、俺がいると邪魔になってしまうんだとさ。  美羽の花嫁姿、きっと世界一綺麗だろうな。 そんな美羽の花嫁姿なんか見たら、恭一郎とか平岡のヤツは泣くんじゃねえの。あっ、横山も!   それにしても横山は、美羽の命の恩人だったんだな。だから俺が工場助けた時、あんなに感謝されたんだ。 お陰で変な夢を見てしまったけれど、おかげで覚悟が決まったんだ。  施設一筋だった美羽も、これからは俺一筋になってくれたらなぁ。 俺はかなり前から美羽一筋だ。これは一生変わらないと思う。美羽以上にイイ女なんて、この世にいないから。  「おーたん!」   広場で商店街のみんなと談笑していた俺の元へチョコチョコと走って来たのはチイだった。その後ろには佳奈美がいて、会釈してくれた。 チイは随分めかしこんでいて、ピンクの幼児用ドレスを着ている。短い柔らかな髪にリボンが付けられていて、超キュートだ。  「チイっ!!」   俺は一目散にチイに駆け寄った。 「チイ……暫く見ない間にお前……大きくなったなぁ」  抱きしめた感覚が、数か月前と全然違っていた。
last update最後更新 : 2026-06-02
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 04

 「オフクロがこんな顔に産んだんだろーが。知るか。おーたんはおーたんだ」 「ぷっ……あはははっ!! 王雅がおーたんなんて、全っっっ然似合ってないわ! ああ、おかしい」  俺にそっくりの顔で――あの、お菓子の家で写真を撮った時の俺と同じ顔で、オフクロが笑った。   オフクロのそんな笑ったところ、俺、生まれて初めて見た――  「驚いた。小夜、君がこんなに笑うなんて」  黙って俺達のやりとりを見ていた、オヤジの方も笑っている。 マサキ施設は、魔法の施設だな。 俺達みたいな笑う事に無縁だった冷たい人間でさえ、ここに来ると、誰でも笑えることができるんだ。   オフクロも、オヤジも、俺と一緒じゃねえか。 ちゃんと血が通っていて、笑う事が出来るじゃねえか。  ただ、あの広くて寒い家じゃ、出来なかっただけなんだな――  「おーたんママ、パパ、こんにー」  こんにちは、と言いながらチイが腕を伸ばした。オフクロが戸惑って俺の方を見つめてきたから、抱いてやってくれよ、と、オフクロにチイを託した。 「おーたんママー」  チイがオフクロに笑いかけてくれた。いつもの満面の笑み。俺様もメロメロになってしまう、チイの最高の笑顔で。  「まあ……なんてかわいいの」   慣れない手つきで、壊れ物に扱うように丁寧な様子で、オフクロがチイを抱いた。 「
last update最後更新 : 2026-06-03
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 05

 ああ、佳奈美に返したくねえ。やっぱチイ、嫁に欲しい。 嫁がダメなら娘に欲しい。佳奈美に交渉してみようかな。 「きゃあああーっ、チイちゃん、とってもかわいいっ!! ちょっと王雅、貸しなさいっ」  オフクロが俺を突き飛ばして、チイを奪取した。「チイちゃーん。おばちゃんもチイちゃんがとーっても好きよっ! 今度おばちゃんがカワイイお洋服作ってプレゼントするから、絶対着てねー!」 「オイコラ! 実の親が、めでたい席で新郎突き飛ばすって、どーいうつもりだ! オフクロっ」  文句言ったが、聞いちゃいない。オヤジと一緒に、チイちゃーん、と笑顔を湛えてチイを取り合ってる。   クソッ! 俺の時と全然違うじゃねーかっ!! 俺は一回もお前等に取り合われたことも、かわいいと愛でられたことも、笑顔を見たことさえ一度もないっていうのにっ!!    こうなったら、家ごと売り飛ばしてやる!   「王雅さん。本日は美羽さんとのご結婚、誠におめでとうございます。その節は色々とありがとうございました」  佳奈美が俺の傍にやって来て、祝いの言葉を述べてくれた。 「今日は美羽さんにご招待頂いて、先ほど、持参したお料理を並べさせて頂きました。ぜひ召し上がって頂けたらと思います。王雅さんが、智衣のことを我が子のようにかわいがってくださっていると、美羽さんから伺いました。本当にありがとうございます」 「あー……いや、なんかゴメンな。俺の両親がチイをオモチャみたいにして……」   ていうか、早く俺に返せ。
last update最後更新 : 2026-06-04
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 06

「ごめんなさい、王雅」オフクロが俺の傍に来て、目じりにうっすら浮かんだ涙を拭ってくれた。「やっぱり美羽さんの言う通り、ずっと辛い思いをしていたのね。全然気が付かなくて、親失格ね。王雅にこの前、今まで育ててくれてありがとうって言われて、振り返ってみたら、私達親らしいこと、なにも王雅にしてあげてないなって思ったの」 「もういいよ。触んな。恥ずかしいから」  これ以上みっともない姿を、こんな大勢いる広場で晒したくない。 「王雅、本当にいい女性を見つけたのね。美羽さんは王雅には勿体ないくらい、とっても素敵な女性ね! 実を言うとね、私、ずっと娘が欲しかったの。王雅ができて男の子ってわかった時、残念に思ったのよ。かわいいお洋服を子供に作ってあげられないでしょう? それでも自分の子供だからかわいいかと思って期待したんだけど、王雅は全くかわいくないし、もう、心底ガッカリしたのよ。お陰で仕事に没頭して、これだけのデザイナーになれたんだけどね。だから王雅の時に出来なかった分、美羽さんに沢山お洋服作るのが、今からとっても楽しみなの。あ、早く孫も作ってね! チイちゃんみたいな、かわいい女の子がいいわ。男はもう、王雅でコリゴリ」   本人に向かって言うかふつう。マジでひどい親だな。がっかりしたとか本人に聞かせる話か?  「大事な子供を、オフクロみてーなひどい女に誰が抱かすか。お断りだ」「まっ! それが親に向かって言うセリフなの!?」「親じゃねーだろ。ずっと放置しといて、今更なんだよ! しかもガッカリしたとか言いやがって! 親が子供に向かって言うセリフかよ!?」「だから放置については、ごめんなさいって言ったでしょ! ガッカリっていうのも、本当のことなんだもの!! 正直な感想でしょ」「言っていいことと悪いことの区別もつかねえのか? ゴメンですんだら、ケーサツいらねーんだよ!」   このセリフ、いつもライタが言って
last update最後更新 : 2026-06-05
閱讀更多

ラストスマイル 世界一の男 07

 「美羽さんのお陰で、新しいブランドを立ち上げることにしたの。キングフェザー専属よ。ブランド名は、ビューティーフェザー。いい名前でしょう? 女性ドレス専門! あ、リトルフェザーも作ろうかしら。チイちゃんみたいな小さな女の子と、男の子にも着れるような、かわいいお洋服をデザインするの。普段着からフォーマルまで作って……メンズ部門も楽しそうだから、ワクワクするわね! 言ったからには、しっかりプロデュースしてね。あ、売り上げの5パーセントは、王雅の機関に寄付するつもりよ」 「いいじゃねえか! ガンガン稼いでくれよ。メンズ部門は俺に任せてくれ。あ、オヤジも協力してくれよな!」   ビューティーフェザー(美羽)か。最高だ。 オフクロも粋なコトする。  俺の方でプロデュースしたメンズ部門でしっかり売り上げを叩きだして、目いっぱい寄付してもらおーっと。 「もう既に櫻井グループを私物化して、勝手にキングフェザーに使っているだろう。私が知らないとでも思っているのか、王雅」「いいじゃねえか。ケチケチするなよ。親の財産を子供が使ってなにが悪い? 会社に大貢献してるんだし、取締役の特権だろ」「誰よ、さっきは親じゃないとか言っておいて! 調子がいいわね。あなた、もう王雅に援助しなくてもいいわよ」  俺とオヤジの会話に、オフクロが口を挟んできた。 「いやいや。孫と遊ばせてくれるというなら、もっと色々協力してもいいのだが? 今後もキングフェザーのビルテナント賃料、無料で手を打ってやろうじゃないか。今度港区の立地のいい場所にホテルとオフィスビル建設するから、そのビルのフロアも、キングフェザーのオフィスに利用するなら、無料で使わせてやるぞ。どうだ、王雅」  オヤジがとんでもないことを言い出した。 「それとこれとは話が別だろ! 孫を盾に取るなよ。絶対ダメだっ!! でも、テナント賃料はタダにしてくれ。それは大いに助かる。オフィス
last update最後更新 : 2026-06-06
閱讀更多
上一章
1
...
131415161718
掃碼在 APP 閱讀
DMCA.com Protection Status