目を覚ました時、ヴィクトリアは光る砂粒だらけの空間の中を、未だに漂っていた。 ヴィクトリアは身じろぎしようとして、異変に気づく。(嘘…… 体が動かない……) この不思議空間の中に空気があるのも不思議だが、ヴィクトリアは呼吸はできていて、まぶたや眼球もかろうじてなんとか動かせた。 けれど、四肢が全く動かせなくなっていた。指先ですらピクリとも動いてくれない。おまけに倦怠感もこれ以上にないくらいに酷くて、また意識を失ったら今度こそ本当に死んでしまいそうだと思った。 ヴィクトリアは周囲の光の砂粒と一緒に、ただ空間の中をゆっくりと漂うだけだった。あたりは静寂に包まれていて、何の音も聞こえない。瞬く光の粒はあるものの、まるで時が永久に止まってしまったかのようだった。 ヴィクトリアは自分がこの不思議な空間の中に閉じ込められてしまったように感じて、やっぱりこのまま死ぬのかもしれないと思った。 そう思うと寂しさにポロポロと涙があふれて、ヴィクトリアの涙の粒が光る砂粒と共に空間を漂った。 死にたくなかった。ただもう一度、リュージュに会いたかった。「リュージュ……」 そうつぶやくと、キラキラ光る砂粒の一つが、ヴィクトリアの言葉に呼応するかのように近づいてきて、目の前で広がりだした。 風景の中にはリュージュがいた。リュージュは魔の森だと思うが、樹木の一つにもたれるようにして立っていて、物憂げな表情を前方に向けていた。 リュージュの服の襟口から、肩にかけて巻かれている包帯が見えた。右太腿には圧迫するためなのか、服の上からも包帯が巻かれている。 それらの怪我は、リュージュがアルベールと戦った時や、ヴィクトリアがリュージュと番になることを拒んで逃げた時に出来たものだ。 ヴィクトリアはリュージュがいる風景をじっと見つめながら、しゃくり上げるように号泣した。 風景の中に入って、リュージュの元へ駆けつけて全力で謝りたいのに、もうヴィクトリアには、そちら側まで行く体力は残されていなかった。 森の中にいるリュージュは、同じ場所に留まったまま、じっと動かない。(リュージュが、待ってる……) ヴィクトリアはリュージュを見て、彼が自分の帰りをただひたすらに待ってくれているのだと確信した。(リュージュが、私のリュージュがあそこで待ってる…… 帰らなきゃ。私はリュージュの
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