今日は相良さんと芽生ちゃんの結婚披露宴。 このメンバーで唯一〝私だけが堅気〟ということで、二人から招待状が届いた。 本当は、ここにいるみんなを呼びたいんだろうな? と思う。 だけど裏の世界と決別した相良さんに、そんなことは出来ないし、『雄相会』の面々もそれは心得ている。 千崎雄二に、「俺たちの分まで祝ってやってきてくれ」と頼まれた時は、喉元まで出かかった『一人で行けって言うの?』という言葉を寸前のところでグッと飲み込んでにっこり笑顔で「任せて」と言ってしまっていた。 いつもそう。 私は……彼が極道の世界と堅気の世界を天秤に掛けて、堅気の私ではなく、組の息がかかった雪絵さんを結婚相手に選んだ時から、大好きな雄ちゃんに、何一つ本音を言えない女になってしまった。 ――本当は雄ちゃんと結婚したい! そう言いたかったくせに、『日陰の女でいいからそばに居させて?』だなんて都合のいい女を演じて……。 結果的に雄ちゃんの心をいつまでも縛り付けて、雪絵の心を壊す悪女になってしまった。*** 出がけに、『雄相会』のみんなが私に向かって深々と頭を下げてきた。「百合香さん……俺たちの分まで、二人の門出をしっかり見てきてください」 その言葉に、何だか胸が詰まった。 託されたご祝儀袋は、私一人が参列するには多すぎる額面のお金が入っている。きっと、相良さんと芽生ちゃんには、〝みんなからの〟お祝いだって分かるはず。 本来ならみんなの想いを届けるべきなのは『姐さん』と呼ばれる雪絵さんであって、私じゃない。 でも、雪絵さんは私と違って正式な『雄相会』会長・千崎雄二の妻だから……だから今日はこちらの世界とは決別して
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