All Chapters of コロッケスマイル ~俺様御曹司は、庶民女王と子供たちにご執心!~: Chapter 141 - Chapter 150

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スマイル28 決戦の時 04

 花井は司法書士になるために勉学に励んでいたようだ。しかしそんな男が突然不動産業者になったのは、横山の土地を奪い、彼の工場を潰そうとするためだった。 花井は、もともと美羽の母――美幸を好いていた。彼女と結婚した横山の工場で働いていた真崎久信(まさきひさのぶ)――美羽のオヤジを、ずっと、ずっと、恨んでいたんだ。  そういう理由から、美羽にずっと執着していたというわけだ。美幸は死んでしまってもうこの世にいないから、美羽で手を打とうとしていたのだろう。その情熱をもっと別のところに活かせられたらよかったのに。  横山については、巻き込まれ復讐なのだろう。美羽のオヤジを雇っていたから、花井から恨まれることになったんだ。それに、マサキ施設の土地を美羽の両親に貸していた件もあるか。関係者的立ち位置と認識されていただろうな。  上手く稼働していた工場が徐々に傾いて仕事が減ったのは、花井が絡んでいたせいだ。  救いの手を差し伸べようと高額で施設の土地を買い取り、その関係で施設への出入りはやめさせた。  挙句、じわじわと真綿で首を絞めるように、横山の工場に新しい商品開発の為の機械を導入させ、あたかも救い神のように振る舞い、その裏で銀行に根回しをして、横山の工場を潰そうと計画していたんだからな――   おかしいと思ったんだ。横山の工場は俺が見た中でもかなりいい工場だ。資金繰りが若干悪いというだけで潰すには、本当に惜しい工場だったから。  銀行が融資をしないなんて、どんな間抜けな行員が担当しているのかと思ったが、実は横山を恨んでいた花井が手を引いていた。 花井が横山と同じ銀行と取引をしていたのは、偶然じゃなかった。 櫻井グループも取引のある地方銀行だったし、調査のために俺が銀行の支店長に連絡して横山の事を尋ねたら、電話口で大慌てしやがったんだ。  今後立ち上げる俺の個人会社のメインバンク探してると告げた。推薦してくれた横山や花井のことを知っているなら教えて欲しい、彼らに投資を
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スマイル28 決戦の時 05

 まあ難しいだろうが、他の財力のある令嬢等と結婚するより遥かに素晴らしい功績を残せることを、今日、証明するから。これについては問題ないと思っている。結婚の許可は取れるハズだ。 それに、世間も味方につける。だから問題ない。そのためにあらゆる努力をしてきた。   美羽との結婚も、櫻井グループも、両方俺は諦めない。   櫻井グループはこの俺が引き継いで、今よりもっと立派な会社に育てる。沢山の利益を生んで、苦しむ会社を一社でも救い、そこで働く人間の雇用継続をするんだ。それには櫻井グループも必要だ。    ビーッ ビーッ    突然、ノートパソコンからけたたましい警報音が鳴り出した。 花井だ。いよいよ、決戦の時だ!  画面をのぞき込むと、丁度施設付近を花井が歩いている所だった。 歩きながらスマホをチェックしている。恐らく、レディアトゥルの値動きを調査してんだ。 少しでも下がるような事があれば、即売りするつもりなんだろう。 そりゃ、全財産かかってんだもんな。常に値動きをチェックして、貼り付いてんだろ。    でも、お前が美羽に神経を向けたその瞬間に、俺が全てを奪ってやる!    花井は、さっき最終調整で株価を上昇させておいた、  午前9時になり、場が始まった。  レディアトゥルの値動きの様子を見て、安心したようにスマホをポケットにねじ込み、花井は施設の門を開けた。  「よしっ、行くぞ!」   ハッ
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スマイル29 生い立ち 01

 施設に着いた。株価をチェックすると、たった数分で見事に悲惨な底値の金額まで値下がりしていた。  ストップ安まで落ち込んでいる。 そして花井はこれから逮捕される。もう、どう頑張っても売ることができない。 借金、決定だな。 随分貯めこんだお前の資産もこれでマイナスだ。 施設の土地も偽造して俺から奪い取ったものだって証明するから、きっちり取り返してやる。 この土地はもう、絶対に誰にも渡さねえ。 美羽。ようやくお前を取り返せる。 お前の生い立ち、横山に聞いて驚いた。お前がこの土地、施設そのものに拘ったのは――きっと、俺の想像もできないような、辛い理由なんだろう。 でも、そんなの俺には関係ねえ。俺は美羽だから好きになった。お前の生い立ちなんて関係ないし、興味もない。 久々の施設。二か月近く来なかったんだ。ボロ門は相変わらずだし、なにも変わってない。 俺の、大切な、大切な場所。 もう二度と、誰にも汚させない。踏み荒らさせない!! 横山と一緒に施設に入った。玄関と門は真秀に開けさせておいたから、難なく入れた。 美羽を取り返せたら、花井を警察へ連行してもらえるようにSPも施設の外に待機させてある。今、花井たちは仕事部屋にいると報告を受けている。だからそちらへは行かず、遊戯室へ向かった。 子供たちがいた。 1、2、3……数を数えたら、みんないる。ガックンもリカも、アイリもキューマもミイも……ライタもマサもサトルも、みんな、そこにいる!!!! 嬉しくて叫びたくなった。 子供たちの姿を見ただけで、涙が溢れそうになった。「みんなっ、元気だったか!」 遊戯室に足を踏み入れ、声をかけた。「おっ……お兄さんっ!」「おーっ!!」「王雅にぃっ!?」「おーちゃん!」「お兄さんっ!!」 俺は傍に駆け寄って来てくれた子供たちを、めいっぱい抱きしめた。「ただいまっ! 待たせて悪かったな! 悪者を倒す準備ができたんだ! だから帰ってきた!!」「「「おかえりーっ!!」」」 口々にお帰りって言ってもらって、マジ泣きしそうになった。 あぁ、幸せだ。やっぱり俺は、マサキ施設が、みんなが大好きだ!! 「みんな、悪者を倒して美羽先生を取り返すんだ! 俺様についてこいっ」「おーっ!!」 全員、ウルトライダーの剣を持ち出した。これはライタの誕生日パーティ
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スマイル29 生い立ち 02

 俺と横山と子供たちパーティーで仕事部屋に向かうと、美羽と花井の声が聞こえて来た。  ――美羽さん、さあ、行きましょう。――触らなくても、自分で行けるわっ。――反抗的な態度も、もう終わりですよ。貴女は今日から、私の妻になるんだ。   「そこまでだっ!!」   バーン、と思い切り派手な音を立てて扉を開け、全員で中になだれ込んだ。そしてある書類を花井に向かって突き出した。  「これは、ここが俺の土地だった証拠だ! お前が権利書を偽造した証明だ。公文書偽造――これで警察に逮捕してもらう!!」 「そんな偽の証拠書類なんか――」 「偽じゃねーことは、偽造書類作るのが得意な花井が一番よくわかってるだろ?」更に笑顔で言ってやった。「そうそう。レディアトゥルの株、沢山買ってくれてありがとよ。お陰で儲かったぜ」 「なっ……なんで……レディアトゥルの株のことを……」  今まで花井の傍についていた真秀が、すかさず俺の傍にやって来て、託したノートパソコンを開いて画面を花井に見せた。 大暴落し、ストップ安まで落ち込んだ株価の数値を見て、花井が目を剥いて口をぱくぱくさせ、陸に上げられた魚のようになっている。  アメリカで地獄の日々を送り続け、お前をぶちのめす事だけを目標にしてきた成果がようやく実ったんだ。   お前のその顔、本当に最高だな。   俺が過ごしてきた地獄の日々が、これで報われたワケだ。 「こういうことだ、花井。もうお前の飼い犬は終了だ! 美羽ねーちゃんや施設を裏切ら
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スマイル29 生い立ち 03

 「マサキ施設は、血の繋がりが無い私のために、子供を望めなかった美幸おかあさんと久信おとうさんが私を育てる為に建ててくれた、大切な施設。だから私はどんなことをしても、この施設を守ろうと誓ったの。美幸おかあさんの娘になりたくて頑張って似せていたから、アンタが素性も調べず勘違いして、私に執着してくれて助かったわ。誰かにこの土地を売られたり手放されたりしたら、困るもの」  そういうわけだから私にもう用は無いでしょ、早くここから出て行って――そう言って、美羽は花井を一瞥した。 「そうだ。肝心な事を言い忘れていたわ、花井」  膝をついて放心している花井を覗き込んで、美羽が冷たく言い放った。 「美幸おかあさんが死んだのは、アンタのせいよ」 「そ……そんなはずはない!!」 「アンタがしつこく美幸おかあさんを追いかけて付きまとうから、おかあさん、ノイローゼになっちゃったのよ。おとうさんに付き添われて一緒に病院行く途中で……雪が降っていたから、スリップして歩道に突っ込んできた車に巻き込まれて二人共死んだのよ。クリスマスなのに、悲惨だったわ。何時かアンタに教えようと思ってたの」   「そんなっ……うそだ……ウソだぁあぁあ――っ!!」    花井の絶叫が部屋にこだました。 美羽……お前、施設を守るために、自分が世界で一番憎んでいる男に抱かれた上、結婚まで決意したのか。 すごい女だな、生い立ちの秘密でさえひた隠しにして、施設を守り通すなんて。普通できねえぞ。   お前の信念には敬服する。   でも、これで理解した。 美羽が施設を手放さずに大切にして、子供たちを分け隔てなく公平に受け入れ、育てているのは、お前が実際ひどい
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スマイル29 生い立ち 04

  「これでわかったでしょう」  最初に口を開いたのは美羽だった。俺に向かって微笑みを見せる。 「聞いての通りよ。私、素性がどこの誰かもわからない女なの。だから――」 「もう知ってるけど」間髪入れずに答えた。 「えっ?」 「横山さんから美羽の素性について、アメリカ行く前にもう既に聞いてる。花井や施設のことを徹底的に調べるためだ。悪く思うな。それは花井をぶちのめす最後の切り札にしようと思ってたんだけど、まさかお前からヤツに話すなんてな。驚いた」 「だったら……」  美羽は何か言いたげだったが、無視して話を進めた。 「それより美羽、お帰りは? 約束しただろ。守れよ。子供たちはもう、ちゃんと言ってくれたんだぜ」 「……お帰りなさい」ぼそぼそと呟かれた。 「声小っさ。せっかく帰って来たんだから、もっと歓迎してくれよ。どんな思いして帰って来たと思ってんだ。……ったく」  美羽の前に向き直った。 「美羽、ただいま」  子供たちや真秀、更に横山までいるから、あんまりラブラブな雰囲気にはなれねえな。 ご褒美のキスでもいただくつもりだったのに。  ま、それは追々。  とりあえず俺はまだやることが残っている。 最後の、プロジェクトだ。  「えー、みんなに言っておくことがある」  子供たちが一斉にこちらを向いた。真秀を隣に立たせ、俺はまるでここの先生のようにみんなに告げた。 
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スマイル30 会見 01

  -エスティンホテル会場内-   午後六時になった。会見の時間だ。 用意された会見用の会場に入ると、マスコミが結構集まっていた。 ガチガチに固まって、何度も曲がってもいないネクタイを直している横山に、大丈夫だから、と囁いて、一緒に壇上に向かった。 今回のプロジェクトでは、企画担当者にプレゼンをしてもらうことになっている。慣れている人間は大丈夫だが、横山が心配だ。見ていて気の毒になるほど、極度に緊張している。 壇上から向かって右側に横山工業株式会社の横山一志(よこやまかずし)、隣が櫻井グループのプロジェクト企画代表の俺、左隣が高田製菓株式会社の役員、真崎恭一郎、ほか。 会場を見渡すと場内一番後ろ側の関係者席に、ドレスアップした子供たちと美羽の姿が見えた。 ちゃんと来てくれたんだ。良かった。 来てくれなかったら、こんな会見開いた意味が無くなるからな。 「皆様。本日はご多忙の中、お集まり頂きまして誠にありがとうございます。私、この企画を担当、運営を任されている、櫻井グループ取締役の櫻井王雅と申します。今回の会見では、弊社櫻井グループの一環であるホテル事業部と、米エスティンホテル合同経営の発表、及び弊社が打ち立てたプロジェクトについて、説明させていただきます」  先ずは手元の資料を見るように促し、スクリーンに資料を映し出した。 「現在、ホテル事業部門の売上高、国内トップを誇らせて頂いている弊社でございますが、世界大手の米エスティンホテルとの合同経営を行い、さらなるサービス、企画を打ち立てて参ります。目指す収益は少なくても五千億円以上、ホテル業界の世界一を目指します。更に、得た利益の五パーセントを全世界の恵まれない子供達に寄付を考えています。これについては、米エスティンホテル経営の現社長も御合意下さっております。クリーンな経営を目指しますので、弊社並びにウェスティンの収益等は何時でも見られるような決算提示も行います。寄付も同様です。ご覧ください」
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スマイル30 会見 02

 そしてこのシステムは、キングフェザーにも導入する。 キングフェザーで働く従業員の利用料はすべて無料にするが、ホテル宿泊や休息利用の場合、オプションサービスだから料金はしっかり払ってもらう。高くても、ニーズはあるから勝算はある。  だから従業員への行き届いたサービスが実現する。給料が見合っていれば、頑張って働こうという気にもなるだろう。人件費に充てられる。  商品開発にも結構な金額がかかってんだ。回収しなきゃ横山が儲からねえからな。しっかりした料金設定も利益を出すためには必要で、経営手腕のひとつだ。それにこれからは横山工業の株が、この会見後に相当跳ねあがるだろう。  筆頭株主は俺、そして横山、伴侶に従業員と並んでいる。俺はまた追加で買っておいた。株の差益だけで自動的に儲かる。俺が企画打ち出す前の早い段階で、高田製菓の株も相当数購入してあるから、こっちでも爆益。俺って金儲けの才能あるよな。 「――以上となります。ご清聴ありがとうございました」  熱弁を揮った横山は、紅潮した頬をしていた。そして、満足そうに笑った。 「続いて、この企画の為にコラボレーションを打ち立てました、高田製菓株式会社の真崎恭一郎から、開発商品について、説明をさせて頂きます」  恭一郎に振った。彼はしっかりしているから大丈夫だろう。心配だった横山が問題なく終わったから、後は静観するだけだ。  「本日はお忙しい中、お集まり頂き誠にありがとうございます。私(わたくし)、高田製菓株式会社の真崎恭一郎で御座います。頑なに和菓子一本伝統を守り続けて来た弊社でございますが、櫻井に口説かれまして、この企画に協力させていただく運びとなりました――」  堅苦しい挨拶はいいって。 「弊社が開発したのは、和洋菓子でございます」  観客席が若干ざわ
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スマイル30 会見 03

  「――以上となります。ご清聴ありがとうございました。今後も引き続き、高田製菓をよろしくお願い致します」  なかなかいいプレゼンだった。大きな拍手に包まれ、恭一郎が壇上から降りた。 後は他の賛同事業などの紹介、製品のプレゼンなどを行っているうちに、あっという間に俺の晩になった。  最後は、俺だ。 「今回私は、エスティンホテルのブティック・ラグジュアリーホテル部門を担当させていただきました。お手元の資料をご覧下さい」  用意した資料を、スクリーンに映し出した。 「このホテルはカップルだけでなく、愛し合う男女がいつでも楽しめるためのコンセプトを元に企画いたしました」  資料には、部屋毎にデザインを変えるだけでなく、様々なシチュエーションで楽しめる様子が映っている。 「大手製薬会社と、リラックス効果のあるサプリや、情熱的になれるサプリ、ホテル宿泊者様にお楽しみいただけるよう、様々ご用意しております。更にご家族でもご宿泊頂けるようにしております。保育施設の充実だけでなく、エンターテナー的な造りも心掛けており、お子様をしっかりお預かりできますので、結婚記念日等のご利用、夫婦間を見つめ直したり、普段とはまた違う、お二人で密な夜を過ごして頂けるようなお手伝いをさせて頂く所存でございます」  ラブホテルとは思えないような、特別な空間に仕上げた部屋がスクリーンに投影されている。 さらに子供向けのワクチンの充実化なども、大手製薬会社と共同開発する旨を伝えた。大きな拍手に包まれる。  俺は会場全体を見据え、特に想いを込めて話した。 「今回のこの企画は、未来を見据えたプロジェクトです。先ずは弊社拠点のある日本を、そして日本だけでなく、貧困で苦しむ多くの子供達に救いの手を差し伸べ、お互いが協力して手を取り合っ
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スマイル30 会見 04

     「いいか、よく聞けっ! マサキ施設経営者の、真崎美羽!! 美羽のおかげで、俺はここまでやり遂げることができた。俺をここまでの男に育ててくれてありがとう。でも、まだまだこれからだ。俺は全てを実現、成し遂げ、もっとすごい男になる。だから俺の傍にいて、ずっと俺を支えてくれ! 俺は、美羽や子供たちが傍にいなきゃダメなんだ。美羽、愛してる! 俺が愛しているのは、お前だけだ! だから俺と結婚してくれ!!」    静まり返った会場に、俺の恥ずかしいセリフが反響した。  「以上で、会見を終了させて頂きます」   俺が『会見終わり』と言ったら終了の合図というのは横山、恭一郎たちには伝えてある。 突然の告白に鳩が豆鉄砲を喰らったようなマスコミ関係者も、俺が席を立った途端、慌てて立ち上がって、あっ、と声を漏らした。 ちょっと待ってください、今の告白について詳しくお話を――という声やフラッシュを背に、捕まる前にいくぞ、と2人を引っ張って壇上を後にした。    ※   「櫻井君には驚かされたよ。まさか……あんなところで美羽にプロポーズするなんて」  マスコミに掴まる前に、急いで控室に戻ったところだ。恭一郎が苦笑交じりに俺を見つめている。 「そういうことだ。恭一郎、美羽はもらうぜ。文句ねえよな?」「あるって言ったら、プロポーズ取り下げてくれるのか」  恭一郎が真剣な顔して言うモンだから、俺の方が焦った。 「あっ……いやその……偉そうに言ってスミマセン。お義兄さん、
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