「……空気が違うな。長いこと閉ざされてた場所かもしれん」 アランが低くつぶやく。「こりゃますます怪しいな。罠とかねぇだろうな」 オルフェが冗談めかして言うが、その声には緊張が混じっていた。「罠はおれにお任せだぜ」 リディアが仲間を見渡し、先頭に立つ。 狭い通路は人一人がやっと通れる幅で、天井は低く、湿った石が滴りを落としていた。靴底が水を踏み、ぴしゃりと音を立てる。 奥へ進むにつれて、入り口からの光も見えなくなり、ランタンの光が唯一の頼りとなった。 しばらく歩くと、リディアが再び足を止める。 「……見ろ。壁に刻まれてる」 ランタンの明かりに照らされ、苔むした石壁に古い文字のような彫り込みが浮かび上がった。擦れて判読は難しいが、円形の紋章と、骸骨のような図形が描かれている。「こりゃ……不吉な感じだな」 オルフェが眉をひそめる。「魔術的な封印かもしれない」 アランが険しい表情を見せた。 レオンはおそるおそる近づき、指先で石の表面をなぞった。 「……何かの封印結界の痕跡ですね。でも……完全に消えてます。だいぶ昔に解除されたものかと」「それでスケルトンがたくさんいるのか? 何とか封印結界を復活できないのかな」 セリウスが呟き、仲間の顔を見渡す。 レオンの指先が石壁をなぞり続ける。古い線刻の奥には、まだかすかに魔力の残滓が漂っていた。 「……やっぱりだ。この魔法陣、スケルトンを呼び出す源を封じたものみたいです」「つまり、この壁の向こうに何かがいるってことか?」 アランが声を潜める。「はい。正確には、居るというより有るですね。スケルトンを呼び出す魔力源……。ここを崩して取り出してみましょう」 レオンの声はかすかに震えていた。 アランは即座に判断を下す。 「壊せるのか? 岩じゃないのか」「一見、岩のように見えますが、固まった土と言ってよいでしょう。きっと掘れるはずですよ。たぶん大きな魔石のようなも
Última atualização : 2026-01-28 Ler mais