さっきのハルの大声であたしの側に駆け寄ってきていた柊が、ハルの言葉を遮った。「おい、雪羽、大丈夫か? 俺に掴まれ。 背負って行くから」柊は、ハルからあたしの体を引き取って、そっと背中に背負ってくれた。みんなが見ていて恥ずかしかったけど、抵抗する元気もない。ダラリと体の力が抜けているあたしを横目で見る柊が、珍しく焦っているように見える。「雪羽。すぐに保健室連れてってやるからな。もう少し辛抱しろよ」「……うん。ありがと。柊」あたしが小さなかすれる声で言うと、柊はゆっくりあたしを背負い直し、足早に保健室に向かった。柊の大きな背中。細いけれど、骨格がしっかりしていてとても安心する。柊が歩くたびに、左に右にユラリユラリ。放課後の静かな廊下に、柊の歩く上履きの音がキュッキュッと響いていた。今、どのくらい熱があるのかわからない。だけど、柊の背中に身を委ねていると、辛さなんて感じなくなるほど心が落ち着いた。柊が保健室のドアを開けると、あたしを背負っている柊を見た先生が目を丸くして近寄ってきた。「どうしたの? 怪我?」先生があたしの体を見る。「いいえ。熱があるみたいなんですけど」柊が先生にあたしを預けるように、背中から下ろしてくれる。先生はあたしの体を支えて、丸い椅子に座らせてくれた。先生が素早く体温計を出し、あたしはそれを脇に挟む。保健室に来ると、なんだか急に熱が上がりだしたように体がキツくなった。背中は猫のように丸くなり、背もたれがなければ倒れてしまいそう。ピピピッピピピッ!!体温が測り終わり先生に渡すと、先生は体温計を見てまた目を丸くした。「38,5℃!?」そんなに熱高かったんだ。朝より楽になったのは、やっぱり熱が上がりきってたからだったんだ。あたしはいつも、熱が上がり切ると楽になる体質だから。「ベットに横になっていなさい。先生、お家の人に電話してくるから」先生は静かにいい、あとは柊に任せたと、保健室を出て行った。あたしは柊に支えられながら、フラつく足でベッドに向かう。
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23 อ่านเพิ่มเติม