あの時、潤が包丁で手を怪我した時は、莉亜は暫くの間辛かった。しかし、潤はただ「莉亜、君のためなら、俺はなんだってしてあげるからね」と言うだけだった。今はもう彼の本性を知っているというのに、莉亜はなぜだか胸がズキズキと痛んだ。携帯画面をスワイプし、二枚目の写真を見ると、それはオーダーした高級ブランドの箱だった。その中にあるドレスのブランドは、Fancy fairyに劣らず高級なものだ。莉亜はその瞬間、苦笑いを浮かべた。あの時、美琴のご機嫌取りのために、潤は彼女を別の高級ブランド店に連れていき、自分のデザインとそう変わらないドレスを買ってやったわけだ。さらに次へスワイプしていくと、SNSの中は全て潤が美琴のためにしてあげた内容ばかりだった。料理から始まり、美琴のために下着を洗ってあげたりする内容から、最後の各種イベント事のサプライズまで。その一つ一つは全て昔、潤が莉亜にしてくれたことだった。莉亜は胃液が逆流してくるのを感じ、しゃがんでゴミ箱に向かってえずいた。潤にとって、莉亜はこの世でたった一人の大切な存在ではなかったのだ。莉亜が持っている物は美琴も持っている。そして、莉亜が持っていない物を潤はどうにかして美琴のために手に入れていた。このような関係はもう二年も前から続いていたのだ。莉亜は体の震えを抑えることができなかった。まるで氷が張っている冷たい湖の中に突き落とされてしまったかのように、全身が凍ってしまいそうだ。彼女は心が麻痺してしまい、美琴のSNSを自分がいつの間に見終わっていたのか覚えていない。ただ、この数年間、莉亜は自分の真心を間違った相手に与えてしまったと気づいた。SNSの内容を一枚ずつスクリーンショットし、すぐに弁護士に送った。今莉亜がすべきことは、潤が美琴や自分とどのような関係であるのか、証拠を集めることだ。証拠が多ければ多いほど、自分が得るべき財産を取り戻せる確率も高くなるだろう。窓の外では雨がぽつぽつと降り、窓を叩きつけ、その音に気が塞いでしまう。その時、ピカッと稲妻が空を走り、雷の音が突然鳴り響いた。莉亜は立ち上がって窓に近寄り、漆黒になった幅広い道を見つめ、悲しみと冷たさに心が満ちていくのを感じていた。子供の頃、莉亜は雷が怖かった。雨の降る日は体を母親の
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