――直也くんと二人で、近くの定食屋さんで晩ゴハンを食べた翌朝。あたしはいつもと同じ六時に目を覚ました。 長いウェービーヘアーを丁寧にブラッシングし、時間をかけて顔のアザを隠すように念入りにメイクをして、服装は今日もパンツルック。お弁当だけを作って出勤の支度をすると、あたしは玄関を出てお隣のインターフォンを押した。時刻は七時半だ。 『――はい』 「あ、由衣です。おはよ。今からおジャマしてもいい?」 『いいよ。鍵開けてあるから、上がって。朝メシはすぐにできるから』 「うん。じゃあ、おジャマします」 インターフォンが切れると、あたしは自分でドアを開けて、玄関でショートブーツを脱いだ。 ――昨夜、直也くんの買い物に付き合ってから(もちろん、ちゃっかり自分の買い物もしていた)部屋に帰ると、幸樹さんから電話がかかってきた。所在確認アプリで、あたしが外出していたことが分かったみたいだった。 『――由衣、どこかに出かけてたのか?』 「はい……。外でゴハンを食べて、ついでに買い物もしてきました」 あたしの行き先くらい分かっているはずなのに、わざわざこうして確認の電話までしてくるなんて。直也くんと再会するまでは怖くてたまらなかったけれど、今はただただウザいだけだ。……ただし、あくまで一人で出かけた、ということにしておいた。やっぱり、他の男性の気配をにおわせるのは今の段階ではまだリスキーだから。 もちろん、彼に対して怯えたフリをすることも忘れない。あの人は、あたしを怯えさせることで優越感に|浸
Zuletzt aktualisiert : 2026-02-09 Mehr lesen