食事が終わり、彼が食器を洗うと買って出た。 私はその背中を眺めながら、古い畳の上の座布団で足を伸ばす。 お腹の中にいる小さな命が、この温かい時間を感じ取っているのか、微かにポコポコと動いた気がした。 夜。 窓の外を走る車のヘッドライトが、薄いカーテンを透過して、天井を白い光の帯となって移動していく。 床に並べて敷かれた、二組の布団。 狭い部屋の大部分を、その布団が占領している。「……寒くないか」 隣から、低い声がする。 電気はすでに消してある。暗闇の中で、彼の体温だけが圧倒的な存在感を放っていた。「平気。……あなたが、熱いから」 私は彼の方へ寝返りを打ち、その胸に顔を埋めた。 征也の長い腕が、私の背中を包み込む。 布団が薄いせいで、床の硬さが直接伝わってくる。 でも、彼の身体がクッション代わりになって、私を守ってくれていた。「……壁が薄い」 彼が、私の耳を甘く噛みながら囁いた。「隣のいびきが聞こえるくらいだ。……少しでも声を出したら、丸聞こえだぞ」 その言葉に含まれた熱に、背筋がゾクリと跳ねる。「……出さないわ」「本当か? ……俺の指が、どこを触っても?」 彼の手が、私のパジャマの裾から滑り込み、素肌を直接撫で上げる。 ごつごつとした指先が、背骨のラインをなぞり、腰のくびれを確かめるように強く握る。「んっ……」 私は慌てて自分の口を塞いだ。 征也が、喉の奥で低く笑う。「ほら。もう声が漏れている」 彼は私の手首を掴み、口元から引き剥がした。 代わりに、彼自身の唇が、私の唇を深く塞ぐ。 息ができない。 彼の舌が、私の口内を荒々しく、けれどどこまでも甘く蹂躙していく。 外の雨音が、微かに窓を叩き始めた。
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