All Chapters of 異世界に子供の姿で転生し初期設定でチートを手に入れて2: Chapter 61 - Chapter 70

90 Chapters

61話 魔王の魂の隷属と、特別な従者

「……そら、どうかしたのか?」 サナは無防備に首をかしげる。くびれ始めた細い腰から、少女特有の未発達な丸みを帯びたお尻へのラインが、なんとも言えない背徳的な色香を放っている。幼さと妖艶さが危ういバランスで同居するその立ち姿は、ただ見ているだけで理性が削られるような、不思議な魅力に満ちていた。「いや、なんでもない……。早く着替えてくれ」 俺は咄嗟に視線を逸らしたが、瞼の裏には、あの白銀の月光に映える彼女の美しい曲線が鮮烈に焼き付いて離れなかった。サナはそんな俺の動揺など露知らず、鼻歌混じりに新しいワンピースを頭から被り、ふわりと裾を整えた。 着替えを終えたサナがくるりと回った拍子に、まだ慣れないワンピースの裾がふわりと舞い上がった。そこから覗いたのは、先ほど露わになった肌と同じ、淡い桜色のパンツと太ももの瑞々しい付け根だった。 (……下の方まで、隠すことのない薄ピンク色の可愛らしいパンツだったな) 視線をどこにやるべきか迷う俺を余所に、サナは屈託のない笑顔でスカートの感触を確かめている。「普通、隠れて着替えない? サナは、女の子なんだし……」 俺が少し顔を熱くしながら苦言を呈すと、サナは不思議そうに紫色のツインテールを揺らした。「そうなのか? わたしは気にしないぞ。それに、男はこういうのを喜ぶんじゃないのか? 父上の配下たちも、よくそんなことを言っていた気がするぞ。まあ、わたしの裸は見せんがなー!」「……まあ、そうだけど。外では絶対に、そんなふうに脱がないでよ」 この無防備さは、彼女がどれだけ外界から隔絶されて育ったかを物語っていた。この美貌と体躯で外で脱がれでもしたら、それこそ暴動が起きかねない。「分かった! そらの前だけ、ということだな?」 サナは合点がいったように拳を手のひらに打ち付けた。(……いや、そういう意味じゃないんだけど……)と喉まで出かかったが、彼女
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62話 二人の幼い眠り姫と、孤独からの解放

「これから、どうするのだ? わたしを連れて、何をするのだ?」 サナは新しいワンピースの裾を弄りながら、興味津々といった様子で問いかけてきた。「もともとは、ここの屋敷の方から変な魔力の反応があったから、その調査をしに来ただけなんだよ……」 俺がそう告げると、サナは不思議そうに首をかしげ、紫色のツインテールを揺らした。「変な反応? わたしには……うぅーん……特には、何も感じないが……」「たぶん……それ、サナの反応だと思うよ」 俺が苦笑いしながら指摘すると、サナは一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした後、頬をごく薄く染めた。「……え、バレてたのかっ!? 隠れていたつもりだったのだがな。やっぱりスゴいな、そらはっ♪」 隠れんぼで見つかった子供のように、彼女は嬉しそうに俺の腕に体重を預けてきた。魔王の娘としての矜持よりも、自分を見つけてくれた存在への信頼が勝っているようだ。「とりあえず調査は終わったし。特に対処が必要な問題もなさそうだから、明日には家に帰るよ」 (これだけ素直だし、従者契約も無事に済んだ。何より本人がこれだけ俺に懐いているなら、みんなの待つ拠点に連れて帰っても騒ぎにはならないだろう……たぶん) 俺がそう自分に言い聞かせていると、サナが不意に、俺の服の裾を強く握りしめた。「そらの家か! ……わたしも一緒に行って、良いんだよな? 置いていったり、しないよな……? なあ?」 彼女は不安を押し殺すように、潤んだ瞳で俺の顔をじっと見つめてきた。長い間、孤独な廃墟で「待機」を命じられてきた彼女にとって、一度掴んだ温もりを失うことは何よりも恐ろしいことなのだろう。長い睫毛が細かく震え、今にも零れ落ちそうな涙を溜めたその瞳は、魔王の血筋など微塵も感じさせないほど、脆く、儚かった。「もちろん。サナも、ボク
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63話 二人の小さな給餌競争

「ふふ、まあいい。これからは、わたしのことも一番に考えてもらうからな」 サナは満足げに目を閉じ、俺の肩に頭を預けてくる。左右から伝わる、対照的でありながらどちらも愛おしい温もり。魔王の娘と、不思議な力を持つ少女。二人を連れて拠点へ戻った時、レナやティナたちがどんな顔をするのかを想像し、俺は少しの不安と大きな期待を感じながら、ゆっくりと意識を眠りへと沈めていった。 翌朝。カーテンの隙間から差し込む新たな一日の始まりを告げる陽光が、埃の舞う寝室を白く照らしていた。 ふかふかの枕の横で、規則正しい「ね、ねぇ……」という声が聞こえた。意識を浮上させると、目の前ではフィオの可愛らしい猫耳が、感情を表すように小刻みに『ピクピク』動いていた。彼女は俺の肩に小さな手を置き、控えめに、けれど一生懸命に揺すって声をかけてくる。「ねぇ。だれ? しらない、ひとがいる……! ねぇーそらぁー! おきてぇー!」 フィオの視線の先には、俺の右腕を抱き枕のようにして、幸せそうに涎を垂らしかけているサナがいた。紫色のツインテールが乱れ、無防備に寝息を立てているその姿は、昨夜の「魔王の娘」という重々しい響きを微塵も感じさせない。「あぁ……昨日、屋根裏で見つけた人だよ。一人で困ってたみたいだから、助けたんだよ……」 俺がまだ眠気の残る声で答えると、フィオは不思議そうにサナの寝顔をじっと見つめた。サナの白い頬が、朝日を浴びて透き通るように輝いている。「そうなんだ。そら……えらい。こまってるひと、たすける、やさしい」 フィオは納得したように、ピコピコと耳を動かしてこくりと頷いた。俺の善行を疑わず、真っ直ぐに褒めてくれる彼女の瞳が眩しい。 すると、隣に寝ているサナから「ん、むにゃ……」と小さな声が漏れた。 ふと視線を落とすと、俺の右腕にしがみついていたサナが、無防備にもほどがある格好で寝入っていた。 寝返りを打った拍子にワンピースの裾が大き
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64話 世界の均衡を揺るがす、最強の大家族

 仕方なく彼女にもベーコンを食べさせてやると、サナは「うむ、苦しゅうない!」と満足げに鼻を鳴らし、そのまま俺の肩に頭をごりごりと擦り寄せた。「そらの隣は、特等席だな。フィオにも譲らんぞ」「……わたしも、ゆずらない」 フィオも負けじと、俺の腕をぎゅっと抱きしめ返す。左右から押し付けられる二人の柔らかい体温と、甘い香りに包まれて、俺の朝食はちっとも進まない。 賑やかすぎる朝の光景。かつての人間の宿敵の魔王の娘と、大切な仲間。この不思議な組み合わせのまま、俺たちは食事を終え、いよいよ懐かしい拠点へと戻る準備を始めた。 慣れ親しんだ我が家のリビングに転移の光が収束すると、そこには今か今かと待ち構えていた少女たちの姿があった。「ただいま! 思ったより早く帰ってこれたよ」 俺が苦笑いしながら挨拶を終える間もなく、皆が一斉に駆け寄ってくる。わずか一日の不在だったが、彼女たちにとってはそれ以上の時間に感じられたのだろう。「心配したのです!!」 アリアが真っ先に叫び、涙目で俺の服を掴んでくる。続いて、ティナが少し怒ったような、それでいて安堵の混じった複雑な表情で詰め寄ってきた。「どこで、何をしてたのですか!!  ……で、その隣にいる子は誰です?」 ティナの視線が、俺の裾をぎゅっと握りしめているサナへと注がれる。エルは静かに「お帰りなさい。心配した」といつものように短く告げつつも、その瞳は鋭くサナの魔力の本質を見抜こうとしているようだった。レナとリナも「お帰りなさいっす!」「お帰りなさい!」と声を弾ませながらも、新しい同居人の登場に興味津々の様子だ。 サナは初めて見る大勢の人間、そして彼女たちが放つ強力な気配に気圧されたのか、俺の背後に隠れるようにして、紫色のツインテールを震わせている。「皆には、事実を伝えるけど……これは絶対に秘密だからね」 俺は周囲を一度見渡し、声を潜めて紹介を始めた。「この娘は、魔王の娘のサナっていうんだ。あの廃墟の結界の中で、
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65話 最強種たちの困惑と、そらの「普通」

「ボクは、ちょっとドラキンの所に紹介しに行きがてら、ボスキンにも挨拶してくるよ」 俺が皆にそう告げると、ティナは少し不満げに眉を寄せ、名残惜しそうに俺の袖を見つめた。「え。もう行っちゃうんですか。せっかく帰ってきたばかりなのに……」「すぐに帰ってくるよ。サナを、この家の『守護者』たちにも合わせておかないと、問題が起こりそうだから」「そうですか……。なら、早めに戻ってきてくださいね」 ティナの少し寂しげな視線を背に受けながら、俺はサナを連れてドラキンの居所へと向かった。普段は悠然と構えているドラキンだが、俺たちが近づくにつれ、その巨大な金色の瞳を鋭く光らせ、珍しく明確な警戒の気配を漂わせた。「ドラキン、友達を紹介しに来たよ」 俺が声をかけると、ドラキンは重厚な唸り声を喉の奥で鳴らし、サナを値踏みするように見下ろした。「……どちら様でしょうか? ……見た目は幼い娘だが、内側に秘めたる格、人間ではないようだな……」 その言葉に、サナは一歩前へ出ると、小さな胸を張り、毅然とした態度で名乗った。「魔王の娘、サナだ。そらの従者になったのだぞ!」「……そうであったか。当代の魔王の血を引く者か。我が名はドラキン、最古のドラゴンの一角である」 ドラキンがその巨体を揺らし、礼を示すように頭を下げると、サナは感嘆したように瞳を大きく見開いた。「そうか、最古のドラゴンと知り合いとはな。伝説の生き物だと思っていたぞ。さすが、そらだなぁ! 驚きの連続だ!」「……全く。我が主人は、一体何を目指されているのか……。ただの人間を自称しておきながら、連れてくる者の格が上がる一方ではないか」 ドラキンは深いため息を吐き、呆れたように俺を見つめる。「サナと言ったか。お前も、そらが主人なのか?」「お前も、か? ああ
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66話 湯煙の魔王と、解かれたしっとりとした紫の髪

「わたしが魔王のサナだ。宜しくな!」「こちらこそ、宜しくお願い致します。魔王の血を引くお方を新たな同胞として迎えられること、誇りに思います」 ドラボスの誠実な対応に、サナは感心したように腕を組み、何度も頷いている。「……ホントにドラゴン二体も従者にしているのだな。ドラキンの言っていたことは、夢ではなかったのか」「まあ、成り行きでね」 俺が頭を掻きながら答えると、サナは信じられないものを見るような目で俺を凝視した。「成り行きで、最古のドラゴンや魔王を軽々と従者にできるわけがないだろう! 普通は、契約の重圧だけで魂が消し飛ぶのだぞっ! それに、魔力が足りないと思うぞ……」「え、えぇ……主様。サナ殿の仰る通り、普通では、到底あり得ないことですね……」 ドラボスまでが、困ったような、それでいて深い敬意の混じった眼差しで俺を見つめてくる。「そらの『普通』の基準は、根本からしておかしいのだぞ。自覚するのだな!」 サナは呆れたように吐き捨てると、今度はドラボスの鼻先に近づき、その硬質な鱗にそっと触れた。最強の種族たちが、一人の「普通の人間」を自称する少年の元に集う。その光景は、伝説の再現というよりも、新しい時代の神話が始まっているかのようだった。 紹介を終えて家に戻ると、サナはまるで俺の影にでもなったかのように、どこへ行くにもぴったりと後ろを付いてくるようになった。ようやくフィオの世話をレナに任せ、一人で一息つけると思っていたのだが、どうやらそう簡単にはいかないらしい。 一日の疲れを癒やそうと、湯気の立ち込める風呂場で湯船に浸かっていた時のことだ。「そーらー、風呂かぁー?」 脱衣所から屈託のない声が響いたかと思うと、扉がガラリと開き、サナが堂々と裸のままで入ってきた。「サナ!? お前、普通は声をかけるとかさ……」「ん? ちゃんと声は掛けたぞ? 一緒に入ったほうが楽しいだろう? ダメだっ
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67話 魔王の娘と、無自覚な美少女

 キュッと引き締まったウエストから、湯船に浸かっていない滑らかな太ももにかけての曲線は、まるで芸術品のような完成度だ。湯気に蒸せ、健康的な肌の白さがより一層際立ち、そこへ一筋、二筋と水滴が伝い落ちていく。 (……あはは、本当に……これ、どんな状況なんだよ!? 俺、死ぬのか!?) サナがふと目を開け、伏せたまつ毛の隙間から俺を上目遣いに見つめた。その紫色の瞳は、湿り気を帯びて潤んでおり、無防備さと同時に、男としての本能を揺さぶるような艶やかさを放っている。「……そら? そんなに熱心に見て、わたしの体、そんなに珍しいか?」 サナは少しだけ悪戯っぽく微笑み、わざとらしく胸元を隠すように腕を交差させた。けれど、その隙間から溢れる胸の膨らみが余計に強調され、俺は慌てて視線を空へと逃がした。「い、いや、別に……」 視線を泳がせながら否定する俺に、サナは不思議そうに小首をかしげた。濡れた紫色の髪から雫が滴り、彼女の滑らかな鎖骨を伝って、豊かな膨らみの谷間へと吸い込まれていく。「そうなのか? じゃあ、おっぱいを見たいのか? 男は好きだと聞いたことがるからな~あれ、本当だったのか……」 心臓が跳ねた。あまりにストレートすぎる問いかけに、湯気のせいばかりではなく顔が熱くなる。魔族としての価値観なのか、それとも彼女自身の無垢さゆえか。打算のないその瞳に見つめられると、下手に嘘をつくのも無粋な気がして、俺は観念して本音を漏らした。「……意外と大きくて、形も良いなって思って。つい、ね」 正直に告げると、サナは一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、すぐに満足げな、どこか誇らしげな笑みを浮かべた。「そうかぁ! なら、好きなだけ見てて良いぞ。そらは特別だからな。他のやつなら、見た瞬間に殺すがなぁー!」 サナは屈託なく笑い飛ばすと、膝立ちになって俺の目の前まで寄ってきた。遮るもののない至近距離で、湯気を纏った双丘が迫る。腕を後ろに回して胸を強
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68話 濡れたパジャマと、魔王の乙女モード全開

 湯気の中に混ざるサナの甘い吐息と、濡れた髪から滴る雫。「美少女」と認めてくれた俺への純粋な親愛が、そのあまりにも扇情的な感触となって俺を責め立てる。首筋に回された細い腕の柔らかさ、そしてお腹に当たる彼女の太ももの熱さ。 ドクドクと自分の鼓動が早まるのが分かった。サナは俺の胸に顔を埋め、幸せそうに何度も身体を擦り寄せてくる。そのたびに、形良い双丘が俺の胸板の上を滑り、至福の、それでいて拷問のような快感が理性をじりじりと焼き切っていった。(ギブアップです……)「胸が当たってるんですけど……」「気にするな。わたしは嬉しいんだぞっ」「あ、はい。も、もう……好きにしてください……」 しばらく抱きつかれて、満足したのか解放された。(はあ。普通、逆じゃないのか!? なぜ、俺が襲われてるんだろ……嬉しいんだけどさ)「ボクは、もう出るよ」 これ以上この熱気に当てられては、本当に理性が焼き切れてしまう。俺が逃げるように立ち上がると、サナは「あぁっ!」と声を上げ、慌てて桶を掴んで体に湯を浴びせ始めた。「ちょ、ちょっと待ってくれー! すぐに洗うから!」「リビングにいるから、そんなに慌てなくても良いよ」「えー、待ってくれよぅー!」 後ろから聞こえる悲痛な呼びかけを背中で受け流し、俺は早足で風呂場を後にした。火照った体を冷ましながら、リビングのソファに腰を下ろす。 それからしばらくして、バタバタと騒がしい足音が廊下に響き、サナがリビングへ飛び込んできた。だが、その姿を見た俺は思わず目を丸くした。「そら、ヒドイ……置いていかれた……」 サナは肩を落とし、恨めしげな視線をこちらに向けている。だが、それ以前に彼女の格好が問題だった。慌てすぎて体を拭くのを忘れたのか、はたまた面倒だったのか。肩より長い濡れた髪が、着せられたばかりの薄いパジャマの肩口を
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69話 重すぎる愛の魔王と、ギルドを揺るがす「抑えきれない」格

 ふと視線を感じて顔を上げると、部屋の隅からティナがこの世の終わりでも見るような、深い、深いジト目をこちらに向けていた。その視線は、俺の腰に文字通り「しがみついている」サナの細い腕と、彼女の濡れて透けたパジャマから覗く柔らかな肢体に釘付けになっている。「……は、はい」 もはや弁明の余地も、拒絶する隙もなかった。俺が力なく返事をすると、ティナは「はぁ……」と、地吹雪のような冷たい溜息を吐いて肩をすくめた。けれど、当のサナはそんな周囲の冷ややかな空気など、露ほども気にしていない様子だ。「んふふ。そらは、わたしのものなのだぁ……」 サナは満足げに喉を鳴らし、さらに密着を深めてくる。本当に、物理的に一ミリの隙間もなく付きまとってくるのだ。歩こうとすれば足に絡みつき、座れば膝の上に収まり、立ち上がれば背中に背負い投げでもされるかのような勢いで抱きついてくる。 (どうしたものかな、これ……) 魔王の娘としての誇りはどこへ行ったのか。俺が移動しようと腰を浮かせれば、サナは「どこへ行くのだ!」とばかりに、パジャマ越しに伝わる瑞々しく柔らかな感触をぐいぐいと押し付けてくる。抱きしめられた腕に伝わる、しっとりとした肌の質感と、少女特有の甘く芳醇な香りが、俺の鼻腔を絶え間なくくすぐり、逃げ場を塞いでいく。「そら、離れないからな? 約束したのだからな」 潤んだ瞳でそう訴えかけられ、ふにふにとした頬を俺の二の腕に擦り寄せてくる彼女。その必死さと、あまりにも無防備な肉体の熱を同時に突きつけられては、俺にできることといえば、せいぜい困り顔で天井を仰ぐことくらいだった。 平和だったはずの拠点が、一気に「サナ」という重力に飲み込まれていく。 昨日からというもの、サナの「ずっと一緒」という宣言は、微塵の揺らぎもなく遂行されていた。魔王の娘としての矜持など、どこかの廃墟に置いてきたと言わんばかりの徹底ぶりだ。 リビングのソファに腰を下ろせば、すかさずサナが潜り込んでくる。先に俺の膝を独占していたフィオの
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70話 ギルドの爆弾発言と、刻まれた独占契約

「……測定不能から……算出。結果、暫定B級ですっ!」 受付嬢の震え声に、ギルド内が騒然となる。魔王の娘としての格が、抑えきれないオーラとなって測定器を限界まで追い込んだらしい。「お、おい! そこの嬢ちゃん、見ない顔だな。B級なんて凄げぇじゃねえか!」 「なあ、俺たちのパーティに入らねえか? 稼がせてやるぜ!」 騒ぎを聞きつけた男たちが、下心を隠そうともせず次々に声をかけてくる。だが、サナは彼らに対して一瞥もくれない。紫色の瞳には、そら以外の人間はただの石ころか何かのように映っていなかった。「うるさい奴らだな。わたしに触れたら殺すぞ、羽虫ども。そら、もういいだろう? 帰ろう」 サナは完全な無視を決め込む。本来なら「生意気だ」と怒り出す者がいてもおかしくない傲慢な態度。だが、誰も怒り出さなかった。解いた髪を揺らし、不機嫌そうに頬を膨らませるその姿が、暴力的なまでに美しく、そして可愛かったからだ。「可愛いは正義」――この不条理な格言の真理を、俺は目の当たりにしていた。「……おい、あそこの野郎。あんな美少女を侍らせて、腕まで組まれて……」 「しかも、あの密着具合。ただの仲間じゃねえぞ。……代われ、代わってくれ!」 刺すような嫉妬の視線が、全方位から俺に突き刺さる。サナはそんな男たちの殺気などどこ吹く風で、俺の二の腕にその瑞々しく柔らかな膨らみをぎゅうぎゅうと押し付け、満足げに鼻を鳴らした。「わたしは、そらのものだ。……な? そら♪」 上目遣いで、とろけるような甘い微笑みを向けられる。周囲の男たちの歯ぎしりが聞こえてくる中、俺は冷や汗を流しながら、この「得すぎる役回り」の重さを痛感していた。「新しい彼女さんですか?」 受付嬢が、あろうことか爆弾を放り込んできた。屈託のない笑顔で、最も触れてほしくない話題を平気で振ってくるその天然っぷりに、俺の背筋を一筋の冷たい汗が伝う。(マジでやめてくれ!! サナの反応が恐すぎるんだ
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