「美里ちゃんは春奈ちゃんと同じ職場なんだっけ?」「はい」「へー春奈ちゃんと違ってしっかりしてるねー」「ちょっとそれどういう意味ですか!」アハハッと笑い声が響いた。春奈にせがまれて来たはいいものの、美里は早々に帰りたくなった。前世でも、初対面の人との飲み会は参加したことがなかった。このような場は自分には合わない、美里はあまり馴染むことができなかった。早く時間が終わりますように、と願いながら美里は適当に会話に相槌を打った。***二時間後、ようやく飲み会が終わり、解散の時間となった。「私はここで失礼します」「美里先輩、もう帰っちゃうんですか」飲みすぎた春奈は飲み会に参加していた一人の男性に介抱されていた。どうやら良い相手を見つけたようだ。「明日も朝早いから……」「あら、そうなんですね。それは残念です」そう言うと、酔っ払った春奈は眠りについてしまった。美里は春奈を仲のいい女性陣の一人に任せ、早々に居酒屋を出た。「あの、ちょっと待ってください」「……はい?」店を出た彼女に、一人の男性が声をかけた。ついさっきまで春奈を介抱していた男だった。「美里さん……でしたよね?」「はい、そうですが」男は顔を赤らめながら美里を見つめた。酒のせいか、それとも美里の美しい容姿に見惚れているのか。「あの、よろしければ連絡先を交換しませんか?」「……わ、私とですか?」美里は一度断りを入れたものの、相手はなかなか退かなかったため、連絡先だけならと交換を受け入れた。美里の連絡先を手に入れた彼は嬉しそうに自身について話し始めた。「実は僕、城田財閥に勤めてるんですよ」「し、城田財閥……!?」宗助の父親がトップを務める城田財閥は、誰もが知る有名企業だった。社員の平均年収も高く、高学歴ハイスペックな男性が多いことで知られている。婚活市場では人気なのだという。「社長は気難しい方で、いつも大変なんです」「それは……そうでしょうね」美里は宗助の父親を思い浮かべた。前世、彼女にとって義父だった人だが、美里は最後の最後まで彼とは親しくなれなかった。「この間、副社長にもお会いしたんです」「……まぁ、副社長に?」副社長とは、まさに宗助のことだった。「それで……副社長はどんな感じですか?」美里は興味本位で社内での宗助の様子を尋ねた。彼とは幼馴染だが、彼の
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