紫音はスマートフォンを握りしめたまま、深いため息をついて律の方へ視線を向けた。いついかなる時も冷静で、的確な解決策を導き出せる彼なら、何か良い助言をくれるのではないかと期待していた。「君がそこまで焦る必要はないさ。どんなことにも、なるようになる『自然な流れ』というものがある。二人の問題は、あえて無理に動かさず、身を任せてみるだけでいいと私は思うよ」律は穏やかながらも確信を込めた声で答えた。「腹を割ってすべてを打ち明けたからといって、別れる必要なんてどこにもない。誤解や隠し事を精算するだけで済む話だ。それに、彼女自身に落ち度があったわけではないのだから」確かに律の言う通りだった。今の時代において、過去の悲劇を引きずり続ける必要はない。互いを真摯に思い合う心さえあれば、それだけで十分なはずだ。「この問題を先送りにすれば、やがて二人の間に致命的なしこりとして残るだろう。だからこそ、まずは何もかも隠さずに話し尽くした方がいい。その上でどう進むかは、結局のところ州の覚悟次第だよ」律の分析は明快だった。もし自分が州の立場であれば、間違いなくすべてを口に出して向き合うだろう。本当に愛し合っているのなら、二人の間に壁や秘密など存在してはならないのだから。紫音は静かに頷いた。律のその真っ直ぐな考え方に触れ、改めて自分たちがこうして深く結びついている理由が分かった気がした。少なくとも、物事の根本的な捉え方や価値観が、彼と自分はぴったりと重なり合っているのだ。「さあ、気が滅入る話はこれくらいにしておきましょうか。いいニュースがあるの。私の特許、また一つ審査が通ったわ!これからいよいよ市場に出す準備に入るし、急いで新しいスタジオの立ち上げも進めなくちゃ」紫音の顔に、ぱっと明るい仕事の顔が戻った。「私と蘭の二人だけじゃもうとても手が回らないの。今の新しいプロジェクトを任せられる人もいないし、私自身もそこまでエネルギーを割ききれないわ。だから、新しいスタッフを二人くらい雇って、今よりもっと広いスタジオに丸ごと移転しようと思っているの!」紫音の専門技術は着実に成果を上げ、事業の規模も日々拡大していた。彼女がここまで仕事に打ち込むのは、自分の力で道を切り拓き、もっと多くのことを成し遂げたいという強い意志があったからだ。愛する女性がこうして己の足で自立
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