医師の話では、一条は見た目こそ痛々しいものの、重いのは主に外傷で、内臓には大きな異常はないという。ただ、衝撃で骨を折ってしまっているため、しばらくは思うように身体を動かせず、引き続き入院して経過を見る必要があるらしかった。 陽菜は眠っている一条の顔を見つめた。 眠っていても痛むのか、眉間にはかすかな皺が寄っていて、頬に残る痣や擦り傷の跡を見ていると、少しでも代わりにその痛みを引き受けてあげたいと思ってし 一条を見ていると、胸の奥が何度も鋭く痛んだ。 自分はどこも怪我などしていないし、こんなにも元気なはずなのに、胸だけがどうしようもなく苦しい。 本能のような衝動に突き動かされ、一条の手に触れたい、一度だけでも抱きしめたい。 そうでもしなければ、この胸の奥から溢れてくる得体の知れない感情を押さえ込めそうになかった。 鷹宮も医師の説明を聞いたあと、しばらく病室に残っていた。 何度か陽菜に話しかけ、その様子を心配していたものの、陽菜は呼ばれてから少し遅れて気づくような状態で、そのたびに簡単な返事を返すことしかできない。「陽菜さん、君……」 最後の数分、鷹宮は何か言いたげな顔をしていた。 何度も口を開きかけては閉じる。 陽菜の意識がまるで自分に向いていないことを感じ取ったのだろう。しばらく考えたあと、小さく首を横に振り、結局何も聞かなかった。 一条に使われている薬は、本当に強いものだったのかもしれない。 面会時間が終わる頃になっても、彼は目を覚まさず、回診に来た看護師がぽつりと教えてくれた。「怪我も重いですし、お薬にも眠れる成分が入っていますから。数日してから来ていただければ、もう少し元気になっていると思いますよ」 陽菜は何も言わず、小さく頷いた。 目を覚ました一条と話ができなかったのは少し残念だった。 本当はもっと話をしたかった。 でも、一条がぐっすり眠れていることに、陽菜は少し安心もしていた。 一晩眠っていなかったせいだろう。 家に帰ってようやく、自分が思っていた以上に疲れ切っていたことに気づいた。 身体は鉛のように重く、あと一歩歩くだけでもひどく億劫に感じるほどだった。 なんとか身支度を済ませてベッドに倒れ込む。 それなのに、なかなか眠ることができなかった。 身体はひどく疲れているのに、目を閉じると浮かんでくるの
Read more