「治ります。しかも、きれいに治せます」はなの言葉を聞いた途端、尚子の態度はがらりと変わった。目の奥にも、わずかな希望の色が浮かんだ。「はな、早く言ってちょうだい。私の病気、どうすれば治るの?」「腎臓を移植するんです。移植さえできれば、おばさんの体はよくなります」「腎臓を……移植?」「来希さんは今、十分なお金を持っています。お金をかけて、若くて状態のいい腎臓を用意すればいいんです。もしかしたら、今より若返って、体もずっと楽になるかもしれませんよ」尚子は一気に気持ちが高ぶった。「それ、本当なの?」はなは迷いなくうなずいた。「もちろんです。この世に、お金でどうにもならないことなんてありません。まして、今の私たちにはお金があるんですから」尚子の顔つきは、たちまち明るくなった。「そうよね、そうよ。じゃあ早く、健康で若い腎臓を探してちょうだい。腎臓移植を受けるわ。一生、病院に縛りつけられるなんて絶対に嫌よ」「安心してください、おばさん」尚子は、はなの手をぎゅっと握った。「やっぱりあなたはいい子ね、はな。あなたはうちの福の神だわ」来希がもう一度病室に戻ってきたとき、尚子とはなはすっかり打ち解け、和やかに話していた。その様子に、来希も少し驚いた。はなは、翌日の結婚式のことも尚子に伝えた。尚子は上機嫌で、明日はきちんと身支度を整えて出席すると言った。「どうやって母さんを説得したんだ?」その夜、二人はマンションに戻った。ひとしきり体を重ねたあと、来希ははなを腕の中に抱いたまま尋ねた。「おばさんに、腎臓を移植すればいいって言ったの。すごく喜んでいたわ」来希ははっとして身を起こした。「そんなこと、簡単に口にするなよ。まだどうなるかもわからないのに」以前、来希も医師に相談したことがあった。腎臓移植は、金さえ積めば受けられるものではない。適合するドナーが現れるまで待つしかなく、そのまま待ち続けて、最後まで移植にたどり着けない人も珍しくないのだ。けれど、はなは気にも留めない様子で髪をかき上げた。「お金があるのに、何を心配するの。この世では、お金さえあれば命だって買えるわ。正規のルートで見つけるのが難しいなら、ほかの手を使えばいいでしょう。来希さん、この件は私に任せて。お金さえ出せば、必ず合う腎
Read more