All Chapters of 義妹に溺れる彼を捨て、私は宿敵の妻となる: Chapter 561 - Chapter 562

562 Chapters

第561話

これでようやく、本当に彼女を救える……!家族の説得に成功し、今また愛する女性の心を取り戻せた。まるで世界中のすべてが、自分たち二人のために見えない後押しをしてくれているような奇跡的な巡り合わせを感じた。もう絶対に、この手を離すものか。彼女を苦しめるあらゆる理不尽から、今度こそ自分が全力で盾となって守り抜くと、州は静かに、しかし強烈に誓ったのだった。一方、その頃。拝島グループの本社では、颯馬が着実に自らの地盤を固めつつあった。入社して以来、複数の主要プロジェクトに参画し、早くも中心的な役割を果たしている。裏にどんな思惑が潜んでいようと、その有能さは疑いようがなかった。海外で長年培ってきた専門知識と手腕は本物であり、だからこそ大役を任されているのだ。息子の社内での足場が固まったと見るや否や、父である宏は颯馬の母親を伴って海外から帰国した。今回の帰国の最大の目的は、兄の正人と合流し、今後のグループ体制について最終的な協議を行うことだ。颯馬が入社して十分な時間が経った今、そろそろ明確な結果を出さなければならない。どんな手を使ってでも颯馬に後継者の座を掴ませる必要があった。拝島の血を一滴も引いていない「よそ者」の律に、これ以上会社を牛耳らせておくわけには絶対にいかないのだ。宏の帰国を受け、正人たちはすぐさま密会の場を設けた。ここ最近、会社のあらゆる実権を律に掌握され、苛立ちと焦りで頭を抱えていた正人にとって、宏の帰国はまさに藁にもすがる思いだった。「宏、待ちくたびれたぞ!一体何度連絡したと思ってるんだ」顔を合わせるなり、正人は身を乗り出して捲し立てた。「例の件、そろそろ本腰を入れて進めるぞ。颯馬も会社に馴染んできただろうし、内部の事情ももう完全に把握した頃合いのはずだ」息継ぎもそこそこに、正人は期待に満ちた声で言葉を続ける。「それに最近、母さんの体調もすこぶる良くてな。颯馬が帰国してからというもの、毎日嬉しそうにしてるんだ。全部颯馬のおかげじゃないか。だからこそ、今があいつに会社を継がせる絶好のタイミングなんだよ。俺から母さんに直接掛け合ってみるつもりだ。颯馬をトップに据える話なら、絶対に乗ってくるはずだからな」正人がここまで鼻息を荒く急き立てるのには、明確な理由があった。颯馬が実権を握り次第、正
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第562話

正人は苛立ちを隠せないように、バンッと膝を叩いた。「世間の連中は、ここ最近拝島家で続くゴタゴタを面白おかしく笑っている。だがな、一番滑稽なのは、拝島の血が一滴も入っていない『よそ者』に会社を牛耳らせていることだ!こんな馬鹿な話があっていいわけがない!」正人は身を乗り出し、食い入るように颯馬の目を見つめた。「母さんがお前を気に入って、関係がこれ以上なく良好な今、何としてでもこのチャンスをモノにしてくれ」語りかける声には、懇願にも似た必死さが滲んでいた。正人にとって、この計画が完遂し、約束の株が自分の手元に転がり込んでくるその日まで、片時も心が休まることはないのだ。颯馬は静かに、しかしはっきりとした口調で正人の言葉を遮った。「伯父さん、そのことなんですが……僕の中ではもう答えが出ているんです。僕には、グループのトップは務まりません」颯馬の口から出た予想外の言葉に、場の空気が凍りついた。怪訝な顔をする正人と宏をよそに、颯馬は淡々と続ける。「仮に今、実権を譲られたとしても僕には回しきれませんよ。目下進行中の重要プロジェクトは、すべて律兄さんが先頭に立って動かしているものです。僕の力量では到底太刀打ちできないし、口を挟む余地すらない。実力の差は歴然です」さらに颯馬は、まるで心から律を敬い、慕っているかのような言葉を紡いだ。「それに、仕事を通して分かったんです。律兄さんは、表向きは冷徹で人を寄せ付けないように見えるかもしれない。けれど、本当はすごく誠実な人です。僕に対しても一切手抜きせず、真っ直ぐに向き合ってくれている。このままいけば、いつか本当に彼自身の口から会社を譲ると言い出すんじゃないか……そう思えるほどに。だからこそ、僕にはあの人から会社を奪い取るような真似はできません」颯馬は少し困ったように微笑むと、説得するように二人を見つめた。「だから、これ以上僕に無理を言わないでください。今のポストで十分満足していますし、律兄さんは僕を正当に評価してくれていますから」「……本気で言っているのか?」呆然とする二人を前に、颯馬の『完璧な好青年』としての言葉はさらに続く。「おばあちゃんだってそうです。情に流されるような人じゃないし、能力を見極める目は誰よりも厳しい。そのおばあちゃんがグループの全権を律兄さんに委ねているのは
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