隼翔は落ち着き取り戻し、ソファにゆったりと腰掛けた。彼がその端正な顔に僅かな微笑みを浮かべて子供たちを見つめる姿は、見惚れるくらいに格好いい。両手に大きなクマさえ抱えていなければ。「何が好きか分からなくて、気に入ってもらえるか分からないけれど、二人の為に選んできたんだ。受け取ってもらえるかな。」一連の様子の中、ずっと彼に注目していた陽亮と夏蓮はまだ隼翔への警戒は解けていない。恐る恐る近づき陽亮は茶色のクマを、夏蓮はピンクのクマを受け取った。「「ありがとう。」」 しかしクマは二人の身長くらいある上に、その胴回りは2,3倍はありそうで、とても持ち運べない。引きずりながら一所懸命に涼禾に向かって移動している双子はとても可愛らしい。隼翔が抱えてきた時はさほどには感じなかったのだが、3歳児にとっては不釣り合いな贈り物となってしまったようだ。その様を見て眉を下げ焦り出す隼翔。今日の再会に少なからず不安を感じていた安藤夫妻と涼禾だったが、ほのぼのとした親子の対面にほっと力が抜けた気がした。「隼翔くん、予定より随分早いのだけど周りの人たちに不審に思われていないかい?」「大丈夫ですよ。ちゃんと朝一番にアトリエの視察もしてきましたし、周りには先日父が押し掛けて迷惑をかけた謝罪とお礼の為に安藤家を訪れると触れ回わらせてきました。」爽やかに答える隼翔に、一同は微妙な笑顔を浮かべた。『江崎さん(おじさん)お気の毒に。』「そんなことより、おじさんおばさん、今まで香子と子どもたちがお世話になりありがとうございました。僕としては一日も早く三人を連れて帰りたいと考えています。どうかご協力をお願います。」「おいおい、無茶を言わないでくれ。」「そうよ、隼翔くん。涼禾と子供たちはうちの子たちよ。いきなり来てそれはないわ。」「しかし……。」「あの、江崎さん。私は安藤涼禾です。申し訳ありませんが、今はこの家から離れるつもりはありません。今日はとりあえず子供たちとの顔合わせだけのつもりです。それ以上は……。」困ったような顔でおずおずとしながら涼禾が言うと、隼翔はさっきまでの勢いはすっかり失って寂しげに彼女を見つめる。「やっぱり、僕のこと覚えてない?」「ええ、すみません。」「そうか…。」部屋中に気まずい沈黙が漂う。すると、ぬいぐるみをようやく涼禾の横まで運び終えた双子が、
Huling Na-update : 2026-02-12 Magbasa pa