気が付くと、私は鳩村課長と車の中だった。 「お、意識戻った?」 鳩村課長は運転しながら声を掛けてきた。 「え? 私……」 混乱していると、鳩村課長が苦笑する。 「あぁ……途中で目を開けたまま失神してるみたいだったから、麗子さんと別れて、そのまま目的地に向かってたんだ」 あははは、と笑う鳩村課長。 さすが鳩村ママ。 私の対処法をよく分かっていらっしゃる。 「ご迷惑をお掛けして、すみません」 小さくなって言うと、 「迷惑なんて思ってないよ。気にしないで」そう言われて「はぁ……」と返事をしたその時──私は視線の端に、後部座席の麗子様のお店のショップバッグを見つけてしまった。 (待って待って待って! なんであんな大きな紙袋が三つも後部座席に乗ってるの?)ぐりんっと顔を前に向け、冷や汗が流れる。いや、待って! 鳩村課長のお母さんとかお姉さんに渡すプレゼントかもしれないじゃない!ヤダ、私ったら!自意識過剰すぎ!ペチペチと軽く頬を叩く。 「どうしたの?」そんな私に鳩村課長が心配そうに声を掛けてきた。 「あはは……自意識過剰な己を律していました」そう答えると 「自意識過剰? こずえちゃんが?」鳩村課長は赤信号で止まり、私を見て首を傾げた。 「はい! 私ごとき腐った壁女が、恐れ多いことを考えてしまいまして」すると鳩村課長は少し考える顔をして 「ふぅん? でも、こずえちゃんは少しくらい自意識過剰でもいいんじゃない?」と言った。私は物凄い勢いで鳩村課長を見る。 「前から思っていたのですが……麗さんも貴生さんも、私を甘やかし過ぎです」そう答えると、信号が青になった。鳩村課長は視
Last Updated : 2026-03-07 Read more