「まぁ……!」真奈美と商人の二人が驚きで声を上げた。もちろん美里も例外ではなかった。「宗助、あなたなかなかやるじゃない!さすがは自慢の息子よ!」「何て素敵なんでしょう……!まるで目の前でプロポーズを見ているみたいです!」宗助が選んだ指輪は有名ブランドのもので、真ん中に大きなダイヤモンドがセッティングされており、まるで婚約指輪のようだった。前世で美里は彼から婚約指輪をもらわなかった。彼はそのようなものは気にしていなかったし、美里もとくにねだるような図々しい真似はしなかった。「――美里」彼は美里の左手をそっと取ると、薬指に指輪をはめた。偶然か、リングは美里の指にピッタリとはまった。「……」彼女は自身の薬指で輝くダイヤモンドをじっと見つめていた。ふいに彼を見上げると、照れたように視線を逸らした。「美里さん、よかったわね!」真奈美が美里の肩をポンポンと叩いた。***その日、美里は夜になるまでずっと、宗助からプレゼントされた指輪をはめたままだった。断らなければいけなかったのに、結局彼からの贈り物を受け取ってしまったのだ。「宗助」「美里……?」美里は夕食後、一人になった宗助を呼び止めた。最近の彼の行動には驚かされてばかりだった。美里は彼の口から直接真意を聞きたかった。大事なことを何も言ってくれないのはもうこりごりだったからだ。「あなたは……どうして……」美里が口を開きかけたそのとき、宗助が彼女の言葉を遮った。「――お前は俺がまだ萌子に想いを寄せていると思っているのか」「……!」宗助の顔は不満げだった。「あの日、萌子さんと会ったでしょう」「彼女とは何もなかった。俺はもう、萌子を過去のものとしてしか見ていない」「……」美里は驚愕した。てっきり宗助はまだ萌子を好きだとばかり思っていたからだ。「最近、夢を見るんだ」「夢……?」「お前が俺の胸の中で死んでいく夢だ。夢で見るお前は血まみれで、何故かいつもすごく悲しそうな顔をしている」「それって……」もしかして、宗助も前世の記憶を持っているのか。美里は疑念を抱いたが、どうやら彼はただの夢だと認識しているようだ。そんな彼に前世の記憶を持っていることを話したところで、きっと理解してもらえないし、頭がおかしくなったと思われるだけだろう。「正直まだよくわからないんだ。俺がお前をどうし
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