Todos os capítulos de 腐女子の私、推しカプのはずの美人上司に抱き枕認定されました。: Capítulo 61 - Capítulo 70

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第六十一話:新しい関係

「こずえ……結婚を前提に、付き合ってほしい」それは、いつものように貴生さんと食事をしていた時だった。突然、差し出された小さな箱が、ドラマのようにパカッと開かれる。そこには――指輪があった。あの日から変わらず、私は毎週末、貴生さんと食事をしている。そして何故か、今も野宮邸に住んでいる。一週間が経って帰宅しようとした時、麗子様と野宮会長に引き止められたのが始まりだった。貴生さんは毎日帰りが遅く、顔を合わせるのは帰宅後のほんの少しだけ。その代わり、転勤するまでは毎日、麗子様付きで会社まで送迎されていた。Reiko Nomiyaに異動してからは毎朝一緒に出勤し、職場ではいつの間にか“未来の社長夫人”扱いだ。(……今更だけど)私、完全に外堀埋められてるよね?そう思いながらも、麗さんとの別れから立ち直れたのは、間違いなくこの家のおかげだった。何故、みなさんがこんなにも私に良くしてくれているのかは分からないけど……。それでも、ここで過ごす時間に、何度も救われてきた。そして時折崩れそうになる私を、そっと支えてくれたのは──間違いなく、貴生さんだった。指輪を見つめたまま言葉を失う私に、貴生さんが静かに言う。「今は麗が好きでもいい。ゆっくりでいいから、俺と向き合ってくれればいい」……ずるい。強引に見えて、いつも一番大事なところは私に委ねてくる。私は顔を上げて貴生さんを見つめ、ゆっくりと頭を下げた。「ふつつか者ですが……よろしくお願いいたします」その瞬間。「いや……その……まだ一年と少ししか経ってないし……気が早いよな……」そう言いながら、貴生さんは指輪のケースを閉じようとした。──一拍。「……え?」手が止まり、ゆっくりと顔を上げる。「……今、なんて言った?」私は小さく微笑み、指輪ケースに伸ばされたその手にそっと自分の手を重ねた。「こずえ……いいのか?」信じられないという顔に、私は静かに頷く。「私を……野宮の家族にして
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第六十二話:野宮部長の思い

「こずえ、用意出来たか?」「はい、遅くなってすみません」バタバタと野宮邸を走る私の頭を抱き寄せて、貴生さんが呆れたように言う。「急がなくていい。ただでさえ、こずえはすぐ転ぶんだから」そう言われて、私は苦笑いを浮かべた。今日は――私の両親に結婚の挨拶に行く日だ。あの日から、早いもので半年が経った。朝帰りした私たちを、麗子様と野宮会長は大歓迎で迎えてくれた。(それはそれで、かなり恥ずかしかったけど)翌日から、私は野宮家の嫁としての心得を麗子様から叩き込まれた。おかげで、腐っていた頃が懐かしい。店でも「ついに麗子さんの念願が叶いましたね!」と声をかけられ、嫌がらせもなく大歓迎だった。なんでも、麗子様は私と初めて会った日から「貴生の嫁はあの子がいい」と言っていたらしい。どうしてそんなに好かれているのか、私には分からなかった。でも、ある時――。「貴生はね、こずえちゃんが会社の面接に来た時から、一目惚れだったのよ」そう、こっそり教えてくれた。貴生さんが出張でいない日の夕食時、ワインでほろ酔いになった麗子様の言葉だった。「え?……面接?」「そう。エレベーターで怪我をしている人が降りる階で、周りに文句を言われても、その人が無事に降りるまで待っていたんでしょう?」「あの……それは当たり前なので……」そう答えると、麗子様は優しく微笑んだ。「当たり前が出来ない人、多いのよ」「人が嫌がる仕事も、文句を言わずに引き受ける。本当にいい子だって、あの子言ってたわよ」胸が、じんわりと熱くなる。「あの子、ガサツで口が悪いでしょう?だから誤解されやすいけど、根は優しいいい子なのよ」そう言ってから、くすっと笑う。「親バカって言われちゃうかしら?それにね、私もこずえちゃんが大好き。こんな可愛い子がお嫁さんなん
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第六十三話:風の噂

両親への挨拶を済ませ、帰宅している途中――『やっほ~、こずえ。野宮部長と婚約おめでとう!』『絶倫ヤバ男と別れて、野宮部長に拾われるとか……あんた男運強すぎ!』小川さんと安川さんから、立て続けにLINEが届いた。麗さんと別れてすぐ、インフルエンザで会社を休んでいた私を心配して、二人が連絡をくれたのだ。あの時――『実は彼と別れて、ショックで……』そう送ってしまったから、大騒ぎになった。『マジ!? こずえ大丈夫?』『今すぐ会いに行くよ!』ありがたい言葉だった。でも、野宮邸は郊外にあって、すぐに集まるのは難しかった。『大丈夫だよ。私、本当にインフルエンザで……』心苦しい嘘をついた。すると『絶倫ヤバ男のくせに、こずえ振るとか生意気!』そう返ってきたので『違うの。私が……別れを告げたの』と答えた。『絶倫ヤバ男、絶倫すぎて捨てられる笑笑』『ざまぁ笑笑』容赦ない。それでも『違うの……彼は悪くないんだ』そう送ると『まあ……なんにせよ、私たちはあんたの味方だからね』『そうだよ!』その言葉に、何度も救われてきたことを思い出す。続けて送られてきたメッセージに、ふと目が止まった。『黒鷹×白鳩コンビも解散で、こずえもいなくなって寂しくなったよ~』そして――『そういえば白鳩様、今や氷の貴公子って呼ばれてるらしいよ』『あ~ね~。微笑むけど、笑わないらしいよ』『やっぱ黒鷹いないと……だよね』その先の文字が――読めなかった。ぽたぽたと、スマホの画面に涙が落ちる。その様子に気付いたのか、運転席の貴生さんがそっとハンカチを差し出した。車を路肩に止める。「こずえ、どうした?」心配そうに覗き込まれて――私はそのまま抱き着いた。「みんなからの祝福が……嬉しいだけです」そう答えると、貴生さんは何も言わず、私の背を優しく撫でた。「貴生さん……ちゃんと私を捕まえていて下さいね」そう呟くと、ゆっくりと顔が近付いてくる。重なる唇。強く抱き締められた腕の中で――私は、麗さんを想って泣いた。……でも。麗さんのために泣くのは――これが最後だと、心に決めて。
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第六十四話:寝耳に水 side 麗

「え? 貴生が婚約?」――寝耳に水だった。あの日、こずえちゃんと別れてから、僕はまた不眠症に悩まされていた。最近は強い睡眠薬とアルコールで潰れるように眠る日々だ。実家に連れ戻されてから、もう一年と少しが経っていた。あの日から一度も、こずえちゃんのことを忘れたことはない。時間が経てば、ほとぼりが冷めれば、こずえちゃんは待っていてくれるんじゃないかと――どこかで思っていた。……でも、現実は無慈悲だった。「鳩村支店長、野宮本部長が婚約なされたって、ご存知でしたか?」そう言われて、思わず声が出た。「え?」「お相手が、あの子豚ちゃんでしょう?」その蔑んだ言葉に、自分の目が冷たくなるのが分かった。「人をそんなふうに言うのは、どうなんだろうね」ぽつりと呟くと、彼女たちの表情が強ばる。この場所での僕は、“氷の貴公子”なんて呼ばれているらしい。もし、こずえちゃんがそれを聞いたら……少しは心配してくれるだろうか、なんて考えてしまう自分が情けない。あの日、泣いている彼女より家族を選んだのは――僕なのに。離れて……こんなにも苦しくなるなんて思わなかった。ねぇ、こずえちゃん。きみはもう……僕を忘れてしまったの?あの日から、僕の心は凍り付いたままだった。
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第六十五話:分からない感情と、渡米

「えぇっ! アメリカ!」それは、野宮邸で夕食を食べていた時のことだった。野宮会長が何気なく言った一言に、思わず声が出る。「貴生、婚約したんだし、そろそろアメリカ行きを真剣に考える時じゃないのか?」野宮グループの総裁になるには、海外での経験も必要らしい。しかも、一度行けば――しばらくは帰って来られない。「お父様! 今、こずえちゃんに抜けられたら困ります!」麗子様の言葉で、私はようやく理解した。結婚すれば――私も一緒にアメリカに行くことになるのだと。だから、あんな叫び声を上げてしまった。「こずえがまだ、アメリカの社交界でやっていけるか不安だろうからな……」貴生さんのその言葉で、ただついて行けばいいわけじゃないのだと悟る。何も知らなかった頃は、大富豪との恋愛に胸をときめかせていたけれど――現実は、そんなに甘くない。一般庶民の知らない知識やマナーを学ぶ毎日。正直、いっぱいいっぱいだ。生まれながらに身についている人たちの中に、これから入っていくのだから。それでも、貴生さんは言ってくれる。「無茶させて、こずえらしさがなくなるなら必要ない」そう言って、いつも私を守ってくれる。愛されている。大切にされている。……分かっているのに。時々、どうしようもなく泣きたくなる。これが――マリッジブルーってやつなのかしら。答えの出ない感情を抱えたまま、私は今日も一日を過ごしていた。
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第六十六話:朧月 side 貴生

子供の頃、世界は自分のためにあると思っていた。なんでも思い通りになり、手に入らないものはないと信じて疑わなかった。──そう、彼女に出会うまでは。本社の本部長になってから、目まぐるしく日々が過ぎていく。疲れ切った身体で帰宅すると、「貴生さん、おかえりなさい」と、どんなに遅くてもこずえは笑顔で出迎えてくれる。「ただいま」その笑顔に、重くなった身体がふっと軽くなる。……けれど同時に、どこか胸が痛んだ。昔のこずえの笑顔ではない。出会った頃のこずえは、ひまわりのように無邪気に笑っていた。俺をおちょくって、「タカピー」だの「たかっち」だのと呼んでいたあの頃の面影はなりを潜め、今はどこぞのご令嬢のように静かに微笑む。いくつ夜を共に過ごしても、こずえの心は分からない。この日も、いつものように夜を過ごし、抱き締めながら声をかけた。「こずえ……二人の時くらい、普通にしていいんだぞ」するとこずえは、きょとんと目を瞬かせる。「無理しているように見えますか?」「あー……いや、そうじゃない。そうじゃないんだけど……」言葉に詰まる俺に、「貴生さん、私は幸せですよ」そう言って微笑むこずえの笑顔は――俺には、雲に隠れた朧月のように見えた。その日は、こずえが実家に帰省していて、家には俺と母親とジジイしかいなかった。いつもはこずえを中心に和やかな食卓も、妙に静かだ。「アメリカに行ったら、しばらくご両親とも会えなくなるから……今頃、こずえちゃんは楽しく過ごしてるかしら」ぽつりとこぼした母親の言葉に、俺は箸を置いた。「なあ……本当にこのまま、こずえと結婚していいのか?」「なあに? こずえちゃん、不満そうにしてた?」首を横に振る。「いや……全く見せない。それがかえって……」言葉を飲み込む。……言わないからこそ、余
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第六十七話:決意 side 麗

「あれ? 遂に貴生、婚約したんだ」帰宅すると、姉がリビングのテーブルに置かれた招待状を手にしていた。宛名は僕で、裏には『野宮貴生 木野こずえ』と連名が記されている。会場は、都内のハウスウエディング会場だった。姉の手から奪うようにそれを取り上げ、部屋へ駆け込む。震える手で封を切ると、一枚の紙がひらりと舞い落ちた。見覚えのある貴生の字で、たった一行。『奪う気があるなら、覚悟を決めて来い』……奪う?もう、お前と婚約しているんだろう。彼女の気持ちは――お前にあるはずだろう。そう叫びそうになって、ふと気付く。貴生がこんな言葉を書く理由は一つだ。……彼女の気持ちは、まだ――。そう思った瞬間、いてもたってもいられなかった。気付けば家を飛び出し、車を走らせていた。向かう先は、麗子さんの店。──もう、いないかもしれない。そう思いながらも車を走らせると、ちょうど麗子さんとこずえちゃんが車に乗り込もうとしているところだった。慌てて車を降りる。「こずえちゃん!」ずっと会いたかった名前を、呼ぶ。その瞬間、目が合った。……ああ。やっぱり、変わっていない。僕を捉えたその瞳は、一瞬だけ熱を帯びて、潤んだ。けれど次の瞬間、振り切るように車に乗り込む。ドアが閉まり、車はそのまま目の前を走り去っていった。──まだ、間に合う。今なら、まだ彼女を取り戻せる。僕は急いで車に乗り込み、スマホを取り出した。そして、連絡先を呼び出す。「もしもし、おじい様ですか。麗です」電話の向こうの声は――。
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第六十八話:置いてきたはずの想いを呼ぶ声

『こずえちゃん!』婚約が決まり、勤務後に麗子さんのブライダルエステを受けた帰りだった。忘れようと決めた人の声が、私の名前を呼んだ。ハッと視線を向けると、遠目でもすぐに分かる。慌てた様子で現れたのは――麗さんだった。少し痩せたかな。顔色も青白い。眠れていないのだろうか。そんな考えが一瞬よぎって、すぐに我に返る。「こずえちゃん?」先に車に乗っていた麗子さんの声に促され、私は慌てて車に乗り込んだ。「どうしたの?」心配そうな声に、首を横に振る。……手が震えているのが分かった。会いたかった。大好きだった。やっと、諦めたはずの人なのに。どうして――今なの。崩れ落ちそうな気持ちを必死に押さえ込んで帰宅し、部屋に入った瞬間、涙が溢れ出した。――まだ、こんなに好きだなんて。自分の諦めの悪さに、情けなくなる。やがて涙が落ち着いた頃、外から貴生さんの車のエンジン音が聞こえた。鏡で顔を整え、何事もなかったように玄関へ向かう。「おかえりなさい」微笑んで出迎えると、貴生さんはふっと優しく笑った。「ただいま、こずえ」頭を撫でられる。鞄を受け取り、そのまま部屋へついて行く。上着を預かってハンガーに掛け、振り向いた瞬間、シャツのボタンを外す貴生さんの姿が目に入った。男らしくて、凛々しい。――こんな人に愛されている。そう思い込むようにして、私は背中から抱きついた。「こずえ? 何かあったか?」「少し……甘えたくなりました」そう言うと、貴生さんは振り向き、両腕を広げる。「それなら、正面から来てくれた方が嬉しいな」その腕に飛び込むと、強く抱き締められた。その温もりに、思わず息がこぼれる。「貴生さん……このまま、抱いてくれませんか?」その言葉に、貴生さんが一瞬息を飲んだ。「こずえ……何があった?」肩を掴まれ、覗き込まれる。私はその首に腕を回し、軽く唇を重ねた。「少し……不安になっただけです」「不安?」「はい。私……ちゃんとした奥さんになれるかなって」そう言うと、貴生さんは私を抱き上げ、ベッドへと下ろした。「こずえは、今もこれからも……ずっと俺の大切な人だ」優しい声。やがて、静かな時間が流れていく。忘れさせてほしかった。私はもう――野宮こずえになると決めたのだから。「今日……着けないけどいいか?」その言葉に、私は笑顔で頷い
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第六十九話:青天の霹靂

「こずえ、婚約式まで実家で過ごしたらどうだ?」「え?」翌朝の朝食の席で、貴生さんがそう言い出した。「あら、いいじゃない」麗子さんまで賛同する。「通勤が大変になるだろうから、送迎は俺がする」「そんな……貴生さん、今でも忙しいのに……」「貴生が行けない時は、私が送迎車を手配させるわね」私の気持ちを置き去りにしたまま、話はどんどん進んでいく。「あの……」戸惑いながら声を出すと、野宮会長が口を開いた。「婚約式が終われば、挙式とアメリカ行きの準備で忙しくなる。アメリカに行けば、しばらく日本には戻れん。だから今のうちに、家族と過ごす時間を持てという話だ。別に追い出すわけではない」「あ……そうなんですね」ほっとして微笑むと「貴生も麗子も、言葉が足らん」そう言って、コーヒーに口をつけた。「やだ、こずえちゃん。私たちが追い出すわけないじゃない!」慌ててフォローする麗子さん。その隣で――貴生さんは何も言わず、静かに食事を続けていた。不安になって、貴生さんを見る。「こずえ」「はい」「実家で、ゆっくりしてこい」それだけ言うと、ナプキンで口元を拭き、席を立った。──その日から。貴生さんは、実家に帰る日まで出張に出たまま、戻って来なかった。
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第七十話:帰省

「こずえ、おかえりなさい」「お!未来の野宮グループの奥様、おかえり」家族が迎えてくれた実家。私は実家に帰り、ほっと息を吐いた――その瞬間、気付いた。……ずっと、野宮邸で無理をしていたことに。この日、貴生さんが自宅まで送ってくれた。車内では、当たり障りのない会話しかしていない。運転する貴生さんの横顔が、どこか遠く感じた。「あの……貴生さん。私、何かしましたか?」「え?なんで?」「私のこと……避けていますよね……?」貴生さんは何も答えない。ただ、ぽつりと「実家で、落ち着いて考える時間も必要だろう?」そう言っただけだった。実家に気を遣わせるからと、家には寄らず、そのまま帰ってしまう。帰る間際――「貴生さん、ハグもキスもしてくれないのは……何でですか?」そう聞くと、そっと抱き締められた。「こずえ……。いや、なんでもない。じゃあ、婚約式までゆっくりしろよ」そう言って、額にキスが落ちる。……その横顔が、どこか悲しそうに見えた。走り去る車を見送り、私は実家へ戻った。「はぁ……」久しぶりの自分の部屋。目まぐるしかった日々が、ゆっくりとほどけていく。普段着に着替えようとクローゼットを開けると、麗さんがプレゼントしてくれた服が並んでいた。「ここにあったんだ……」ぽつりと呟く。『こずえちゃん』優しく呼ぶ声が、蘇る。少し強引で、でも――繊細で、脆くて、優しい人。……私から手を離したんだ。だから、忘れなくちゃいけない。「勿体ないけど……捨てなくちゃかな」クローゼットを見つめながら、小さく呟いた。着替え終えて部屋を見渡すと、飾られていた写真が目に入る。貴生さんと麗さんが並んで写る
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