「そういうものさ。少なくとも僕にとっては。僕の可愛い奥さまは何が心配なのかな?」隼翔がからかうように涼禾の顔を覗き込んだ。恥ずかしくて顔を赤らめながら、わざと素っ気なく、「別に…。」と言う涼禾が可愛くて、隼翔は彼女を両手ですっぽりと包み込み胸元に抱き寄せた。髪に軽く口づけをしながら、「僕が愛する女性は生涯でただ一人。君だけだよ。」そう言うと、両手をほどいて解放し、もう一度顔を覗き込むと、今度はそっとキスをした。。涼禾は嬉しそうに微笑んで自分から隼翔に抱きつくと胸元に顔を埋めて、「私も。私も愛する男性は生涯でただ一人、あなただけ。」と小さな声で呟いた。2月に入り、涼禾達の元についに待ちかねていた知らせが入った。「モリタ製薬が倒産した。全ての特許を売り払っても大きな負債が残るらしい。」「例の感染症に関するものは瀬川グループが全て買い取った。」「社員たちは一斉に全員解雇されたが、給与未払いなども随分あって、労組と経営者側とでこれからかなり揉めるだろうと言うことだ。」隼翔の会社に颯太と健人が訪ねてきて、お互いに得た情報を共有していた。「今回の件、瀬川がかなり厳しく追い込んだらしいよ。」「聡さんかなり怒ってたからね。」「それだけじゃないよ。」健人が楽しそうな顔で話し出した。「瀬川社長は、娘さんの回復の機会が奪われたって激怒したのは本当だけど、その上に、可愛い妹の嫁ぎ先に一切の不安要素は残さない!って言ったらしいよ。」それを聞いて二人が同時に颯太へと視線を向けた。颯太は照れながらも、「ありがたい事だと思うよ。でも、僕らも守られるだけじゃなく、安心して来てもらえるように最善を尽くすつもりだよ。健人もよろしくな。」「分かってる。頑張るよ。」「で、奴はどうしている?」隼翔の問いかけに健人が答えた。「奴は経営者側に近いから、いろいろと責任追及されてあちこちから追いかけ回されているようだよ。見張って貰っているけど、さすがにこちらに手を出す余裕はないはずだ。」「ならばいいが。さっさと何かの罪で捕まってくれたらいいのに。」「全く。どれだけずる賢いのか。中々証拠が掴めないらしいよ。」「ところで、今日は涼禾はどこに行ったの?」「瀬川さんの娘さんの最後のドレスが仕上がったとかで届けに行ってくるって聞いている。」「そうか。ボディガードは?
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