花井は司法書士になるために勉学に励んでいたようだ。しかしそんな男が突然不動産業者になったのは、横山の土地を奪い、彼の工場を潰そうとするためだった。 花井は、もともと美羽の母――美幸を好いていた。彼女と結婚した横山の工場で働いていた真崎久信(まさきひさのぶ)――美羽のオヤジを、ずっと、ずっと、恨んでいたんだ。 そういう理由から、美羽にずっと執着していたというわけだ。美幸は死んでしまってもうこの世にいないから、美羽で手を打とうとしていたのだろう。その情熱をもっと別のところに活かせられたらよかったのに。 横山については、巻き込まれ復讐なのだろう。美羽のオヤジを雇っていたから、花井から恨まれることになったんだ。それに、マサキ施設の土地を美羽の両親に貸していた件もあるか。関係者的立ち位置と認識されていただろうな。 上手く稼働していた工場が徐々に傾いて仕事が減ったのは、花井が絡んでいたせいだ。 救いの手を差し伸べようと高額で施設の土地を買い取り、その関係で施設への出入りはやめさせた。 挙句、じわじわと真綿で首を絞めるように、横山の工場に新しい商品開発の為の機械を導入させ、あたかも救い神のように振る舞い、その裏で銀行に根回しをして、横山の工場を潰そうと計画していたんだからな―― おかしいと思ったんだ。横山の工場は俺が見た中でもかなりいい工場だ。資金繰りが若干悪いというだけで潰すには、本当に惜しい工場だったから。 銀行が融資をしないなんて、どんな間抜けな行員が担当しているのかと思ったが、実は横山を恨んでいた花井が手を引いていた。 花井が横山と同じ銀行と取引をしていたのは、偶然じゃなかった。 櫻井グループも取引のある地方銀行だったし、調査のために俺が銀行の支店長に連絡して横山の事を尋ねたら、電話口で大慌てしやがったんだ。 今後立ち上げる俺の個人会社のメインバンク探してると告げた。推薦してくれた横山や花井のことを知っているなら教えて欲しい、彼らに投資を
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