レインは目を開けた。 見慣れない部屋の光景が視界に入り、自分はベッドに横になっていて、一瞬だけなぜここにいるのだろうとわからなくなった。 だがすぐにそれまでの経緯を思い出し、レインは部屋を見回して目当ての人物を探そうとした。「レイン、目が覚めたの?」 すると部屋の奥から心が洗われるような澄み切った美しい声が聞こえてきて、レインの頬が嬉しさで緩む。「ヴィクトリア」 愛しい人の名を呼び、レインはベッドから立ち上がった。寝起きのせいか体がほんの少し重いように感じたが、記憶が途切れる前のしんどすぎる状態ほどではなかった。 気絶する直前、魔法の効果が切れたためにほぼ動けなくなり、何とか合体はしたものの、早漏などという不本意極まりない結果になってしまい、レインにとっての初体験も当初の予定とはかなり違った終わり方になってしまった。 本当は、ヴィクトリアの破瓜の証も準備していた高級ハンカチでぬぐって一生保存しておくつもりだったのに、気を失ってそれすらも出来なかった。(あんな初体験になるはずじゃなかったのに) それまでレインはヴィクトリアを必ず満足させるべく、実践こそ自らに固く禁じていたが、知識の吸収や妄想を繰り返し、来るべき日に備えていた。 自分の本来の力はあんなものではないはずだ。早漏が常だとヴィクトリアに思われるのも困るし――彼女自身は初体験は喜んでいたようにも見えたが――必ず挽回するぞという思いをレインは胸に秘めていた。 ただ、これから始まるヴィクトリアとの新婚生活に夢や希望を抱いていた部分も多く、レインはヴィクトリアに親愛の情で接しようとした。 なのに、現れたヴィクトリアを見たレインの思考は一気にエロ方面へ動いてしまい、下半身に血が集まっていくのを感じた。 なぜならば、部屋の奥――たぶん浴室――から笑顔で現れたヴィクトリアが、バスタオルを一枚巻いただけという無防備すぎる姿だったからだ。 レインは誘われているように感じた。(抱いてくれと、初体験のやり直しをしてくれと、そういうことかな、ヴィクトリア――) ****** レインと真の番になってからかれこれ三日経つ。あれから襲撃が来ることもなかったが、首都の様子を見てくるとノエルがいなくなってしまって、現在この家にはヴィクトリアと
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