家に着いてドアを閉めても、莉亜の胸の高鳴りはまだおさまっていなかった。これまでのほのかな探り合いなど、大したことではなかった。今日、朔也が近づいた瞬間、彼女は自分の心臓が激しく鼓動する音をはっきりと聞いた。しかし、それは純粋なときめきというより、無数の感情が入り混じった複雑なものだった……彼女はすでにこの偽りの結婚のことを片付けたら海外へ行くと決めている。何より朔也は潤の兄だ。朔也が助けてくれるのが、もしも二人の関係を先に進めたいと思ってのことであれば、二人の関係はただややこしくなるだけだ!莉亜はあれこれと考え、どうやって部屋を片付け眠りについたのかのも覚えていなかった。翌朝、振動する携帯の音で目を覚ました。潤からの連絡かと思い、手を伸ばして携帯を見ると、それは自分のゴシップニュースだった。ニュースの見出しが非常に目を引く。【相馬潤と妻の莉亜は仲睦まじく、これまでの情報はすべて偽物】潤と彼女のことを、これほど強調するとは。莉亜は一瞥しただけで不愉快になったが、考え直せば、おそらくこれは薫子の仕業だろうと思った。でも、彼女は昨晩、潤と美琴に離婚するよう要求したはずだ。一晩のうちに、病院にいる薫子がこれらすべてを処理できたのだろうか?莉亜は半信半疑で、しばらくそのニュースを眺めていたが、結局何も行動を起こさなかった。どうせ彼女は潤との関係がまだはっきりと片付いていない。相馬家の面子を一度でも考慮してやれば、会社の株価も回復し、誰にとっても良いことだろう。気持ちを切り替え、莉亜はあくびを一つして、携帯を放り出し、布団にくるまって二度寝した。朔也がニュースを見たのは、ちょうど会議を終えたところだった。オフィスに戻る途中、ちらりと携帯電話に目をやると、さっきまでわずかに笑みを浮かべていた顔が、たちまち曇った。ニュースは間違いなく薫子の手によるものだ。おそらく事前に用意された原稿を記者に流し、莉亜と潤の素晴らしい愛を、これでもかと宣伝させたのだろう。彼はイライラと携帯を放り出し、椅子にもたれかかって天井を見上げた。しばらく考えた後、朔也は何かを思いつき、ある電話をかけた。午後、莉亜はちょうど家を片付け終え、新しく買った家具をすべて配置したところだった。いつ海外へ行けるかまだわからないが
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