「貴様は何者だ? まだガキじゃないか……」「ボクは、人間でハンターをやっている、そらだけど」 そらは両手を軽く上げ、敵意がないことを示すように振る舞ったが、その瞳は真剣だった。しかし、魔王は聞く耳を持たない。「止めてもムダだ。我は、すでに決定を下した。我の決定は覆らんぞ!」「いや、だから友達を殺されるのはイヤなんですけど」 そらの言葉に、魔王は苛立ちを覚えたかのように声を荒げた。「だったら貴様から殺してやる」 魔王は再び片手を振り抜き、先ほど兵士たちを半壊させたのと同じ、強大な光の弾を放った。 そらは、迫りくる光の弾に対し、動じることなく即座にバリアを展開した。彼はその場から一歩も動かず、バリア越しに魔王の体をスキャンし始めた。 ――魔王の体内の詳細な情報が頭の中に流れ込んでくる。 (え!? 心臓が三つってキモいんですけど) その解析が終わるか終わらないかのうちに、光の弾はバリアに直撃した。凄まじい閃光と爆音、そして衝撃波が周囲を襲う。 魔王は、爆炎の向こうに立つそらを見て、呆れたように呟いた。「人間とは、手応えがないやつらだな」「今度は、こっちからの嫌がらせね。んしょっと……」 そらは、何事もなかったかのように立ち上がり、先ほど魔王が見せたように静かに宙に浮いた。彼は魔王と同じ高さで対峙し、涼しい顔で話しかけた。 そして次の瞬間、何の前触れもなく、そらは魔王の心臓を一つ、転移魔法で魔王の体内から自身の手に移動させた。 取り出された心臓を、そらは何の感情も見せずに空中で手を離した。それは重力に従って地上を目掛けて落下し、岩場に着地した瞬間に『ぐしゃ』と嫌な音を立てて飛び散った。 それと同時に、魔王の顔が激しい苦痛に歪んだ。「ぐはっ。あの攻撃をくらって何故お前は生きている? だが残念だったな。我は心臓は一つではないのだ。その様な高度の魔法、何回も連続で使えまい……」
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