All Chapters of 白い恋の結晶~キミへと続く足跡: Chapter 31 - Chapter 40

132 Chapters

第31話

“付き合ってたの?“を強調して言われ、心臓がギシリと軋む。あたしと柊の曖昧な関係を見て、いつかは触れられる問題だと思っていたけど、まさかこんな形で触れてくるとは思ってもいなかった。こんなに大勢の前で問われたあたしは、どうすることも出来なくてただ俯いた。「違うよ」はやし立てるクラスメイトを黙らせるように、ボソリと、だけど少し強い口調で柊が言った。机の周りに集まるクラスメイト達が、柊に注目する。「違う」今度は、低い声で、はっきりと。「俺らは、そういうんじゃないよ」少し不機嫌な柊の声に、一瞬周りの表情が凍りつく。あたしも、動けなくなった。“俺らは、そういうんじゃないよ”今は付き合ってないとはっきり言葉にされるより、心が痛かった。柊との楽しかった過去までも、否定されたみたいで……。柊にとっては、思い出したくない過去なのかもしれない。あたしと一緒にいた時間は、邪魔な記憶……?そっか……。そういうことか……。だから昨日も、バス停であたしとあまり目を合わせてくれなかったんだね。もう、何も期待は持たないことにする。っていうか、最初から期待なんて持たなきゃよかったんだ。「そ、そうだよ……」あたしは、震えそうな声を必死で抑え、無理に笑顔を作った。頬が、引きつる……。「あたし達は何でもないよ」ちゃんと、笑えてるかな……?あたしが柊の机の周りに集まるクラスメイトの顔を見ながら言うと、みんな少し戸惑ったように顔を見合わせていた。「みんな勘違いしすぎ。ホント、何でもないから。あ! ごめん! あたし、ちょっと、トイレ!」言いながらジワリと浮かんできた涙がばれないように、慌てて教室の後ろのドアを指差しハハハと苦笑いした。そして、目を泳がせて急いで教室を走り出る。
last updateLast Updated : 2025-12-29
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第32話

乱暴に閉めたドアの音が廊下に響く。柊が好きだって、再確認したばかりだったのに。少しは見込みがあるって、そう、思っていたのに。柊にとってのあたしは、何でもない存在だった。両親の都合で、またここに戻ってきただけで、それ以外の理由なんてないのに……。それでも、ちょっと期待するよ。だって、あたし彼女だったんだもん。はっきり別れたわけじゃないし、柊の、たまに見せてくれる笑顔があたしにだけ特別なような気がした時だってあった。そりゃ、期待する。また、あたしのことを好きになってくれるんじゃないかって。それなのに……。柊の中では、もうとっくの昔に終わってた。引きずってたのは、あたしだけだったんだ……。止めようと思ってもボロボロ頬を伝う涙。廊下ですれ違う生徒達に泣き顔を見られないように、必死に俯きながら廊下を駆け抜けた。頬を伝う涙は丸い粒になり、顎から廊下に落ちていく。階段を駆け上がり、人のいない、屋上前の階段にズルズル崩れ落ちるように腰掛ける。壁に寄り掛かって涙を拭い、泣きやもうと天井を仰いだ。このまま泣き続けたんじゃ、目が腫れて教室に戻れなくなる。何とかして泣きやまないと……。「イチゴ味とレモン味、どっちがいい?」突然、階段の下から声が聞こえ、あたしは驚いて壁から頭を上げて下を見下ろす。……ハル。下の踊り場から、ハルがゆっくりゆっくり階段を上って来た。あたしはハルに泣き顔を見られないように横髪で顔を隠し、咳払いをした。「早く答えないと、あげないよ? あめちゃん」横髪の隙間からチラリと見ると、ハルの両手に1つずつ飴がのっている。
last updateLast Updated : 2025-12-29
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第33話

あたしが下唇を噛んで答えないでいると、ハルは「ほら、早く」と両手を広げたままあたしに差し出してくる。なんで、ここがわかったの?ずっとあとついてきてた……?「はい、ブー! 時間切れ~。時間内に答えなかったから、篠原はこれな」ハルは飴を左手に持ち替えると、右手でズボンのポケットをまさぐり始めた。ポケットから出てきたのは、マスカット味の飴だ。あたしの、好きな味。どうせ受け取らないだろうと思ったのか、ハルはマスカット味の飴を、階段で膝を抱くあたしの腕の隙間からポトリと飴を落としてきた。あたしのお腹が、飴をキャッチする。ハルはあたしの隣に来ると、ストンと腰を下ろしため息をついた。「遠足のおやつ、篠原だけに特別にやったんだから感謝しろよな。超貴重なんだから」「は? これ、遠足のおやつなの? 遠足、まだ先じゃん。もう買ったの?」あたしが眉を寄せて聞くと、ハルもあたしと同じように眉を寄せた。「すぐ腐るもんじゃないから、いつ買ったっていいだろ?」「どうせ、遠足までもたないくせに」「うん、もう既にない。また買いに行かなきゃ」「相変わらずバカだね。何やってんの?」あたしは鼻で笑ってハルを見た。「バカなのは篠原じゃん。そんな目腫らしてたんじゃ、当分教室戻れないじゃん」ドキッ……。泣いていたことがバレて、心臓がヒヤリとした。「そのまま戻ったら、また色々聞かれると思うよ? 泣いた理由、あれしかないから」さっきの会話、聞いてたんだ。聞いてたから、ここまであたしを追いかけてきたのか。ちゃっかり慰めようと、あたしの好きな味の飴くれるし。ハルはバカだけど、バカじゃない。「まぁ、俺がここに来たって何も言ってやれないけど、ひとりよりはいいかなと思って?」ハルが、少し照れくさそうに顎を突き出しながら言う。ハルは本当に優しい。桜の木の下でもそうだけど、あたしが柊のことで傷ついていると、いつも側にいてくれる。心強い。
last updateLast Updated : 2025-12-30
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第34話

「はぁ……1時間目、ここでサボるかなぁ」あたしがため息交じりに言うと、ハルはあたしを見て苦笑した。「あとで先生に怒られたら篠原のせいだからな」「別に付き合ってなんて言ってないじゃん。今すぐ戻れば間に合うでしょ?」「い~や。戻らない」頑なにハルが言うので、あたしは眉を寄せて笑った。「1時間目英語じゃん。英語の授業受けるんだったら、ここで篠原と話してる方が何千倍も楽しいわ」またあたしが鼻で笑うと、ハルも鼻で笑った。「っつーか、突っ込めよ!」「なにに?」「何千倍ものとこ!! 実際、そんな楽しくねぇだろ」「じゃあ、教室戻んなさいよ!!」「い~や、戻らない」どうでもいいやり取りをしていると、1時間目開始のチャイムが鳴り響いた。「「あ……」」と、ハルと声が重なり、ふたりでお腹を抱えて笑う。さっきまで落ち込んで泣いてたのに、ハルのおかげで少し気分が軽くなった。また柊の顔を見たら思い出して辛くなるんだろうけど、こうやって悩みを軽くしてくれる友達がいる。付き合っていた過去にこだわるからいけないんだよね?片想いから。最初から恋を始めたらいいのかもしれない。恋の、再スタートだ。待ちに待った遠足がやってきた。ずっと楽しみに待っていたのはハルぐらいだと思うけど、あたしも、少しだけワクワクしていた。遠足の場所は、高校生にもなってあまり行かないような、バスで2時間ほど走ったところの大きな牧場だ。この田舎には、遠足で行けそうなところは近所にある緑の広がる公園か動物園。そして、今回行く牧場くらいしかない。都会の高校生だったら、もっとおしゃれな場所にいけるんだろうな……。っていっても、都会の高校生がどんなところに遠足に行くのか、全くわからないけれど……。あたし達は学校指定の紺色のジャージで集合して、クラスごとにバスに乗り込んだ。天気は快晴。太陽を隠してくれる雲も少なく、朝から高い気温に汗ばみ、ジャージの袖を肘まで捲りあげた。あたしとマキは後ろから2番目の席に座り、ハルと柊はあたし達の後ろに座っていた。バスが発進したと同時に、反対側の席に座ればよかったと後悔する。
last updateLast Updated : 2025-12-30
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第35話

太陽の傾きの加減で、あたしが座った方の窓からサンサンと太陽が照らしてきたんだ。窓際に座ったあたしは、眩しくて目を細めてマキに「暑い」とふて腐れて言う。その時。シャッと、カーテンが勢いよくしまった。「暑いならカーテン閉めろよ」後ろから身を乗り出してきたハルが、あたしが眩しくないようにきちんとカーテンをしめてくれる。「えー。カーテン閉めたら外が見れなくなるじゃん」「おまっ……。人がよかれと思ってしてやったのに」あたしが振り返って言うと、カーテンをしめてる途中のハルが眉間にシワを寄せギリギリと歯ぎしりをした。そして、カーテンのレールが外れそうな程の勢いで、全開にする。一気に目に直射日光が当たり、一瞬目の前が白くなる。「篠原なんて真っ黒に焼けてしまえ。ついでにそのチョコもドロドロに溶けてしまえ!!」「お!! チョコだ!!」ポトンと頭上から落ちてきたのは、あたしもおやつに買おうと思っていた生チョコだった。だけど、絶対に溶けると思ったから、チョコ関係は買わなかったんだ。「溶ける前に食べてしまえ!! いっただっきまぁ……え……」小さな包み袋を開けようとしたら、中のチョコがグニャリと潰れてしまった。「既に溶けてんじゃん!!」まだ出発したばかりなのに、もうチョコは溶け始めていた。「もう食えないから、全部篠原にやる」「ちょ!! えっ!?」ボトボトボトと、頭上からチョコが4,5個落ちてきて両手で受け取った。「責任もって食えよな。それ高いんだから!!」「普通、この時期にチョコを持ってくる? 冬ならまだしも。それになんであたしが責任持たなきゃなんないのよ!!」「買う時に俺を止めてくれなかったからだよ」「はぁ!? 知らないし!! そもそもお菓子買う時一緒じゃなかったじゃん!!」「……プッ」
last updateLast Updated : 2025-12-30
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第36話

子供のようなやり取りを続けていると、突然柊が笑いだした。あたしはアチャ~と顔を歪め、徐々に徐々に座席に身を隠して目だけで後ろを見た。「ホント、飽きないよ。おまえら見てると」柊が手の甲を口につけ、笑っている。日差しに照らされた柊の肌が、白く輝いていた。「古賀くん。ずっとこの人達の側にいたらたまに嫌になる時があるよ」あたしの隣に座るマキが、呆れ気味に言う。「毎日言い合ってるんだから。それも、どーでもいいことばかり。あたし、そろそろ止めに入るの引退するから、あとはお願いね古賀くん」「止めに入んなきゃいけないの?」柊がマキに聞き返す。「だって、止めに入んなきゃ永遠に続くんだよ? 話題変えてずーっと言い合ってるんだから! 疲れるったらありゃしない」冗談めかしてマキが言うと、柊はまたプッと吹きだし困ったように眉を寄せた。「そりゃ、大変だ」トクントクントクン。柊の穏やかな声が、あたしの鼓動を包み込む。恋を再開すると決めて、少しだけ気分が楽になったような気がする。また、見て欲しい。柊に気に入ってもらうには、どうしたらいいだろう。気持ちを隠しつつ、だけど少しだけ積極的に行動して。彼のひとつひとつの行動にときめくんだ。片想いも、悪くはない。牧場に到着すると、バスから降りた途端、餌の匂いや動物独特の匂いに包まれた。あまり気分のいい匂いではないけど、目の前に広がる緑の濃い牧場に少しテンションが上がった。お弁当やペットボトルの入った青いリュックを背負って、早速自由行動。あたし達は、4人で行動する。柊は他にも一緒に回ろうと誘われてるみたいだけど、ハルが柊と肩を組んで離さないんだ。それはきっと、あたしの為……。
last updateLast Updated : 2025-12-30
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第37話

「ねぇねぇ、ソフトクリーム食べようよ!!」あたしの隣を楽しそうに歩くマキが、テンション高めに言った。「うん!! ここに来たら、まずはソフトクリームだよね!!」あたし達は大きく頷き、売店へ急ぐ。ここの牧場はソフトクリームがとてもおいしいと評判なんだ。濃厚でなめらかで。旅行客も、必ず食べてるみたいだし。ここでしか食べることのできない、貴重なアイス。あたし達はアイスを歩きながら食べ、柵の向こうで野放しにされている牛を見たり羊を見たり、牧場に来てみたら結構楽しい事ばかりではしゃぎまくりだった。楽しい時間はいつもあっという間に過ぎてしまうから不思議だ。まだ少ししか牧場内を見て回っていないのに、もうお昼。あたし達は芝生の木陰を探して、そこでお弁当を広げた。マキの持って来てくれた、可愛い猫のイラストのシートの上に4人座る。4人座るには少し小さいけど、お弁当がシートの上に乗っていればそれでいい。「あれ? 古賀、おまえコンビニのおにぎりとサンドウィッチなの? 弁当は?」柊のリュックの中から出てきたコンビニの袋を指差し、ハルが聞いた。「ああ、俺、いつもこうだよ。遠足だからって別に弁当は持って来ない」不思議そうなハルに向かって、柊が軽く肩を上げて答える。あたしとマキは、それに対して驚きはしなかった。中学の時も、そうだったから。いつも、コンビニで買ってきた菓子パンとか惣菜パンだった。いつだったか、柊にどうしてお母さんにお弁当を作ってもらわないのか聞いたことがあるけど、その時は「みんなの前で弁当を広げるのが恥ずかしいから」と言っていた。それは少しわかるような気がする。
last updateLast Updated : 2025-12-31
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第38話

マキのお弁当は、いつも色どりがいいし、ミートボールとかもそのままじゃなくて可愛いつまようじがついて入っているから、すごく羨ましいんだ。あたしのお弁当なんて……。「大きな唐揚げ。なんか懐かしいな」柊にお弁当の中身を覗き込まれて、思わず赤面。そう。お母さんは、遠足など、特別にお弁当が必要な時には必ず大きくぶつ切りにした唐揚げを入れるんだ。あたしの大好物だからよかれと思ってしているんだろうけど、もう少し大きさを考えて欲しい。いくら好きでも、あたしは女子高生だ。少しは、お弁当の見た目だって気にする。「俺、好きだよ。雪羽の弁当。いつも豪快で」そう言って、柊が笑う。笑いながら言うってことは、からかってるってことじゃん。あたしは、自分のお弁当を隠すようにシートの上から両手で抱えて、大きな唐揚げをフォークで指して頬張った。ハムスターが頬にたくさんひまわりの種を溜めるみたいに、頬を膨らせて食べると、柊がハハハと爽やかに笑った。それを見たハルが、安心したかのように笑う。ハルのあたしへの気遣いが感じられて、あたしはハルに向かって小さくお辞儀をした。遠足が終わると、すぐに体育祭の練習が始まった。鐘雲高校の体育祭は6月に行われる。他の高校は殆どが2学期にあるのでよく不思議がられるけど、暑すぎない6月が体育祭には一番合っているような気がする。あたしは運動が苦手だから、学校行事の中で一番嫌な行事だけど、普段から活発なハルとマキはかなりはりきっていた。もちろん、このふたりはたくさんの種目にも出場する。あたしは、クラス対抗リレーくらいだ。体育祭には、あたしの出番は少ない。柊は……。ハルとマキと同じように、たくさんの種目に出た方がいい人。足も早いし、力も強い。だけど、HRで決めた種目決めでは何も手を挙げなかったんだ。みんな、もっと柊に出場してって言ってたのに、それを断っていた。あたしと同じく、クラス対抗リレーだけだ。もったいない。中学の頃は率先して出てたような気がするけど、高校生になったら、面倒くささが出てきたのかな?
last updateLast Updated : 2025-12-31
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第39話

「あれ? ねぇ、そう言えば柊は?」体育の授業の開始前、グラウンドに集合する中に柊の姿が見当たらなくてマキに聞いた。マキは体育服の半袖を肩まで捲り、早速準備運動をひとりでしながら、クラスメイトと見まわした。「いないね。さてはサボりか?」ウシシと笑って言ったマキは、準備運動を続ける。「サボり……」柊がサボり?体育は好きな教科のはずなのに。それに、今まで柊が授業をサボるところなんて見たことがない。どうしたんだろう……。気になる……。「な~にボーっとしてんのよ!!」「いたっ!!」一通り準備運動を終えたマキが、眉間にシワを寄せてあたしの二の腕を叩いてきた。「ほんっとに、古賀くんに直接聞けないくせに、心配だけはいっちょまえにするんだから」「…………」いっちょまえって……。あたしがブスッと口を尖らせて叩かれた腕をさすると、隣からマキの大きなため息が聞こえてきた。「古賀くん、頭痛いって言ってさっき保健室行ってたよ?」「え? 保健室?」「あんまり早くユキに言うと、あんた保健室に走って行ってそれこそ授業サボるでしょ?」……う。さすが、マキ。あたしの行動なんてお見通し。「ただの片頭痛って言ってたし、大丈夫でしょ? それより、ユキは少しでも走って体力をつけなさい。あ! その前に準備運動はしっかりしなさいよ」マキは、まるで体育の先生のようだ。あたしは「はーい」と、全く気の乗らない返事をする。今日は、バトンパスの練習のようだ。更に気が乗らない。だけど、みんな結構やる気だ。そんな中あたしだけがやる気ないのは悪いので、自分なりに一生懸命体を動かした。手足を回して、首を回して、アキレスを伸ばして、屈伸をして……。準備運動もしっかりした。
last updateLast Updated : 2026-01-01
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第40話

クラスの中で何組かに別れて一列に並び、バトンパスがスムーズに行くように練習をする。あたしは列のちょうど真ん中に並び、前の子がバトンを持って走ってくるのを待った。その間もずっと、頭の中は柊のことでいっぱい。グルグルと足首を回しながら、あたしはバトンを見ずに保健室の方ばかり見えていた。グラウンドからは、保健室は見えないのに……。それが、まずかったんだ。前の子が、「はいっ! パスっ!」って言ってる声が全く耳に入って来なくて、ハッと気づいて走り出したのはいいものの、運動神経の悪いあたしはバトンを受け取ってそのまま足が絡まり地面に転倒。豪快に膝や肘を擦りむき、クラスメイト全員の注目の的となってしまった。「篠原っ!!」ヒリヒリと痛む体を起こして地面に座りながら傷を見ていると、男子の列からハルが駆け寄って来た。「いった……」「おい! 篠原! 大丈夫か?」ハルが地面に座り込んだままのあたしに目線を合わせるようにしゃがみ、顔を覗き込んでくる。「傷、見せてみろ」ハルがあたしの膝と肘を見ると、ゾロゾロとクラスメイト達が集まってきてすぐに輪が出来た。恥ずかしい……。「歩けるか?」「うん。大丈……ッ!?」ハルに大丈夫と言って立ち上がろうとしたら、足首に激痛が走ってそのままヘナヘナと座り込んだ。「もしかして、足くじいたの?」輪の中に入って来たマキが心配そうに聞いてくる。「そうみたい……」「もう……。だから準備運動しっかりしなさいよって言ったのに」マキが腰に手を当て、ため息交じりに言う。あたしはマキに苦笑いを向けたあと、くじいてしまった足首をさする。どうしよう……。すぐ治るとは思うんだけど、今はひとりで歩けそうにないし……。
last updateLast Updated : 2026-01-01
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