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All Chapters of 月灯りの花嫁。: Chapter 141 - Chapter 143

143 Chapters

20話-2 月灯りの花嫁。

まるで天上のような、清らかな調べに包まれる中、リリシアはルファルの手に自分の手を添えて、祭壇へと上がる。純白な花付きのロングベールとリボンの下に何段も重なるロングトレーンの裾が、ふわりと広がり、月のティアラに少し編み込まれた髪が流れて。マントを左肩のみにかけ、内側にタスキをかけた白の正礼装に身を包んだルファルと共に並ぶ。隣で白い月紐で結ったうるわしき髪を流し、凛と立つルファルの姿は、皇子そのものだった。特別な礼拝席には凛と佇むシャイン皇帝、隣で控えるその側近。祭壇の傍らに、カイス、ソフィラ、ユエリア、最前列には皇后とヴァイオレット、少し離れた席ではエルシー、アルベルト、ハノ、リゼル、テオ、そして招待客のラズエラと隣で控えるレティ、その他、自席に立つ貴族達。そんな大勢の方々に温かく見守られる中、大司教にルファルから誓いの言葉を述べる。「フェリカディア皇国皇子、ラルファル・フェリカディアは、月姫、リリシア・ベルフォード嬢の夫となることをここに深く誓います」リリシアも続いて誓いの言葉を紡ぐ。「月姫、リリシア・ベルフォードはラルファル・フェリカディア皇子の妻となることをここに深く誓います」誓約を終えると、間もなくして、指輪交換の儀へと移る。高貴な宝箱の上に対となったダイヤの結婚指輪が2つ置かれている。それは、これまで見てきたどの月よりも美しく。ルファルは唯一無二の指輪を手に取り、そっとリリシアの左手を包み込んで、その薬指に嵌める。リリシアも続けてもう一つの指輪を手に取ると、同じくルファルの左手を包み込み、その薬指に嵌めた。互いの薬指の指輪がきらりと輝く。それは、夢ではない、ふたりの幸せの証。ようやく、ようやく、ここまで辿り着いた。「では、誓いのキスを」大司教の言葉の後、ルファルに両手でロングベールの端を持たれ――ふわっ。と、ロングベールを上げられる。――ああ、誓いのキスをすれば、ルファル様の花嫁になれるのだ。リリシアはルファルを見上げる。目が合い、互いを見つめて。ルファ
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20話-3 月灯りの花嫁。

* * *わたしは月に嫌われている。そう思っていたのに。透き通る白月が見える春空が広がる中、シャイン皇帝達に暖かく出発を見送られ、間もなくの時を経て。婚礼パレードの開幕を告げる高らかな音が鳴り響き、華やかな帝都の街で民達からの祝福の声が次々と上がる。「ほら見て、ラルファル皇子殿下とリリシア皇子妃がいらっしゃったわ!」「なんてお似合いなおふたりなの!」「ラルファル殿下、リリシア妃、ご結婚おめでとうございます!」「これからもずっとおふたりが幸せで満ちますように!」横に参列する民達から感嘆の声が上がる中、リリシアとルファルは優しく穏やかに微笑み、高貴な白馬4頭立ての馬車から民達へ向けて手を振る。そんな中、ふと視線を向けたその先に、見慣れたふたりの面影を見つけ、胸がきゅっと締め付けられる。それは紛れもなく、リリシアの両親――ミアとエバートの姿だった。「……お父さま、お母さま」リリシアの唇から誰にも届かない程の小さな呟きが零れ落ちる。わたしの為に、来て下さったの?「……本当は許可したくなかったが、ユエリアに頼み込まれてな」呟きはルファルには届いていたようで。ルファルは一瞬、不服な顔を浮かべながら囁く。そうしたルファルとユエリアの優しい計らいに、リリシアの瞳から大粒の涙が零れ落ちる。けれど、隣から大きな手が伸びてきて、リリシアの手を優しく握る。その瞬間、わっと沸き立つ大歓声と盛大な拍手が湧き上がり、ルファルがこれまで見たこともない程に柔らかく微笑みかけてくる。愛している。優しい微笑みと握られた温かな手からその言葉が伝わってくる。わたしも愛しております。リリシアもそう伝わるように、優しく微笑み返す。そうして、ようやく実感する。リリシア・フェリカディアに、ルファルだけの花嫁、妻になったと。愛して、愛されて。ルファルの幸せな花嫁として、これからもずっと、生きていくのだと――。
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20話-4 月灯りの花嫁。

* * *数日後の早朝。寝室で目を覚ますと隣にルファルの姿はなく、そっと起き上がりバルコニーへと出れば、ルファルはひとり、春空を眺めていた。「ルファル、おはようございます」ようやく『ルファル』と呼べるようになり、すんなり挨拶出来るようになったけれど。まだ本当の名前では呼べていない。ルファルは名前に反応するように、静かにこちらを振り返った。「……ああ、リリシア、おはよう」「白月を、見ていらしたのですか?」「……そうだ。早く目覚めてな」ルファルは自身の羽織っていた上着をそっと、寒そうにしていたリリシアの肩にかける。そして、何かを決意したのか、真っ直ぐにこちらを見つめてきた。「――――リリシア、深夜、共に空へ上がり、月を眺めに行かないか」「はい」リリシアは誘いに応え、ルファルと夜空へ上がる約束を交わした。* * *深夜――邸宅からふたりきりで静かに抜け出し、静かな庭でリリシアはルファルに手を優しく握られる。そのまま互いに頷き合うと夜空へとふわりと飛び立ち、白く輝く春の満月へと近づいていく。やがて宙に並んで浮かび立ち、ルファルと夫婦になってから見る満月は、これまで見たどの月よりも美しく、綺麗だった。感動で心を震わせていると、ルファルが繋いだ手を握り締めたまま、じっとこちらを見つめてくる。「ルファル、様?」「――リリシア、今から私と踊ってくれないか」不意に皇子としての凛とした響きを含んだその声に、リリシアは胸をドキリと高鳴らせる。――まさか、このようなお誘いを受けるなんて。夢にも思っていなかった。もしかしてこれは、ルファル様のサプライズなのでしょうか……?上手く踊れる自信はないけれど、それでも。ルファル様の真摯な気持ちに応えたい。わたしも、ルファル様と踊りたい。「……はい、喜んで」リリシアが美しき月姫の姿へ変わると、ルファルに引き
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