おにぎり作りをあたしも手伝うと言ったのだけれど、直也くんは「いいから。お前は座って待ってな」と手伝いの申し出を断ってしまった。多分、あたしが目を真っ赤に泣き腫らしていて使いものにならないと思ったからだろう。それも彼なりの気遣いだったと思う。 十分くらいして、直也くんはおにぎりが四個盛られたお皿と、ペットボトルの緑茶とグラス二個を載せたお盆を抱えてあたしの待つ居間にやってきた。そして、あたしと自分のお茶を次いでくれた。 「――ほい、お待たせ。具はツナマヨと昆布の佃煮だけど、それでよかった?」 「うん。ありがと。いただきま~す」 あたしは空腹に耐えられず、おにぎりにガブリとかぶりつく。直也くんも、あたしが美味しそうに頬張る姿に目を細めながらおにぎりを食べ始めた。 「ん~、美味しい! こっちはツナマヨだ。具、ギュウギュウに詰まってるねー」 「お前、いっつも美味そうに食うよなー。俺も作り甲斐があるってもんだ」 彼が遠い目をしながら頬張っているのは、どうやら昆布のおにぎりらしい。ツナマヨはあたしの好物で、彼は昆布とか高菜みたいな渋い系のおにぎりが好きだった。 「……直也くん、さっきはごめんね。あたしの泣き顔はもう見たくないって言われたのに、あたしまたあんなに泣いちゃって」 「ん? 別に泣くのはいいんだよ。でもさ、思いっきり泣いてスッキリした後、美味いもん食ってまた元気になれたらそれって最高じゃね? 大事なのは気持ちの切り替えっつうか、泣いたことを引きずらねえことだ。お前はもう、それちゃんとできてん
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