集中治療エリアを出た後、承也は莉奈の脇に力なく垂れた手を見た。彼は指先をかすかに動かすと、手を伸ばして彼女の手を握った。莉奈がわずかに身じろぎすると、彼が口を開いた。「最初の三日間、小槌は化学療法を受ける。その間はひどく体力が落ちてしまうから、俺たちは外で待つしかない。次に中に入って会えるのは三日後だ」目を真っ赤にして必死に涙を堪えている彼女を見て、承也はひとつ息をつき、一歩前に出て彼女を腕の中に引き寄せ、強く抱きしめた。「我慢しなくていい」腕の中から、押し殺したような苦しげな泣き声が漏れた。次第にその声は大きくなり、承也は胸の奥が激しく締め付けられるのを感じた。彼は手を上げ、手のひらで彼女の後頭部を包み込み、身をかがめて自分の頬を彼女の髪に寄せた。あの島へ彼女を連れ出し、三日後に戻ってこようかという考えが、一瞬だけ頭をよぎった。だが、莉奈に悔いを残させるわけにはいかない。どんな結果になろうとも、家族三人で一緒に向き合うべきなのだ。「外から一緒に見守ってやろう。俺たちがいるって、あの子にもちゃんと伝わるはずだ。三日後、小槌が目を覚まして一番に見たいのは絶対に君だ。俺と一緒に待つと約束してくれないか。小槌だけじゃない。俺にも君が必要なんだ、奈奈」腕の中にいる莉奈の身体がかすかに強張った。きつく寄せた眉の下から、再び涙が止めどなくあふれ出した。彼女の震えを感じ取った承也は、それ以上何も言わず、ただ彼女をさらに強く抱きしめた。まるで、少しでも手を離せば彼女がふっと消えてしまうのを恐れるかのように。昨夜彼女が眠った後、彼はこっそり莉奈の病室に入っていた。彼女が寝る前に飲んだ薬には睡眠作用があったため、彼が入ってきたことには気づいていなかった。その時、承也は彼女の手首に新しく巻かれたガーゼを見ていたのだ。一昨日の夕方に手当てをしたばかりで、次にガーゼを交換するのは早くても今日の夕方のはずだった。だが、そのガーゼの結び目は不格好で、プロの看護師の手によるものではなかった。おそらく、真央か直哉のどちらかが結んだのだろう。予定より早く、しかも身近な者の手でガーゼが替えられていたことから、莉奈が再び自傷に及んだ可能性は高い。真央と直哉は、看護師に知られて莉奈を刺激することを避け、自分たちで手当てをしたのだろう
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