Todos os capítulos de 殺し屋は愛に復讐を誓う。: Capítulo 21 - Capítulo 30

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■㉑

疑うことは私の仕事。……だからといって、疑いすぎるのも良くはないわよね。変に勘ぐられたくない。 とりあえず今は、この人のことを少しでも探るべきだと思う。「南川先生は、家族と一緒に住まわれてるんですか? それとも、ひとり暮らしですか?」「ひとり暮らしです。……両親は高校生の時に亡くなったので、いません」そう言った私の言葉を聞いた草原先生は、申し訳なさそうに「すみません、余計なこと聞いてしまって……」と言ってくる。「……いえ、大丈夫です」私は運ばれてきた飲み物にそっと口を付ける。「ご両親……亡くなられていたんですか」「はい。……殺されたんです、二人とも」もしこの男がレッド・アイの弟だったとしたら、その事実を知っているのだろうか?それとも……何も知らない?「殺された……?」「……はい。殺されました」もし本当にレッド・アイの弟だったとしたら、何かこの事実を知っているの? それとも、本当に何も知らないの……?「そうだったんですか……」「……すみません、この話はもうやめましょうか」「そう、ですね」何か疑われたりしたら困る。そしてもし、それがレッド・アイに聞かれたりしたら……。完全に私は怪しまれるかもしれない。 不用意な発言は控えた方がいいわね……。「ケーキ、美味しそうですね」 「そうですね」「食べましょうか」この男、油断大敵ーーー。「朱里、そっちはどうだ?」「ターゲット、こっちに向かってる」「了解。 俺が行く」草原と会ったその日の夜、私たちはボスとともにターゲット抹殺に動いていた。「私はこっちからエスコートする」「よろしく頼んだ」ハルキがいる場所から離れた場所に待機している私は、ターゲットの動きを目視で確認していた。今度のターゲットは、不倫している旦那だ。妻からの依頼で、不倫した旦那に成敗を喰らわせてほしいという依頼だった。「朱里、ターゲットまだか?」「ちょっと待って。今確認してる」 目視でターゲットを確認していると、ターゲットがついに現れた。「ハルキ、ターゲットが来た」「了解」「ターゲットは現在ホテルの七階に上がってきてる。ターゲット今は一人だから、殺るなら今だよ」目視で確認出来た情報を、ヘッドセット越しにハルキに送る。「分かった。七階だな」「ええ、七階よ」さあハルキ、頼むからしくじらないでよ
last updateÚltima atualização : 2026-01-22
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□㉒

✱ ✱ ✱「南川先生!」「ん? どうしたの?」進学クラスが出来てから早ニヶ月が経過しようとしている。草原の弟かもしれないアイツと、担任を受け持ってから早二ヶ月だ。「この問題が分からないんです。どう考えてもこの答えに結びつかないんです」「どれ?見せてみて?」進学クラスに入ってきた生徒は、テストの結果を考慮して理事長が決めた中から選出された十五名が決まった。どの生徒もやる気があり、積極性のある生徒たちばかりで、熱心に授業が終わった後も放課後も、分からない問題を復習している。みんな偉いなと思いつつ、進学クラスの担任である私はいつもヒヤヒヤしている。進学クラスの生徒たちのカリキュラムは厳選された問題ばかりを扱っており、中には大学でも扱う問題も準備されている。理事長の気合の入りぶりがよく分かるクラスだ。 それほどまでに、理事長たちはうちの学校を進学校としての実績を上げたいのだろう。だからこそ、生徒たちにはより分かりやすく、より理解度を高めるためのカリキュラムが組まれている。「これはね、問題分をよく読んでみて。 この問題分に、すでに答えになるヒントが隠れてるから」「え? 本当に?」「うん。ほら、やってみて」教科書のとある部分を指差す。「あ、本当だ……。ここがヒントだったんだ」「そう。正解よ」正解が解けると、女子生徒は「先生、ありがとうございました!」と嬉しそうに走っていく。「こら、廊下は走らないよー!」「はーい!すみません!」生徒の笑顔は、とても素敵だ。私にもあった、こんな時期が。でもそれは同時に、苦しくて辛い思い出を思い出すことになる。あの時……あの時両親が殺されたりなんてしなければ、今頃私は復讐のために生きることなんてなかった。ボスにも出会ってないし、きっと幸せな人生を送っていたに違いない。こんなことにならなければ、私は普通の女としての人生を生きていただろう。 好きな人と結婚して、子供が出来て、旦那さんと幸せな家庭を築いていたかもしれない。今の私は結婚なんて考えてないし、復讐に生きることで自分を保てている。ボスがいて、仲間がいて、それが私の生き方。間違っているなんて思ってない。だからボスに認められないんだ。ボスに認められてこそ、一流の殺し屋だって思ってる。だから私はこれからも、ボスのために、そして復讐のために生き
last updateÚltima atualização : 2026-01-23
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■㉓

「あ、そうなんですね」  イタリアンのお店ね……。イタリアンを食べに行こうだなんて、今時男子なんだ、草原先生は。 「そこのお店、ナポリタンが美味しいって有名なんんですって」「……そうなんですか」 ナポリタン……か。 そういえば私も昔、母親の作るナポリタンが大好きだったな。父がナポリタンが大好きで、母親がよく作ってくれていた。 あのナポリタンの味は、今でも忘れていない。だからこそ、私はナポリタンが食べられなくなった。 食べたらきっと、思い出して辛くなると思ったから。だから私は、出来ることなら今でもナポリタンだけは食べたくない。「南川先生……どうしました?」「……え?」草原先生が、不思議そうに私を見ている。「大丈夫ですか?」「……はい、大丈夫です。すみません」草原先生は、私に微笑みを向けて「いえ」と軽く返事をする。横断歩道を渡って歩いていくと、そのお店の看板は見えてきた。「ここです」「……素敵なお店ですね」素敵な佇まいのお店はオシャレな雰囲気で、カップルや女性客も多かった。「いらっしゃいませ」と、にこやかな女性の店員さんが「こちらにどうぞ」と、席を案内してくれる。その後、お冷とおしぼりを持ってきた店員さんは「ごゆっくりどうぞ」と、厨房の方へと歩いていく。「美味しかったですね」「そうですね」結局ナポリタンを食べられなかった私は、別の料理を注文した。草原先生に気を遣わせないように、ナポリタンを食べれられないという話はしなかった。 まあ、話すようなことでもなかったな、と思ったけど。「あの、南川先生」帰る雰囲気だったような流れだったのに、草原先生は私を呼び止める。「はい?」「もう一件、別のお店で飲み直しませんか?」まさかの誘いに驚いた私は、どうするか悩むような仕草を見せる。「えっと……」(どうする、私……? どうすればいい?)「すみません、わがまま言って。 でも俺、あなたともう少し一緒にいたいんです」「……え?」(それ……って、どういう意味……?)「俺……あなたのことが気になってて。だから、その……」(え……? それって……?)いや、そうとは限らないわ。 油断してはダメよ、私。しっかりしなさい、私!「その……南川先生のこと、もう少し知りたいんです」そんな真剣な表情でそんなこと言われたら、断れな
last updateÚltima atualização : 2026-01-23
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□㉔

「そうなんですか?」「はい。 もし酔っ払ったら、介抱してくださいね?」「はは、参ったなあ」草原先生はなんとなく、嬉しそうに笑っているようにも見える。「すみません、同じのください」「かしこまりました」先程のと同じものを注文した私に、草原先生は「南川先生、お酒結構強い方ですか?」と視線を向けてくる。「まあまあ、ですかね」「まあまあですか。 俺はそんなに酒、強くないんですよね」(へぇ……意外だわ。そうなんだ)「そうなんですね」 「お待たせいたしました」二杯目のグラスが目の前に置かれると、草原先生は私に再び視線を向ける。「……あの、南川先生」グラスを手にした私の手を、草原先生はそっと重ねてくる。「えっ……?」ふいに重なったその手になぜかドキッとしたけど、草原先生はその後「あれ……本心ですから」と話し出す。「なにが……ですか?」「あなたのことを、もっと知りたいって言ったあの言葉……あれ、本心ですから」急に真剣な表情を見せる彼に、私は「……あの、草原先生?」と彼の顔を覗き込むように見る。(何……? 一体、どうしたの?)すると彼は、バーテンダーがいないことを横目で確認し、私の顔をぐっと引き寄せる。(……え?)「南川先生……」 そして彼はそのまま、私の唇にキスをしたーーー。✱ ✱ ✱「ん……っ、あんっ」 三十分後、私はラブホテルで彼とベッドの中で身体を密着させていた。「南川、先生……っ」「朱里って、呼んで……千歳さん……」「っ……朱里」甘えたような声を漏らすと、彼は私の名前を愛おしそうに呼んだ。「んぁっ……んぅっ……」「好きだ、朱里……」唇を何度も重ねながら、彼は私に好きだと言った。  それは彼の中で、私への恋愛感情が生まれていたってこと。「やぁっ……あっあっ、あっ」「朱里……」愛おしそうに私への愛撫を続ける彼に、私は「千歳さん、もっと……」と、私から彼の唇を奪いに行く。「朱里、もう……いい?」「……うん」 理性を確実に奪っていくと、避妊具を纏った彼が、私の中にずっしりと重く沈みこんでくる。「あっ……あんっ」彼は私の腰をぐっと掴むと、そのまま私の中を深く強く貫きながら、動いていく。「ん、千歳さ……んんっ」「朱里の中、すごい気持ちいい……」私は今までいろんな男と、こうして身体を重ねてきた。
last updateÚltima atualização : 2026-01-24
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■㉕

「はい、今日の授業はここまでです。次回は次のページからになります。 次回までに復習しておいてくださーい」進学クラスの担任になってから間もなく半年が経とうとしている。それは、あっという間の半年間だった。その半年のカリキュラムのおかげか、進学クラスの生徒たちはぐんぐんと成績を伸ばしていった。テストでの判定でも確実に成績が上がっていることが分かり、保護者からもお礼の言葉が飛び交うようになっていた。進学クラスの成績が上がることで、成果が目に見えているからか、進学クラスの生徒たちも考える力も付いていきて、生徒自身も喜びを感じているようだった。「あの、先生」「ん?どうしたの?」 「ちょっと、先生に相談したいことがあるんですけど……」その日、とある生徒から私は相談を受けるのだった。「相談って……どうしたの?」その生徒の相談は、とてもではないけど人には言えないようなことだった。「実は私……母が一年前に再婚したんですけど、その再婚相手、つまり父親から……性的暴行を受けてるんです」「えっ……?!」(なんですって……?!)「でも、ずっと誰にも言えなくて……っ、でも、先生になら、言えるような気がして……」その生徒の苦痛を考えた時、私は心底腹が立った。「……お父さんからの暴行は、いつから?」静かにそう問いかけると、その生徒は「母と再婚して、半年くらい経った時です。 ちょうどその頃から、母は病院勤務が忙しくなった時で……父親と二人きりになることが多かったんです。……そしたら急に父親が、寝ている私の部屋に入ってきて、私の身体を……っ」と涙ながらに話してくれた。「……そう。そうだったんだね」こういう時、なんて言ってあげればいいのか分からない。 でもとても苦痛で、辛いことだということは分かる。女だからこそ、分かるんだ。その辛さ、その痛みが……。「私、怖くてっ……でも、怖くて抵抗出来なくて……っ」涙を浮かべながらそう話す生徒に、私は「もういいから、もういいよ。……辛いこと、話させてごめんね」とその子の肩を叩いた。「先生……私、あの人から開放されたい……。あの人から、もう逃げたいよ……」生徒の願いを叶える方法が、一つだけある。 私なら、その願いを叶えてあげることが出来る。でもそれは、あの子が願わないと出来ないことだ。「私……それを、お母さんにも言え
last updateÚltima atualização : 2026-01-25
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□㉖

私たち教師が生徒に出来ることなんて、ほんの少ししかない。   でもその中で、私たち教師が生徒のために出来ることがあるなら、しっかりとその役目を果たすべきだと思ってる。生徒を守ることが、私たちの役目だから。「でも……怖い」「大丈夫よ。今後のことは、私たちに任せて。……私たち教師は、あなたたち生徒を守るのが役目だから、ちゃんとあなたのことを守る。約束する」(あなたを絶対に守る。そしてその苦しみから開放してあげたい。あなたが幸せになるために、その道を作るからね)✱ ✱ ✱「あの……折り行って、ボスにお願いしたいことがあるんですが」その日の夜、私はボスにこのことを話した。「俺に、お願い?」ボスは私の方へと身体ごと視線を向ける。 「はい。……実は、一人抹殺したい人がいます」そう伝えると、ボスは「抹殺したい人?」と聞き返して来る。「はい。その抹殺したい相手は……うちの学校の生徒の父親、なんですが」「生徒の父親?……朱里、一体なにがあった? お前が私情を挟むなんて、珍しいじゃないか」ボスは真剣な眼差しで、私を見つめている。「実は……今日、その生徒から相談を受けました。内容は……母親の再婚相手から、性的暴行を受けているという内容です」「なんだって……? なんて卑劣な」ボスはその一言だけを呟いた。「生徒は今、かなり苦しんでいます。心の苦しみ、そして身体の痛み。……それを思うと、とてもじゃないけど辛いです」「……話は分かった。今回の件については、お前に全て任せる」「ありがとうございます」ボスは私に全てを任せると言ってくれた。だから私はやる。必ずあの子を、心の苦しみから救ってみせるの。「で、今回のターゲットの抹殺方法は?」私はその問いかけに一旦間を開けて、「……今回は、警察の手を借ります。警察の力を借りて、ターゲットを社会的に抹殺します」と答えた。「そうか。……朱里、お前は素直で良い子だ。必ず、俺の役に立ってくれるんだろうな?」「……はい。もちろんです」そう答えた後、ボスは私の身体をぐっと引き寄せてそのまま唇を重ね合わせてくる。「ん……」ボスとのキスは、いつもほろ苦いチョコレートみたいな味がする。「さすが朱里だ。この仕事が終わったら、またお前を抱いてやる。 お前の満足行くまで、抱いてやるよ」「……はい。期待しててくださ
last updateÚltima atualização : 2026-01-26
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■㉗

私は再び「再婚相手の父親は、建築家だと聞いています。 お母さんは、看護師さんだそうです」と答えた。「……そうですか」「とりあえず、お母さんにこのことを話すことにしています。 お母さんには、個別で学校に来てくださるように連絡を入れています」「そうですか。分かりました」この男の考えていることなんて、分からない。だけど、同じ年代の先生として、相談する価値はあると思った。「……それで、今後のことなんですが。河上さんをまず、安全な場所に避難させたいんです。 私たち教師が出来るのは、まず河上さんの身の安全を守ることですし」「そうですね。確かに、あなたの言う通りだ」「……それでなんですが、このことを警察にも話した方が、よろしいのではないかと」そう伝えた後、草原先生は「警察に?」と不思議な顔を見せる。「はい。……彼女がされていることは、法に反することです。ましてや、彼女の心を深く傷付け、そして彼女の身体を弄んだ。 私はそんな人のことが、許せません。 だから今回は、警察に相談して、まずは彼女を守ることを優先したいんです」私の思いが伝わったのかは分からないけど、草原先生は「……そうですね。確かに、その方がいいかもしれませんね」と、私の意見に同意してくれているようだった。私は彼に語りかけるように、「彼女は酷く怯えています。そして……父親が憎いと、許せないと、私に言いました。 彼女の気持ちを尊重すると……私たち教師がまず、河上さんにしっかりと向き合わないといけない。そう思ったんです」と話した。「……南川先生」「お願いします、草原先生。私に……力を貸してください」私は草原先生に涙を流しながら、頭を下げた。全ては彼を抹殺するため、ただそれだけが目的だ。だからそのためなら、私はなんだってする。泣くことなんて簡単だ。「顔を上げてください、南川先生」彼は私の肩をそっと叩く。「もちろん、協力します。僕も今は、この学校の教師ですから。……何より、大切な家族にそんなことをする人が僕も許せません。助けてあげたいと、本当に思っています」「……ありがとう、ございます」さて、この男を利用して、私はターゲットを社会的に抹殺する。もし本当にこの男があのレッド・アイの弟なんだとしたら、何かしらレッド・アイに情報を与えて殺し屋として動かすはずだ。もしその時……彼が関わったら、
last updateÚltima atualização : 2026-01-27
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□㉘

データを確認した雅人は、「朱里、コイツ何者だ?」と聞き返して来る。「今回のターゲットよ。コイツ、最低野郎なの」「最低野郎? どういうことだ?」私はパソコンを操作しながら「コイツ、うちの学校の生徒の父親なんだけど、うちの生徒に性的暴行を加えてる最低野郎なのよ」と伝えると、雅人は「ゲッ……マジかよ」とドン引きしている。「マジよ。今回のターゲットはコイツを社会的に抹殺すること。ボスの許可は得てるから」「……了解、すぐ調べてみる。データ送ってくれ」「今送った。早急によろしく」「時間は?」「……出来れば今日の夜十時までにお願いしたいの」でもどれだけ無茶なお願いでも、雅人はやってくれるのよね。 「十時……また無茶だな」そんな雅人に、私は「あなたなら出来るでしょ?」と付け加えた。「まあ、イケるっしょ多分」「やってくれたら、後でキスしてあげてもいいよ?」 雅人は「はあ?!いらねぇから!」と言ったので、「そう? じゃあよろしくね」と電話を切った。「さすが雅人ね」 さすがにキスでもなびかなかったか。「……さ、とっとと進めないとね」私はその後、河上さんと一緒に警察署へと向かったのだった。警察に事情を話した後、河上さんを一旦私の家で面倒見ることにした。お母さんは今日も仕事が忙しいらしく、帰りが遅く、今家には父親がいるとのことで、さらに危険だと判断した。その日私は、河上さんを私の家へと泊めることにした。「河上さん、くつろいでていいからね」  「……ありがとうございます、先生」河上さんの表情は少しだけど、明るく見えるような気がした。心の傷は癒えるのにものすごく時間がかかるし、すぐに忘れるなんて無理な話だけど、少しでも笑顔になってほしいと思っている。「あの、先生……」「ん?」お湯を沸かしながら、私は河上さんの方へと視線を向ける。「……本当に、ありがとう」「いいんだよ、気にしなくて。河上さんが辛い思いしてるんだから、先生はそれを助けたいだけ」河上さんという小さな存在を、私たちは見逃してはいけない。「……っ、うぅ……ん……うぅぅ……」私は河上さんの身体を抱き寄せると、「いいんだよ。たくさん辛い思いしたんだから、たくさん泣いていいんだよ」と背中を擦る。「ふぅ……んん……」河上さんの苦しみを分かってあげないとイケないのは、私たち
last updateÚltima atualização : 2026-01-27
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■㉙

「どういうこと?」「河上は十五年前、職場の同僚をナイフで刺して重傷を追わせたらしい。本人は警察と検察で同僚と仕事のことで揉み合いになり、腹を立てて殺そうと思ったと供述したらしい。 その供述が決め手となり、検察に立件され、そのまま刑務所行きになった」(なるほど……。河上は前科の持ち主だったって訳ね。 それで今回は、義理の娘に性的暴行……。全くもって許せない。ほんとにクズすぎる)「前回は一応、執行猶予が付いていたようだけど」(は?なんで執行猶予付きだった訳……)「……そう、分かった。調べてくれてありがとう。また何か分かったら、教えてほしい」「分かった」雅人との電話を終えた私は、スマホをポケットに仕舞い込み、バスタオルを手にバスルームへと向かう。「河上さん、バスタオルと着替え、ここに置いとくからね」「あ、ありがとうございます」河上さんが救われるには、アイツを社会的に抹殺するしかない。 前科があるって分かっただけでも、ありがたい。「河上さん、お湯加減どう?」「はい。すごく気持ちいいです」「そっか。なら良かった」河上さんが笑顔になってくれたら、私たちは救われる。河上さんが傷付かずに生きていけるようになるなら、私はそれだけで救われる。「……そうだ」一応、草原先生にもこのことを話しておいた方がいいかな……。一応副担任だし、今回のことで協力してもらってるし。「もしもし、草原先生?」「南川先生、どうされました?」「遅くにすみません。……実は、一つ伝えておきたいことがあって」 私は草原先生にさきほどの事実を告げた。「……なるほど。前科者、だったんですか」「はい。……そうみたいです」草原先生は少し黙り込むと、「このこと、明日お二人にも話しましょう」と私に言ってくる。「私も、今それを言おうと思ってました」「お互い、考えてることは同じみたいですね」草原先生のその言葉の意味がどういう意味なのかは、分からないけど……。でもこれで、抹殺する方法は見えてきた気がする。「じゃあ、明日……よろしくお願いします」「分かりました。……では、おやすみなさい」「おやすみなさい」電話を切ろうとスマホの通話ボタンを押そうとしたその時、草原先生が「あ、そうだ。南川先生」と私を呼び止める。「はい?」「今度、兄を紹介させてください」「……え?」
last updateÚltima atualização : 2026-01-28
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□㉚

「ええ。あなたのお父さんは、十五年前に殺人未遂で逮捕されていた。 警察でも検察でも罪を認めて、刑務所に服役していたらしいの」「……まさか、そんな……」そりゃあ、信じたくない。でもそれが真実であって、それ以上のものなんてない。でも彼はそういう男だ。罪を犯した人間だからこそ、法に罰せられた。それが本来、正しいやり方なんだ。なのに私の両親を殺したアイツは……未だに罰せられてないし、ずっとのうのうと生きてる。レッド・アイは生きてるし、今もなお殺し屋として存在する。 レッド・アイの存在はとても恐ろしいものなんだ。アイツを殺して復讐したら、私の役目は終わる。……でもその日が来る日は、確実に近づいて来ている。「……先生? どうしたんですか?」「え……? あ、ごめんなさい。ボッとしてたわね」レッド・アイは私の最後の敵。私が復讐しなければならない男だ。その日が来るまで、私は必ず生き延びる。アイツが犯した罪を……必ず暴いてやるの。「河上さん、明日、このことをお母さんにも話そうと思うの。……いいかな?」「……はい、話してください。 悪魔みたいなあの人を、私たちから開放したいです」河上さんの澄んだ瞳から見えるのは、強い決意。……そして、憎しみに対する深い願いだ。だから私はアイツを、法ではない方法で罰するの。同じような方法で、罰する。そして翌日の放課後ーーー。「河上さん、本日は忙しい中、わざわざご足労させてしまい申し訳ありません」河上さんのお母さんは「いえ……。娘のことで、何か話があるんですよね?」 と問いかけてくる。「ない。河上さんも間もなく来られますので、座ってお待ち頂けますか?」「分かりました」 私と草原先生と三人で、教室へと集まった。 そこへ河上さんが「先生、お待たせしました」と教室に入ってくる。「河上さん、座ってくれる?」「……はい」二人が揃った後で、私は河上さんと河上さんのお母さんに今回の出来事の全てを話した。河上さんの父親が前科者だということも、包み隠さずに伝えた。「……娘が、そんな目に遭っていたなんて、知りもしませんでした」お母さんは涙をこらえながら、声を震わせてそう呟いた。「ごめんね……杏咲実……。ごめんね……っ」「お母さん……」河上さんの手を握りしめながら、お母さんは河上さんに向かって「杏咲実……辛い思いさせて、
last updateÚltima atualização : 2026-01-29
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