ヴィクトリアは里を出てからのことを順を追ってリュージュに説明しようとしたのだが、話そうと口を開いた途端、ヴィクトリアの腹がぐーっと鳴った。そういえば食事は昼に取ったが、その後はアイスクリームを食べただけでずっと何も口にしていなかった。 半日ほど何も食べていなかったと言うとリュージュは心配してくれて、夕食の残りを出してくれた。 ヴィクトリアは食事をしながら、里から逃げてからの出来事を話した。 里から逃げて何時間も経たないうちにレインという銃騎士の青年に見つかって捕まってしまったこと。 銃騎士隊九番隊砦に連れて行かれて、そこで囚人生活をしていたこと。 敵だけどジュリアスという銃騎士の青年がいて、ヴィクトリアに良くしてくれたこと。 ジュリアスにヴィクトリアが生き延びるためには奴隷になるしかないと言われたこと。 次の日にはシドがヴィクトリアを追って九番隊砦までやってきて、銃騎士隊――ジュリアスたちやオリオンという謎の魔法使いの少年によってシドが捕らえられたこと。 「ちょっと待て」 九番隊砦に現れたシドが、銃騎士隊――ジュリアスたちやオリオンという謎の魔法使いの少年によって捕らえられた話になった時、ヴィクトリアの話を黙って聞いていたはずのリュージュが口を挟んだ。 「シドが捕まったのは、お前が里から出た次の日で間違いないのか?」 「ええ、そうよ」 シドが九番隊砦に現れたのは、ヴィクトリアが里を出奔した次の日の夕刻だ。 「シドは捕まってその後脱獄しなかったか?」 (脱獄?) ヴィクトリアは首をかしげた。なぜそんな言葉が出てくるのだろう。 「いいえ、シドはその時からずっと捕まっていて脱獄なんかしていないわ。 一度だけ拘束具を外して私の前に現れたけど…… その時の騒ぎで私は九番隊砦から逃げ出してきたのだけれど、でも結局その後また銃騎士隊に捕まったみたいよ。一緒に逃げた銃騎士に連絡が入っていたから」 「それは、本当に確かな情報なのか?」 リュージュはいぶかしむような表情をしながら再度確認してくる。 (シドがずっと捕まっていたら何かおかしいのかしら?) 「そうね…… シドが二度目に捕まった時の情報は伝聞だから私が直接確認したわけじゃないけど、でも、シドが三日前に九番隊砦に現れた時から昨日砦で暴れ出すまで、ずっと捕ま
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