「いや、パーティメンバーになっただけだって」 俺はため息をつきながらサナへすかさずにツッコミを入れた。「同じことだ! これからはどこへ行くにも、戦う時も、寝る時も、そらの隣にはわたしがいるのだ。文句はないよなっ?」 サナは再び俺の腕をギュッと抱きしめ、柔らかな胸の感触をこれでもかと押し付けてきた。先ほどまでの不機嫌さはどこへやら、彼女の瞳にはまた無垢な愛らしさが戻っている。 ギルドを後にしようと背を向けると、背後からは「いいよなぁ、あいつ……」「美少女魔導師を二人も侍らせて……」という、呪いにも似た冒険者たちの溜息が漏れ聞こえてきた。「そら、お腹が空いたぞ。パーティ結成のお祝いに、何か甘いものを献上するのだ!」 サナは俺の二の腕にすりすりと頬を寄せ、甘い香りを振りまきながら、市場の屋台が並ぶ大通りへと俺を引っ張っていった。 ギルドを後にした俺たちは、サナを人間社会の賑わいに慣れさせるため、活気あふれる商店街へと足を向けた。相変わらずサナは、俺の右腕を自室の抱き枕か何かのように抱え込み、一歩も離れようとしない。「サナって、剣とか杖とかの武器は使うの?」「ほとんど使わないなー。魔法で事足りるし、いざとなれば拳で十分だぞ!」 可憐な少女の口から出た「拳」という物騒な単語に、俺は少しだけ遠い目をした。気を取り直して、並んでいる衣料品店を指差す。「何か欲しい服とかある? 毎日パジャマが濡れるのも困るし、新調しようか」「そらが、選んでくれる服なら何でも良いぞ。お前の好みに染まってやるからなっ!」 (……そういうの、センスを問われるから一番面倒なんだけどな) 俺の心境など露知らず、サナは「んふふ」と上機嫌に喉を鳴らし、そのまま食べ物の屋台が並ぶ大通りへと俺を引っ張っていった。芳ばしいタレの香りと、甘い果実の匂いが鼻腔をくすぐる。「そら、あれ食べたいぞ!」 サナが指差したのは、熱々の串焼き肉と、たっぷりのクリームが乗った果物菓子。彼女が店先へ
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