「それなのに……おまえらは……」ハルが太ももの横で、強く拳を握る。「……何やってんだよ」ハルの声が震え、もう殆ど声にはなっていなかった。クッと声を漏らし、顔を伏せながら涙を流している。溶けかけの雪の上に、大粒の雫がポタポタと落ちていく。ハルが、細かく震える目をあたしに向けたり、涙を堪えようと目をそらしたりを、何度か繰り返した。「俺……アイツに言われたんだよ」「…………」「篠原のことを、よろしく頼むって」「……え?」あたしが聞き返すと、ハルは呼吸を整えるように深呼吸をした。「アイツ……アイツは、ずっと篠原のことが好きだったんだよ」「……ッ!?」あたしは、グっと目元に力を入れてハルを見上げる。ずっと好きだったって……そんなの……。前にもそんなこと言ってたような気がするけど、そんなの嘘だ。だって、直接言われたんだから。文化祭でのキスの意味もなかったし、それに何より、“俺たちは終わってる”って、はっきり!!それなのに、好きだなんて……。そんなの、人の口から聞いて信じるわけ……。「アイツ、俺に泣きそうな顔しながら言ったんだ。“雪羽は、俺を好きでいたらダメだ”って」「…………」「“俺は、また転校しなきゃならないから、側にいてやれないから、俺から遠ざけなきゃいけない”って」……え?「アイツ、もう二度と、篠原のこと泣かせたくなかったんだんだよ」「…………」「だから、ずっと転校のことも言わなかったし、篠原に冷たい態度をとってたんだ」……嘘だ……今更そんな……。「転校するのは、ここに越してきた春にはもうわかってたみたいなんだ」……え?「篠原と同じクラスじゃないことを何度も何度も願ったみたいだけど、運良く、とういうか悪くというか、同じクラスになって正直、心が痛んだって言ってたよ」「……柊が? そんなことを……?」あたしが掠れる声で聞くと、ハルは小さく細かく頷いた。「同じクラスにならなければ、篠原を少しでも避けて過ごせるとでも思ったんだろうな。例えクラスが違ってたとしても、学年が同じだから、どうせ篠原と接することになるのに」
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-26 อ่านเพิ่มเติม