数秒間の、永遠にも感じられる緊迫した沈黙。 陽向は身じろぎ一つせず、スースーと規則正しい寝息を立て続けたままだ。 ミッション完了。 征也が大きく、音を立てないように長い息を吐き出した。 彼が振り返り、私の寝ているベッドの方へと歩み寄ってくる。 カーペットを踏む音すらない。 ベッドの縁が沈み込み、彼が私の隣に潜り込んできた。 熱い。 彼が布団に入ってきた瞬間、むわっとした熱気が伝わってくる。 Tシャツ越しに触れた彼の腕は、体温が上がり、うっすらと汗ばんでいた。たった五分ほどの抱っこで、彼は全身の筋肉を使い切り、極限の緊張状態を乗り越えたのだ。「お疲れ様。……名プレゼンだったわよ」 私が小声でからかうように囁くと、彼は私の腰に太い腕を回し、強引に身体を引き寄せてきた。「俺は本気で語りかけただけだ。笑い事ではない」「ふふっ、大真面目な顔で赤ちゃんに説教するんだもの。でも、本当に泣き止むなんてすごいわね」「低い一定の周波数と、胸の振動が安心感を与えたのだろう。結果が全てだ」 彼の低い声が、私の耳元をくすぐる。 暗闇の中で、彼の鼻先が私の首筋に触れた。微かな汗の匂いと、彼特有の清潔なシトラスの香りが混じり合い、鼻腔を満たす。 先ほどまでの緊張が嘘のように、彼自身の筋肉も柔らかくほぐれているのがわかった。「……少しは休めそうか?」「うん。あなたのあの声を聞いてたら、私もすごく眠くなってきた」「ならば、俺の報酬はどうなる」「報酬?」「深夜の特別手当だ」 彼の手が、私の背中から腰へと滑り落ち、薄いパジャマ越しに肌の起伏をなぞる。 その手のひらの熱さに、思わず身体がびくっと反応した。 まさか。こんなに疲れているのに。でも、陽向を寝かしつけてくれた彼を無下に突き放すこともできない。「ば、ばか。陽向が起きるでしょ。それにあなたも明日仕事なんだから……」「起きない。一度深く眠ればしばらくは覚醒しないだろう。それに、俺はまだ体力は残っている」 彼が私の肩口に手をかけ、ぐいっと押し倒すような形で、私をうつ伏せに
Read more