All Chapters of その結婚お断り~イケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~: Chapter 151 - Chapter 160

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3 レベッカ 1

 それは日付が変わり、獣人王シドの処刑が予定されている日の夜の出来事――「こんばんは、レベッカ・ライト侯爵夫人。月が綺麗ですね」 聞いただけで心が洗われるような美しい少年の声がその場に響き渡るが、後ろめたいことがあったレベッカは、かなり驚いてしまって、ビクリと大きく体を震わせた。「セ、セシル様……」 振り返り、そこにいた人物の名を呼ぶ。少年――セシルはにっこりと、完璧な微笑みをレベッカに向けた。 レベッカは次期宗主配セシルと顔見知りではあるものの、そこまで親しくはない。彼女にとっては、少年であっても美しすぎる男は苦手だったから―― セシルとはたまに会う社交場での表面的な付き合いのみである。 本来は家名で呼ぶべきなのかもしれないが、ブラッドレイ家には有名人が多く、名字だけでは誰を指しているのかわからなくなるために、本人の人気も相まって社交界では名前で呼ぶことが浸透していた。 現状ではセシルがまだ平民である気安さもあって、多くの貴族たちが彼を名前で呼んでいる。 レベッカは、はっきり言えばうろたえてしまっていた。ここは銃騎士隊本部の中でも奥まったところにある、獣人用の留置場にほど近い場所だ。 本部敷地内は一般人でも入ることはできるが、留置場付近は立入禁止だ。危険を冒してまで、あえて恐ろしい獣人が捕らえられているこの場所に近づきたがる者もいない。 まして今は、不気味にも思えるほどに丸く膨らみ橙色に鈍く輝く月が、西の空に爛々と浮かんでいる深夜である。こんな夜更けにカンテラと何かを入れた手提げカゴを持った女が一人で立入禁止区域を歩いているなんて、本部にて夜間勤務中の銃騎士隊員が気づけば、確実に職務質問されること間違いなしだ。 もっとも、レベッカは知らないが、彼女が敷地内に侵入した際に通った裏門の見張りが、その時丁度よく席を外すように仕向けて、彼女がここまで安々と入り込めるように仕組んだのはセシルだが。「わあー、何だか美味しそうな匂いがしますね! 差し入れですか? 僕も食べてみたいです! 育ち盛りすぎて、僕は夜でもよくお腹が空くんですよー」「あ、だ、駄目ですっ!」 今一番触れられたくない手提げカゴの中身についてセシルが言及する。ガシリとカゴの取っ手部分を掴まれてしまって、レベッカは自分の心臓こそが冷たい手に
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4 レベッカ 2

 ここ数日、シドが捕縛されてからずっと、レベッカは自分の過去が暴かれるのを恐れ、生きた心地がしなかった。 当たり前だ。獣人王シドと関係しただけではなくて、その子供まで産んでしまった。 レベッカは『悪魔の花嫁』だ。そのことをずっと隠して生きてきたが、いつばれるのか、その懸念は影のように常にレベッカにつきまとっていた。 自分は求めてなかったのに、あの恐ろしい赤い男に無理矢理孕まされた。どうしたいかなんて選択肢がレベッカに与えられることはなく、あの男の気紛れによって人生が歪められて脅かされ、その苦しみは今もずっと続いている。 セシルは一体どこまで知っているのか、そしてなぜ今のこの時に現れたのか。シドが捕まった直後にナディアまで捕まり、なぜ同時に処刑されそうになっているのか。わからない。わからないことだらけではあるが、自分が『悪魔の花嫁』であったことが公になれば、身の破滅が待っていることだけは確かだった。 自分が処刑されることも恐ろしいが、真実が明らかになった時の周囲の反応も恐ろしい。夫のライト侯爵は国への忠義に厚い人物であり、自分の妻がシドとの間に子を成していたなんて知ったら、自決しかねない。 夫とは平民と貴族であったが恋愛結婚だった。 獣人の里から逃げ出した後、レベッカは実家の家族にすらシドの子を産んだことは言えなかった。周りの者たちは腫れ物を触るようにレベッカに接したが、レベッカにとってはその全てがつらかった。 自分のことを誰も知らない土地へ行きたくて、村長の伝手で首都の侯爵邸の使用人の紹介状が書けると聞き、一も二もなく飛びついた。村長はレベッカが一年以上獣人の里に囚われていたことは黙っていてくれたようだった。 夫であるライト侯爵は子供の頃に領地で獣人たちに誘拐されたことがあり、激しい拷問の末に顔の全面が火傷の痕で引きつれていて、頭部の大部分は髪の毛が生えてこない。 侯爵は最上級学校を主席で卒業するほどの秀才だったが、醜い容姿のせいで女性には縁遠かった。 美しく恐ろしい獣人王とのことが心の傷だったレベッカは、醜い侯爵に対して他の若い女性たちが抱く忌避感を感じなかった。 使用人として首都の侯爵邸で働くうちに侯爵との距離が近くなっていく。レベッカは貴族が平民を選ぶとは思っていなかったので油断していた。気づけば互いの好意が丸わかりになるほどの間柄に
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5 掴み所のない男

「夫人、顔を上げてください」 セシルの声はどこまでも優しかった。しかし―― 「獣人ですからね、わかりますよ。たとえ自分の子供でも、殺したくなりますよね」 レベッカは、セシルが自分の秘密を知っているらしいことに気づいて、絶望した。 「許してください! どうかこのことは誰にも言わないでください!」 黙っていてほしいのは、『悪魔の花嫁』であることか、それとも我が子を殺そうとしたことか―― 「僕があなたの秘密を知っているのは、僕の優秀すぎる影が調べ上げたからです。 安心してください。知っているのは僕だけです。影は僕に忠誠を誓っているので、秘密を漏らすことは絶対にありません。クラウス様にも一切報告はしていません。 社交界への影響力が強いあなたと、ライト侯爵家が僕の傘下に入るのなら、あなたの秘密はずっと黙っていて差し上げます」 (脅すのか。天使のようなキラキラしい甘い顔をしているのに脅すのか……) 夫であるライト侯爵はレベッカにベタ惚れなので、侯爵がセシルを支持するように誘導することはおそらく可能だ。 返答にまごついていると、突然、レベッカの背にセシルの腕が触れた。 「!」 レベッカは気づけば、長男とさほど変わらない年齢のセシルになぜかお姫様だっこをされていた。 「あ、ああ、あ……」 レベッカは「あ」しか言えなくなっていた。 美しすぎて怖さしか感じない美少年の御尊顔がすぐ近くにあって、レベッカに極上の微笑みを向けているのだが…… (わ、私は美しい男は苦手なの! これ何の苦行!?) 「お、下ろして!」 レベッカはガタガタと震えながらも何とかそれだけ訴えた。 「大丈夫です。これでも鍛えているので」 (論点はそこじゃない! 銃騎士養成学校二年生のセシルは体力面でもかなり優秀と噂は聞いているので、落とされるとかは思ってない!) 「そうだ、このまま二人きりで真夜中の逢瀬にでも出かけますか?」 (冗談はやめて! 早く夫の所へ帰りたい!) 「あなたが僕の提案にうなずいてくれないなら、このまま攫ってしまいましょうか。二人だけでじっくりとお話をしましょう」 (ひいいっ! 無理っ! 超絶美少年と密室二人きり無理ぃっ!) レベッカの顔や手の甲には赤いポツポツが出始めていた。セシルに触れられている服
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6 セシル

 ライト侯爵夫人が無事に馬車に乗り込むまでを門の内側から見ていたセシルは、侯爵家を抱き込むことに成功した本日の成果に満足していた。 セシルはナディアの周囲を注視していたので、たまたま侯爵夫人の動向に気づけた。流れで彼女を味方につけることができたのは幸運だった。 もしも義姉になる予定のナディアと侯爵夫人が会ってしまい、料理を差し出されていたら―― 度量は広いが少々ひねりに欠ける彼女は、自分を捨てた夫人を許した上で促されるまま毒入り料理を口にしていただろう。(まあ、そんなことにならないように先手は打っていたわけだが) ナディアは最初こそ銃騎士隊本部の留置場に収監されていたが、セシルが家族全員を欺いて魔法を使い、デク人形をナディアの身代わりとして牢屋に置いているので、彼女が銃騎士隊やその他の者たちに害されることはない。 ナディア自身は現在、別の安全な場所にいる。 セシルが捏造した過去は誰にも見破れない。セシルの魔法は「真眼の魔法使い」を凌駕するほどにもなっていたので、セシル以外の魔法使いは誰も気づかないだろう。 現在父の意向により、初恋を大こじらせ中の次兄にだけはナディアが捕まったことは伏せられている。 アークに言われるがまま、セシルはナディアの存在をシリウスから隠すような魔法を使っていた。最初は魔法の力が使える家族全員から隠すようにとアークに言われたが、「そんなにいっぱいできないよー 無理だよー」とゴネて、シリウス相手にだけ隠している。本当はできたけど。 だから現在、絶対にナディアを息子の嫁にしたくない父と、絶対に弟とナディアを結婚させてやりたい長兄が、水面下でバチバチやっている。二人ともシドの拘束に魔力を込めつつ、監視の他にも仕事がある中でお互いを出し抜こうとしている。 アークはナディアを厄介払いするために、ゼウスにナディアの奴隷主人にならないかと早々に打診していた。 しかし、シリウスと同じく大こじらせ中のゼウスは拒否していた。そこで、ナディアを引き受けるようにと、今は三兄がゼウスを説得しているようだった。 ノエルとしては、「ナディアの番はシリウスとゼウスのどっち?」問題は置いておくとしても、翌日に迫った処刑をとにかく回避して、ナディアの命を救いたいようだった
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《第二部 再会編》1 ここですませろ

 ヴィクトリアを逃がした後、列車の中でレインやその他何名かの銃騎士に捕まったナディアは、拘束されたまま首都まで移送された。 連れてこられたのは首都にある銃騎士隊本部だった。敷地内の奥まった一角にある無味乾燥な建物に入れられて、本部に着くなりどこかへ行ってしまったレインに代わり、別の銃騎士と共に廊下を進み階段を下りていく。 ナディアはずっとそわそわしていた。その原因が今も胸の中にいる金髪の青年であることはわかっている。『――殺したい』 ここは銃騎士隊本部なのだから、きっと彼も近くにいると思った。会いたいような、会いたくないような。 ナディアが連れてこられたのはこじんまりとした牢屋の一室だった。廊下の照明以外は檻の中の天井からぶら下がる小さな灯りが一つだけである。牢の中は簡易的なベッドが一つと、剥き出しの便器が一つあるだけだ。 ナディアをここまで連れてきた銃騎士たちは、ナディアを檻の中に入れると、「沙汰があるまでここで大人しくしているように」とだけ告げて行ってしまった。 足音が遠ざかった後、何とか牢屋から出られないかと檻を激しく揺さぶってみたが、対獣人用のしっかりとしたものらしく壊れる気配はなかった。 檻に入れられる際、両手を前面でまとめるように拘束していた手枷が外されたことはありがたかったが、敵の総本山とも呼ぶべき場所から逃げ出すのは至難の業かもしれないと思った。 ナディアはベッドに腰かけると一つ溜め息を吐き出した。(これから取り調べとかあるのかしら?) 首都までの道中、暗い目をしたレインにずっとヴィクトリアの行き先を尋ねられたが、知らぬ存ぜぬで通した。「言わなければ酷いことになるぞ」と脅されもしたが黙秘だ。 以前首都で会った時のレインは大人の落ち着いた好青年みたいな感じだったのに、何であんなに変わるのだろうと思った。二面性が酷い。やはりあの男にだけはヴィクトリアは任せられないとナディアは改めて思った。 ******「レイン先輩!」 愛しくも懐かしい声が叫んでいるのと、腕にチクリと痛みが走ったのに気づいてナディアはハッと目を開けた。いつの間にかベッドの上に横になり寝てしまっていたようだが、牢屋の中に人が増えていた。 一人は目に剣呑な光を宿したレインで、手に注射器を持っていた。それは既にナディアの腕に打たれた後であり、レインは一本目を破
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2 鬼畜な二人

 この男がナディアに脱処女しろと言っているのはわかった。 その男というのはたぶんゼウスのことだと思う。レインを番にするなんて絶対にお断りだ。そういう意味なら全力で逃げようと思った。「銃騎士隊が『悪魔の花婿』を許容するのですか! そんなことは絶対に許されません!」 傍らのゼウスがアークに向かって正論を吐いていた。「許されるさ。お前は既にその女の奴隷主人だった。俺の権限でそういうことにしておいてやる」 子供さえ作らなければ獣人奴隷と主人の性交は見逃されている―― ゼウスとアークの会話から、相手がレインではないとわかってナディアはちょっとホッとした。「ゼウス、現状では彼女を救う方法はこれしかないんだ。お前は頭が硬すぎる。つべこべ言わずに抱いてしまえ」 そう言って、三本目の注射をナディアの腕に突き立てようとしたレインの手から、今度こそ注射器を奪ったゼウスは、それを床に叩きつけて踏み潰した。「いい加減にしてください! 俺は絶対に嫌だって言ってるじゃないですか!」 絶対に嫌――(拒否された……) 別れると自分でも決めた恋人だったが、嫌われているのかと思えばナディアは涙が出そうだった。 注射器を奪われたレインは一つ溜め息を吐き出した。「じゃあ何でここまでついてきた? 話を蹴るならそもそも来なければよかったじゃないか」「それはレイン先輩が!『来なかったら俺が「悪魔の花婿」になっちゃうかもな』とか脅すからじゃないですか!」「俺はどっちでも構わんが」 横槍を入れるように発言したアークの言葉を聞いて、ナディアは背筋が寒くなった。 レインとなんて絶対に嫌だが、一本目の薬が効いてきたようで体が上手く動かなくなってきた。抵抗は絶望的だ。 三本目の注射が何だったのかも恐ろしくはあるが、ゼウスのおかげで打たれずにすんでよかった。 ナディアは自分がまな板の上の鯉である自覚があった。自分がこれからどうなってしまうかは、状況に身をゆだねるしかないだろう。「隊長、俺は後輩の恋人を寝取ろうなんて考えたことはありませんよ」「……もう、恋人なんかじゃありません」 ゼウスが絞り出すようにそう言った。その言葉を聞いてナディアは胸が痛んだ。「ちゃんと話し合って別れたわけじゃないだろ。二人の胸にお互いの存在がまだあって思い合っているのなら、それはまだ
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3 ゼウスの選択 1 ※ゼウスアナザーエンドor本編の分岐点

 狭い牢屋の中に男女の荒い息遣いが響いていた。  ゼウスは最初こそ鋭い視線でナディアを見ていたが、現在は彼女を視界に入れないようにしているのか、背を向けて廊下を見つめながら、迫り上がってくる衝動をなんとか抑えようとしているらしかった。  ナディアもベッドの上に横たわったまま、媚薬のせいで増大していくばかりのふしだらな心と格闘していた。気を抜けばゼウスに襲いかかってしまいそうになる。  でもそんなのは駄目だ。ゼウスは嫌だとはっきり言っているのに、無理強いさせてしまったら彼を傷つけてしまう。そんなのは望んでいない。 (本当は誰よりも大切にしたかったのに……) 「……あっ…… はああっ……」  しかし天井知らずのように酷さを増していく媚薬の効果で、全身から股間から全てが熱くてグズグズで、我慢しきれずに喘ぎ混じりの声を出してしまった。ナディアは口元を手で抑えたが、喘ぎ声は呼吸をするたびに頻回に出てしまう。  声に反応したのかゼウスがこちらを振り返り、熱が籠もったような暗い視線でこちらを見ていた。 (やだ見ないでゾクゾクしちゃう) 「んっ…… ふうんっ」  ゼウスに見つめられるとそれだけでイきそうになってしまう。全身を痺れるような甘い衝動が駆け巡って、特に下腹部が熱い。 (もう駄目)  ベッドに寝そべったままだったナディアはゼウスに背を向けるように体勢を横向きにすると、スカートの前面をまくり上げてその中に手を突っ込んだ。  詳細が見えなくてもナニをしてるのかはゼウスには丸わかりだろうが、彼には何度も見せたことがあるし、今は羞恥心よりも媚薬のせいでこれまでにないくらい爆発しそうな体を何とか鎮めたかった。  ショーツの中に手を滑り込ませて割れ目をこすると、そこは既に漏れ出た愛液でぐちゃぐちゃだった。指先に愛液を絡ませてクリトリスを刺激すると、薬のせいかいつもより気持ちがいい。でも指を激しく動かそうとするとショーツが手の甲に当たって何だか窮屈に感じた。  ナディアは自慰をしやすいようにショーツを脱いで放り投げたが、それは奇しくも座り込むゼウスの目の前にぽとりと落ちた。 「ふぅんっ…… んんっ……」  できるだけ声を漏らさないように一応片手で口は抑えるが、完全に聞こえないようにするのは不可能だ。もう片方の手の指を穴の
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《ゼウスアナザーエンド 幸せな奴隷》1 雨降って地は固まったのか?

 ゼウスが雄の証を取り出したことに気づいたナディアの目はそこに釘付けになった。 懐かしい形、色、そして大好きな彼の匂い―― ゼウスはナディアが開いていた脚の中心部にそれを添わせると、ぐりぐりと花芽に擦りつけてきた。「あ、ああっ…… もうイクっ……」 付き合っていた頃と同じように攻め立てられると、幸福感と快感があふれてきて、ナディアは体をしならせて達した。 ゼウスは激しく呼吸を繰り返しているナディアの愛液に満ちた淫洞に指を添えて入口を広げ、雄の先端をぴたりと押しつけてきた。腰を進めればすぐにでも入ってしまいそうだ。「ゼウス……」 名を呼ぶと、快楽に溶けそうになりながらもこちらを咎める厳しい視線と目が合った。(ゼウスはやっぱり私を許していないのね……) 心につきりとトゲを突き刺したような痛みが走るが、ナディアは悲しみを感じながらも、ゼウスのしたいようにすればいいと思った。慰み物にしたいのならそうすればいいし、たとえ殺されることになったとしても、すべてを受け入れようと思った。 ナディアは決意を込めて目を閉じた。「あっ! あっ……!」 陰茎がナディアの中に侵入し始めて、その淫らな感覚に声が漏れた。初めてにも関わらず、媚薬のせいもあるのかナディアの膣肉は喜んでゼウスを受け入れていた。「ナディア」 ゼウスに本当の名前を初めて呼ばれて、固く閉じていたナディアの目が驚愕で大きく見開かれた。「愛してるよ」 言葉と共に、ゼウスの男根がずっぷりと奥まで入ってくる。衝撃に声も出せずに固まるナディアの頭の中で、カチカチカチという音がした。「ううっ…… すごい……」 うめいた後に、ゼウスが腰を使い始めた。陰茎を抜き差ししながら愛液にまみれたナディアの内部を擦りつけて、淫靡な水音を立てている。「あんっ、あっ、ああっ……」 媚薬のせいもあるのだろうが、ゼウスの動きは段々と容赦がなくなってきた。簡易的な寝台が強く軋み、ナディアは激しい抽送に嬌声を上げた。「ゼウスっ…… 気持ちいいっ……」 ナディアもゼウスの動きに合わせて自然と腰を揺らしていた。慣れるまでは痛いこともあると里のお姉さま方から聞いていたが、痛みなんて最初から全くなかった。媚薬のせいでおかしくなっていた体は、破瓜の痛みすら快感に変えていた。「気持ちいいっ……! ゼウスのおちんちん気持
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2 奴隷宣言

 ナディアの頭は快楽に溶けていた。媚薬ってこんなにすごいんだなと思いながら、ゼウスに組み伏されて穿たれる快感に喘いでいると、廊下からコツコツと足音が聞こえてきた。「ゼ、ゼウス……」「わかってる」 時間の経過すらよくわかっていない状態だったが、おそらく二時間経ったのだ。 陰茎を挿入したままで、ゼウスはナディアの体を起こした。ベッドの上にあった隊服の上着を掴んでナディアの体にかけたゼウスは、ナディアの背中が廊下側に向くように位置を変えると、対面座位の姿勢で交わりを続行した。「う、嘘っ……」 ナディアは突き上げられる快感に悶えながらも、目を白黒させていた。(迎えが来たのになんで止めずに続けるの!)「ゼウス」 背後からゼウスを呼ぶ男の声がした。(ひいいっ! レイン先輩が後ろにいるんですけどっ!) ナディアは恐慌状態になりながらも、喘ぎ声だけは聞かせてなるものかと下唇を強く噛みしめ、手で口を覆って声を出すのを必死で我慢した。 隊服で隠れているから自分の裸は見えていないと思うが、繋がっている所からのグチャグチャとした結合音や、ベッドの軋む音は聞こえているわけで、ヤってるのなんか丸わかりだ…… (何考えてるのよゼウス…………) ふと、ゼウスがレイン先輩と自分を共有するつもりだったらどうしよう、とそんな考えが頭をよぎった。「もうすぐ、終わりますから…… 待ってて、ください……」 吐息と喘ぎ声の間からゼウスがそうレインに返事をした後に、突き上げが酷くなった。「ふっ…… うぅっ……」 ナディアは声を出さないようにしていたが、吐息の隙間からどうしても漏れてきてしまう。 ナディアは体位が変わって丁度いい位置にきた胸をいじられていて、乳首をつままれてビクビクと反応してしまう体をもどかしく思いながら、何でこんなことになっているのかとポロポロと涙を流した。「ごめんね……」 ゼウスの片手はナディアの体を支えている。胸をいじっていた手を離してナディアの涙をぬぐったゼウスは、そう囁いてからナディアの口元の手を外して、キスしてきた。「んんーっ! んんんっ!」 口を吸われながら最奥に精を出される。吐精直前の激しすぎる突き上げにより、ナディアもゼウスの唇に声を抑え込まれながら達した。****** レイン先輩は水とかタオルとか着替えとか、必要と思われる物一
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3 あの頃のゼウスではない

 ゼウスに抱えられながら階段を移動したナディアは、留置場一階にある応接室のような場所で、レイン先輩からの話を聞いた。 ゼウスが予想した通り、ナディアの処刑はなくなった。 アークは、番を得たナディアの処刑を取り下げることに同意したという。ナディアがゼウスの獣人奴隷になる手続きを進めるという話だった。 しかし今は明日のシドの処刑で銃騎士隊本部もゴタゴタしているし、ひとまずはゼウスとナディアの関係はあまり大っぴらにはせず、都内に二人の潜伏先を用意してあるので、落ち着くまではしばらくそこで暮らすようにと言われた。 ゼウスが、「ナディアの体がつらいようなので移動は休んでからにしたい」と言うと、レイン先輩は「ヤりすぎたんだろ」とニヤリと笑ったが、誰のせいだ! とナディアは殺意が湧いた。 ナディアはレイン先輩にムカムカしていたが、銃騎士隊二番隊に所属する彼はその中でも薬を扱う部所に配属されているようで、休憩室らしき部屋で横になったナディアに、痛み止めやら獣人にも効く栄養剤やらを出してくれた。 それからレイン先輩は、「今日から毎日欠かさず飲むように」と避妊薬も出してきた。『デリケートなことまで口出してこないで!』とナディアは文句を言いかけたのだが、「大事なことだよ。ゼウスを守りたいなら飲み忘れないように」 そう言われて、口をつぐんだ。 子供なんて生んだらゼウスが処刑されてしまう。確かに大事なことだった。 避妊薬の説明や、飲み忘れたらどうすればいいかなどの話をレイン先輩が真面目にしてくれるので、結構面倒見が良いんだなと関心していたナディアだったが―― しかし、意図的だとは思うが、先輩の説明は不十分だった。 薬を飲んで小一時間ほど休んだら体もだいぶ楽になったので、三人で馬車に乗り移動したのだが、着いたのはレイン先輩の家だった。(潜伏先が先輩の自宅の地下とか聞いてない!)「……まさかレイン先輩の家で三人で暮らすんですか?」 自宅を案内されながら、ゼウスもあまり乗り気ではなさそうだった。「いや、四人だ。もうすぐ俺の嫁が来る」(嫁ってどんな人だろう。仲よくできればいいけど) 目まぐるしく変わる状況についていくのがやっとだったナディアは、レインの相手が誰なのかについては深く考えなかった。 地下空間は潜伏生活にもってこいなほどに生活設備が全て整っていて、食
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