「マック隊長! どうしますか!」「マック隊長!」 三番隊長マクドナルド・オーキットはまだ動ける三番隊の部下たちや、今回のシドの処刑の応援に来ていた四番隊や五番隊の銃騎士たちに囲まれて、声をかけられていた。 輪の中には四番隊長と五番隊長もいるが、彼らは元々は三番隊所属であり、マクドナルドの部下だった。 隊長交代のために誰か良い人材はいないかと相談されて推薦したのだが彼らだった。 一番隊長は貴族や観客たちの避難の誘導にあたっているし、同期でもある二番隊長アークに至っては、先ほどのシドとの戦闘で腕を吹っ飛ばされて負傷中だ。 今この場にいる上役の中で取りまとめ役はマクドナルドしかいない。 シドが自ら鎖を破壊して暴れ初めた直後は、「絶対にシドを処刑場から出すな!」と仲間を鼓舞していたマクドナルドだったが、その後シドが突然出現した暗黒の闇の中に閉じこめられてしまい、対応を考えあぐねている最中だった。「ジュリ! 死ぬな! 私を置いて行くな! 私はどうしてもお前に面と向かって言わなければならないことがあるんだ!」 悲痛な叫び声が聞こえてきてそちらに目をやれば、銃騎士隊副総隊長でありジュリアスの親友でもある、美しき銀髪の貴公子ロレンツォ・バルト公爵令息が必死な様子で暗黒の壁を叩き、ジュリアスを愛称で呼びながら語りかけていた。 マクドナルドはロレンツォの発言の内容にぎょっとしていた。 突然出現したこの闇は、魔法使いの一家であるブラッドレイ家の誰かがやったのだろうなとは思っていたが、少し離れた場所にいる一家の面子は、父親のアークと三男と意識のない四男の三人だけだ。 次男はシドの処刑前に戦線離脱してこの場にはいないという話だったから、ロレンツォの言動から中にいると思われるジュリアスは、たった一人でシドと戦っていることになる。(一騎打ちだと? 死ぬぞ……) 今回のシド捕獲劇は二番隊の中でも特にジュリアスの肝煎り案件だったらしい。 難攻不落と言われていたシドの捕獲を成し遂げた栄誉から一転、拘束を破られたという失態を取り戻すために躍起になっているのかもしれないが、もっと仲間を頼ってくれていいのにと思ってしまう。 もっとも、先ほどのシドとの戦闘では、自分も含めてジュリアス以外の銃騎士ではシドに全く歯が立たなかった。 閉ざされた闇の中に入ってシドと一対一
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