「私、家も食べ物も光熱費も……お小遣いでさえ京ちゃんに負んぶに抱っこなのよ!?」「俺が構わねぇって言ってんだから気にするこたねぇだろ」「気にするよ! だってそれじゃまるで子供みたいだもん! 私、ちゃんと自分で稼げる大人だよ? 京ちゃんにいつまでもお子様扱いされるの、ヤダ!」 芽生はもうじき二十三なのだ。それは一般的には大人の女性として扱われる年齢だし、実際京介以外からはそうされている。「ことあるごとに京ちゃんが私のことを娘みたいに扱うのもイヤ! 改めて欲しい!」 幼い頃からの付き合いだから、いつまでも保護者気分が抜けないのは仕方ないのかもしれない。でも、芽生はそんな現状を打破したいのだ。「だから私、ブンブンに無理言ってお金、下ろしに連れて行ってもらったの! もちろんブンブンは反対したし、カムカム近くのATMだって危険だからって却下された」 それで佐山を説得してショッピングモールへ行ってもらったのだと付け加えたら、京介が忌々し気にガシガシ頭を掻いて、堪え切れないみたいに胸の内ポケットから煙草を取り出して咥えた。身に纏っている香りで京介が喫煙者なのは知っていたけれど、今まで芽生の前で吸うことなんてなかったから。彼が初めて自分の前で煙草に火をつけたことに、芽生は戸惑ってしまう。「さっきから黙って聞いてりゃ、ブンブンブンブン煩ーんだよ」「……え?」 煙と一緒にを吐き出された京介の言葉の真意が分からなくて、芽生は落ち着かない気持ちで彼を見上げた。「アイツの名前は佐山だろ。なに親し気にあだ名で呼んでやがる」 万札を差し出したままの手首を京介にグッと掴まれて、ハラハラと紙幣が床に舞い落ちる。それを視界の端に捉えながら、芽生は京介を見詰めることしか出来ない。「そういう不用意な言動のせいで、組ン中でお前ら二人がなんて呼ばれてんのか知ってんのか? あ?」 掴まれたままの手首に力が込められて、
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