ノエルの告白に、ゼウスは呆気に取られた様子だった。「どういう意味……?」「そのままの……意味です。私の父は人間ですが、母が獣人なのです。銃騎士隊の仕事中に父が母に一目惚れしてしまい、魔法も使って疑われないようにしながら、人間として夫婦になりました。ですから私の兄弟全員が――」 ノエルは最後まで言葉を言うことができなかった。ゼウスがソファに立てかけていた剣を掴んで抜刀し、いきなり斬りかかってきたからだ。 ゼウスは、ナディアが獣人だと知って以降は、出会った時にはいつでも処置できるようにと、私服姿でも愛用の剣を持ち歩く癖がついていた。「ノエル! お前っ! お前ぇぇぇっ!」 ナディアの一件から、安全だと言われている首都にも獣人が潜んでいることがあるのだと知ったゼウスは、ノエルの言葉を信じたようだった。 ゼウスの激高はあまりにも急すぎて、隣のアテナもかなり驚いている。 ノエルはゼウスが斬りかかろうとした時には「盾の魔法」を展開させていたから、血飛沫が舞うことにはならなかった。「裏切り者っ! このっ! 裏切り者がぁぁぁっ!」 しかしゼウスが何度も剣を振りかぶって見えない壁を壊そうと躍起になるものだから、その影響でノエルの前に置かれていたテーブルは破壊された。「ゼウス! 落ち着いて! ゼウス!」「姉さん! そいつから離れろ! 俺たちはずっと騙されていたんだ!」「違うの! 私は知っていたの! 全部わかった上でノエルと結婚したの!」「何だって! 何でそんなことをっ!」「愛しているからよ!」「愛、して……」 ゼウスの動きが一瞬止まった。「ゼウスだって本当はナディアちゃんを愛しているのでしょう? 素直になって!」「そんなこと…… 認められるものかっ! 姉さん! 獣人は俺たちの仇だぞ! 忘れたのか?!」「忘れてない! 忘れてないわ! 私は一度だってあの時のことを忘れたことはないわ!」 アテナはそう叫んで泣き崩れてしまった。ソファに座り込むアテナをノエルが支える。「ノエル! 離れろ! 姉さんから手を離せぇぇぇっ!」 ゼウスは見えない壁を斬ろうと、再び剣を叩きつけ始める。「離さないわ! 私はノエルから絶対に離れない!」「姉さん! 目を覚ませっ!」「目を覚ますのはゼウスの方だわ! どうしてナディアちゃんを受け入れないの! この
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