「機嫌がいいね。」 シャワールームから出てきた暁春がバスローブの紐を結びながら言った。 彼の胸元にも彼女と同じ赤が散らばっている。 「暁春が私のとこに来てくれたからね。」 咥えた煙草に火をつける手の色気に、有美の腹の奥が重くなる。 シーツを引き摺りながら彼に近寄り膝に乗ると、甘えるようにしなだれかかった。 はだけたバスローブから覗く割れた腹筋を指でなぞり上げ、突き出た喉仏を擽るとお尻の下で小さく反応したのがわかった。 「お姉さんが何かしたんでしょう?」 下半身は反応するも、暁春自身は煙草の灰をを灰皿に落としただけで反応が鈍い。 有美は気にせず話し続けた。 「明日の食事会楽しみ。お姉さんどんな顔するかな?」仕方なく今は彼を優希に貸し出している状況だが、有美は早く返して欲しかったので、「その日」が来るのが待ち遠しかった。 暁春は煙草を消すと有美にキスをした。 「きっと下を向くだけで何も言えない。」 優しいキスに本命の優越感に浸りながら暁春の首に腕をまわす。 「またスる?」 「もうしない。明日も仕事だ。」 暁春はそう言って有美を抱き上げるとベッドにそっと下ろした。枕を整えようとしている有美の顔が不意に、暁春の手によって彼の方に向かされる。 じっと見つめてくる目は有美の顔の上を動き、目で止まった。 時々されるこの行動は昔から暁春がしてくるもので、有美の顔を食い入るように見つめると、恍惚とした表情を浮かべる。有美は彼女の顔の虜となった彼を見るこの瞬間が好きだった。 権力、財力、容姿の全てを持った男を手玉にとったこの顔と体。有美はもはや、全てを手に入れ
Last Updated : 2026-03-06 Read more