All Chapters of 白い恋の結晶~キミへと続く足跡: Chapter 131 - Chapter 132

132 Chapters

第131話

ジワリと、涙が浮かんでくる。「中学の時、俺が告白したのも桜の木の下で、離れ離れになったのも、桜の木の下だったし」「……うん」「桜の木って、俺らの人生になくてはならない木だろ?」「……うん!!」本当にそうだ。あたし達の成長に、桜の木は必要だった。いつも一緒にいてくれた木だった。「これから、多分この木にお世話になるだろうからさ。だから、この木の下で誓わせて」「……はい」あたしは、溢れる涙を手で拭って、グッと柊を見上げた。柊はあたしの手から箱を取ると、そっと指輪を取り出し、あたしの左指を握った。ゆっくりゆっくり、あたしの左指に、シルバーの指輪がはまっていく。「サイズ、ぴったりでよかった」柊が目尻を垂らす。あたしは、左手を空にかざして指輪を眺めた。空との間にある桜の木が、カサカサと風に揺れてなく。その度に、溶けた雪の雫が頭に落ちてきて、ヒンヤリした。「雪羽」「はい……」「俺、まだまだ未熟で、これから先も雪羽のことを傷つけてしまうことがあるかもしれないけど、それでも、俺とずっと一緒にいてくれる?」「うん!!」「今まで雪羽にしてやれなかったこと、全部してやるつもりだ。喧嘩もすると思うし、俺が一方的にキレてしまうこともあるかもしれない。それでも、ずっと一緒にいてくれるか?」真剣な柊の表情。桜の木が風に揺れるたびに、柊の顔の影がユラユラと揺れた。「ずっと、側にいさせて? あたしこそ未熟だし、言いたいことも言えずに誤解されることもあるかもしれないけど、それでも……」ギュッ……。あたしが最後まで言い終わらないうちに、強く、柊に抱きしめられた。息ができないくらいに、キツく胸に押し当てられる。「好きだ」耳元で、柊の声がこもって聞こえた。「好きだよ、雪羽」あたしは、柊の背中に手を回して、ギュッと抱きつく。「あたしも好きだよ!! この気持ちは、ずっと変わらないよ!!」「本当に?」
last updateLast Updated : 2026-01-26
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第132話

柊が、ゆっくりあたしから体を離す。「本当だよ!! あたし達、もう離れることはないよ!! ずっと一緒にいる!! 約束する!!」あたしの声が大きいので、公園にいた子供たちが何人かこちらを振り向いた。だけど、気にしない。「雪羽、今すぐってわけにはいかないけど、俺と、結婚してくれる?」あまりにも嬉しい言葉過ぎて、あたしは瞳に涙を浮かべながら柊を見上げた。返事することもできない。「え……返事は?」涙をこらえることに必死になって顔を強ばせているあたしを見て、柊が不安そうに眉を寄せた。涙をこらえてるせいで、口が開かない。声が出せないの……。嬉しくて嬉しくて、どう、言葉にしたらいいのか、わからなくて。あたしは、返事の代わりにグッと背伸びをして、柊に唇を合わせた。ほんの一瞬触れただけの、短いキス。突然のことに目を丸めた柊だけど、すぐに、柊からあたしに唇を重ねてきた。今度はさっきより、長いキス。子供たちの楽しそうな笑い声を聞きながら、何度も何度もキスをした。目を見合わせクスクス笑い合う。ポタポタと上から雫が落ちてきて、あたし達は手で頭を庇って、それでも笑いあった。幸せな瞬間。この桜の木の下で、永遠の愛を誓った。新しい、あたし達の相棒の誕生だ。こかれからは、この木と共に成長していこうね。結婚して、子供が生まれて、家族が増えていくたびに、この木に報告しようね。「大好きだよ、柊」「俺は、愛してるよ」「え~。ずるい。あたしも愛してるのに」あたしが口を尖らせると、すかさず柊がまたキスをしてくる。こんな、まだまだ子供あたし達ですけど、どうか、暖かく見守ってください。今まで苦しい恋をしてきたぶん、必ず幸せになります!!あたし達は桜の木を見上げて、心に幸せになることを誓った。―END―
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