それがハルらしくて、あたしはふたりをテントから送りだし思わず笑ってしまった。ハルと柊はお互いなかなか足のタイミングが合わなくて、途中で転んで何度かやり直していた。結果は5位。ゴールでふたりが何かを言い合いながらじゃれていたけど、何を言っているかはわからなかった。一体、紙にはなんて書いてあったんだろう。『友達』とか……?あたしを選ばなかったのは、あたしが足が遅いのを知ってるからだろうね。次のスタートは、マキだ。「マキ~!! 頑張れ~!!」あたしは声の出る限り応援する。マキは真剣な表情で、ピストル音を待っていた。スタートを切ると、ドッと周りの声援が大きくなる。音楽も不安をかき立てるようなテンポの早い曲で、緊張感が増す。マキも、紙を見た瞬間、あたしを真っ直ぐに見てきた。まるで、獲物を見つけたハイエナような眼差しだ。「ユキ!!」やっぱり、あたしなの……?「ユキ!! はい!! 背中に乗って!!」あたしのいるテントまで全力で走ってきて、突然、あたしに背中を向けてしゃがみ込んだ。「え!? 何!? もしかしておんぶ!?」「そう!! いいから早く乗って!!」「いや、でもあたし重いし!!」「何言ってんの!! いいから早く!!」マキも勝負に負けるのは嫌いな性格だから、あたしが拒むと物凄い形相で睨んできた。あたしは恥ずかしい気持ちを抑えながら、そっとマキの背中に乗る。すると、マキがあまりにも勢いよく立ち上がったので、あたしは前のめりに頭から落ちそうになった。「マキ!! 大丈夫!?」「うるさい!! 黙って!!」まるで人が変わったかのように、ゴール目指して走る。あたしはマキにおんぶされながら、恥ずかしくてマキの背中に顔を埋めた。見事1位でゴールしたマキは、誇らしげにあたしを下ろし、見たかと言わんばかりに、順位順に座るハルの横を通っていた。
Last Updated : 2026-01-04 Read more