「ありがとうございます。母は疲れが出て休んでいます。私ももう少し休みますので大丈夫です。」落胆と安堵という複雑な心境の凛華は、よそよそしい態度でオーロフに返事をした。彼もまた淡々と、「わかった。」と一言答えて、枕元の椅子に座ると持参した鞄から書類を出して読み始めた。この人は何をしているのだろう。凛華はオーロフの様子を不思議そうに見ながらもう一度言った。「あの、私たちは大丈夫ですから……。」「さっき聞いた。」「だったら…。」「私の事は気にせずに休めばいい。芙美華が起きるまでここにいる。」「………。」『あなたがそこにいると気になって休めない。』と言う言葉を声に出せずに、凛華は戸惑っていた。すると、またドアがノックされ返事を返す前にドアが開いた。「こんにちは。お邪魔します。」可愛らしい声と共に、凛華と同じ年頃の少女が入ってきた。「あっ、本当に目が覚めたのね。こんにちは、はじめまして。私はフレイヤよ。凛華、大変だったわね。」「!?フレイヤ?……ああ、はじめまして。」「パパ、やっぱり。さっき看護師さんから凛華が目覚めたって連絡が入ったの。でもパパのことだから無愛想に居座っているんじゃないかってママが心配してたのよ。パパ、女性2人が休んでいる所に面識もない男性が居座ってたら休めないでしょ。私が変わるからもう帰っていいわよ。」「そうなのか?私は凛華の叔父だぞ。芙美華の義兄でもある。なぜだめなんだ。」「もう。女の子の気持ちが全く分からないんだから。ダメなものはダメなの。ここは私に任せて仕事でも家でも行ってちょうだい!」「家に行くって……。わかったよ。ここは君に任せるよ。頼んだよ、フレイヤ。また改めて来るよ、凛華。」「はい、ありがとうございました。」オーロフが部屋から出ていくと、凛華はほっと一息ついた。その様子を目敏く見ていたフレイヤは、「ごめんなさいね。緊張したでしょう。娘が言うのもどうかと思うけど、パパってちょっとカッコいいでしょ。それに威圧感もあるし。初対面ですぐ近くにいられるとちょっと…ね。本当はちょっと天然で優しいのよ。だから警戒しないであげてね。」「……、はい。」「あなたのパパもとっても素敵な人よ。でもね、女心が分からない所は兄弟ね。つまらない意地を張って会いに来ないの。そのくせにしょっちゅう様子を聞いてくるのよ。」
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