「ちょっと待って! レインって、レイン・グランフェル? まさかあの男? なんで? 姉様はあの男に見切りをつけたんじゃなかったの? 姉様に変な薬を飲ませて首輪や枷まで着けて弄ぼうとしてた変態じゃないの! どこがいいのよあんな変態! 姉様を監禁して一生性奴隷にしようとしてたわよ絶対! あれのどこがいいわけ? 駄目駄目! 絶対駄目! 顔だけはいいけど獣人界ではあのくらいザラにいるじゃないの! もっと他にいい男はいっぱいいるから! 目を覚まして! ちょっと優しくされたくらいで騙されちゃ駄目よ! もし本気であの男が好きなら姉様は男の趣味が悪すぎる!」 ナディアに声高に全否定されて気分が沈んでいく。ナディアは快活な性格ではあるが、こんなにはっきり滅多糞に言われるとは思わなかった。 (でもまあ確かにナディアが指摘するように、レインの言っていた「奴隷」って、性奴隷のことをなんだろうなとは思ってたけど…… というか……?) 「ナディア、レインを知っていたの?」 ナディアにレインの名字を告げたことはない。 ナディアに問いかけると、彼女は先程の勢いを抑えて話し出した。 「ええ、知っているわ。昨日はゆっくり話をしている余裕もなかったから言ってなかったけど、私も銃騎士隊とちょっと色々あってね…… 里を出た最初の頃はしばらく首都に住んでいたのよ。あの男とはそんなに接触したわけでもないけど、知っているわ」 「レインは、レインは首都に住んでいるの? 普段のレインってどんな感じなの? 何かレインのことで知っていることがあったら教えてもらえないかしら?」 今度はヴィクトリアが身を乗り出すようにして問いかけるが、ナディアはヴィクトリアとは違い、さっきまでの浮かれたような色は一切消して真顔になっていた。 「姉様、昨日も言ったけど、銃騎士隊員を番にしようとするのは絶対にやめた方がいいわ。彼らは私たち獣人を殺して駆逐して存在を消していくことこそが仕事なのよ? 殺されるわ」 殺される、とナディアはやけにはっきり言い切った。 その言葉に、ヴィクトリアの胸の内にあった罪悪感が騒ぎ出す。 (私はレインに対して、殺されてもおかしくないようなことをしてしまっている) 急にしおらしくなってしまったヴィクトリアを前に、ナディアは自分の意見を述べた。 「私だ
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