「京、ちゃん……」 ――なんにも心配なんてする必要、ないよ? そう言おうとした芽生だったけれど、もしそれが京介と他の女性だったら……と置き換えて考えて、凄くイヤな気持ちになった。「引いたか?」 芽生が眉根を寄せるのを見て、勘違いしてしまったんだろう。「俺の愛情表現は重いっ言ったろ?」 バツが悪そうにそっぽを向いたまま京介が吐息を落とすから、芽生は京介の手にそっと触れた。「私も……一緒、だよ……?」「……一緒?」「京ちゃんが……他の女の人と二人きりとか……絶対ヤダってこと!」 芽生がぷぅっと頬を膨らませて見せると、京介が一瞬キョトンとした顔をして、「そうか……」と微笑んでくれた。京介のそんな表情に、芽生は心底ホッとする。「じゃあ……佐山さんは殿様をここへ連れてきてくれて……飼育用品を設置し終えたらすぐに帰っちゃうって認識でいいかな?」 解熱鎮痛剤のお陰で随分楽にはなったけれど、熱のせいでぼんやりした思考回路のまま、懸命に考えた芽生が京介を見つめたら、京介が「ああ、佐山は、な?」と含みのある言い方をする。「どういう、意味?」 京介との会話で、自分を一人にしないというのは、殿様が帰ってくるからだろうと解釈していた芽生は、京介の真意を測りかねて困惑した。「ああ。実はもうちょっとしたらな――」 京介がそこまで言ったところでチャイムの音が鳴って、話が中断する。 どうやら誰か来たらしい。(ブンブンかな?) 飼育用品を買って、殿様を動物病院へ連れに行ったにしては早すぎる気がしたけれど、京介がいつ佐山に連絡を取ったのか、芽生は知らない。案外結構早い段階で彼に頼みごとをしていたのかも知れないよね? そう思った芽生の予想に反して、京介に|伴《と
Read more